3月6日(水)、朝日新聞社が主催する「大学 SDGs ACTION! AWARDS 2024」において本学大学院生が自治体(鹿児島県瀬戸内町)賞を受賞しました。
大学SDGs ACTION! AWARDSは、SDGs(持続可能な開発目標)の実現に向けて、次代を担う若者たちの活動を支援するプロジェクトです。今年度は全国の大学学部生、院生、専門学校生、若手研究者などから、過去最多の応募総数177件が寄せられました。その中から一次選考を通過した12組が最終選考会でプロジェクトのアピールポイントを発表しました。
理学研究科 化学専攻 修士課程2年の手島 涼太さんは、海岸に漂着した海藻と炭酸水から新たな傷治療用ゲルを開発しました。身近な資源を活用する発想と、9年間にわたる研究に携わる熱意が高く評価され、受賞に至りました。
受賞者
理学研究科 化学専攻 修士課程2年 手島 涼太
指導教員
理学部第一部 応用化学科 教授 大塚 英典
薬学部 薬学科 教授 花輪 剛久
薬学部 薬学科 客員准教授 河野 弥生
理学部第一部 応用化学科 助教 大澤 重仁* (現 東京女子医科大学)
*所属は研究当時のものです。
受賞題目
海岸に漂着した海藻と炭酸水から新たな傷治療用ゲルを開発!
受賞日
2024年3月6日
受賞者 手島さんのコメント
今回のコンテストでは、自身の研究における社会的な意義をアピールしました。普段から行ってきた学会での討論とは異なり、自身の研究を社会に分かりやすく伝えることが求められました。これは自身にとって数少なかった経験で、今回、高い評価を頂けたことを大変嬉しく思います。
最終選考会では、私が開発した傷治療用ゲルが海岸に漂着した海藻を原料としている点や、土壌中で分解することによる持続可能性をアピールしました。さらに、このゲルは臨床使用されているハイドロゲル製剤で観察されるゲルの膨潤に伴う傷口の一時拡張を抑制できることも実証しています。素材面だけでなく、現在の医療が抱える課題にアプローチしている点もアピールしました。
本研究においては、所属研究室の先生のみでなく、薬学部や先進工学部、他大学の先生方からもご指導をいただきました。私の専攻は化学ですが、生体材料という研究分野は、化学だけでなく、医学、薬学、工学などの様々な分野の知見が融合しています。多角的な視点から研究に取り組むことで、多くの人の共感を得られることを実感しました。理科大での経験を通じて、そのような能力を向上させることができたと考えています。
4月からは社会人として活動しますが、今後もヘルスケア領域の研究に携わる予定です。これまでの経験を活かしつつ、新しい挑戦にも積極的に取り組みたいと考えています。
関連リンク
受賞者一覧
大学SDGs ACTION! AWARDS
研究紹介動画 Our Story(手島涼太さんー炭酸水を用いたアルギン酸ゲルの研究)
本学プレスリリース
海岸に漂着した海藻の成分と炭酸水を用いて高機能な創傷治療用ゲルを開発
~従来の創傷治療用ゲルと真逆の低皮膚接着性・低膨潤性が創傷部の拡張を抑制する~
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主な研究内容