12月8日開催報告 書店トークイベント「マンガで学問するということ」

2024.12.19

12月8日(日)に、紀伊國屋書店新宿本店のアカデミック・ラウンジにて、教養教育研究院が主催する一般向けのトークイベント「マンガで学問するということ」が開催されました。
このイベントは、教養教育研究院に所属する専任教員3名が、それぞれ著者・監修者として関わったマンガの内容について紹介するとともに、学問の内容をマンガにして読者に届けることの意味・面白さ・難しさ・苦労などについて、各関連分野の研究者(同じく教養教育研究院に所属する専任教員3名)からのコメント付きでトークするものです。

トーク第1話は、武村政春先生(神楽坂キャンパス教養部教授)が、ご著書『マンガでわかる生化学』を題材に、「擬人化」の難しさなど重要なご指摘をされました。その後、多くの付箋を貼ってこの書籍を読み込んでこられた竹内謙先生(北海道・長万部キャンパス教養部教授)から、まずマンガを読み、さらに深く勉強したいところを専門書で読むという、マンガの使い方についてのご提案がありました。

続くトーク第2話では、伊吹友秀先生(野田キャンパス教養部教授)が、 ご著書『マンガで学ぶスポーツ倫理』のできるまでについて、ユーモアも交えて楽しく語られ、それに対して守田優子先生(葛飾キャンパス教養部講師)から、「そもそもスポーツとは」という観点での本質的な問いかけがなされました。

最後に、トーク第3話では、松本靖彦先生(野田キャンパス教養部教授)が、監修された『まんがで読破クリスマス・キャロル』を素材に使って、ディケンズの「クリスマス・キャロル」の文章とマンガの場面を比較するなど、工夫に満ち溢れたお話をしてくださり、金澤淳子先生(葛飾キャンパス教養部准教授)とのあいだで、文学を読み解く楽しさに溢れたやりとりがありました。
それぞれのトークに対して参加者からの質問もあり、トークイベント終了後も先生方を呼び止めて質問される方や、書籍を購入される方も多く、最後まで充実した時間となりました。
司会の菅原慶郎先生(北海道・長万部キャンパス教養部講師)の軽妙な司会も、会場を盛り上げました。

参加者からは、「三者三様の独自の切り口がおもしろかったです。各コメンテーターとのやりとりも興味深く楽しめました」、「理科大学のイベントで文学のお話が聞けるとは思いませんでした」、「それぞれの専門分野の先生方のお話を伺える、貴重な機会でした。生化学、スポーツ倫理、英文学のクリスマス・キャロル、本当に多岐に渡っていて、自分の専門分野とは全く違う分野に、新たに興味を抱くモチベーションになりました」、「理科大の教養教育のスタッフの充実さを感じるとともに、組織として教養科目の社会還元のあり方の一つの重要な例を知れた。広域に渡る各キャンパスの連携・協力が上手く機能している点も感心した」などの感想が寄せられました。