「理科大で培った“学びの基礎体力”は、未知の分野に飛び込む今の仕事でも大きな支えになっています。」
テレビ局の仕事と聞くと、多くの人は番組制作を思い浮かべるかもしれない。スポーツ局コンテンツプロデュース部でプロデューサーを務める横木さんが取り組んでいるのは、放送の枠を越えた新規事業の開発だ。スポーツや教育の分野で、デジタル技術を活用した新たな体験づくりに挑戦している。その一つが、テニス・バドミントン・卓球を組み合わせたアメリカ発のラケットスポーツ、ピックルボールの事業開発。横木さんは7月に東京で開催される国際大会や、TBSが参画する体験型イベントの企画を主導しながら、新しいスポーツ文化を広げるプロジェクトを進めている。他にも、実際の駅伝レースと連動し、視聴者がスマートフォンで参加できるゲームの開発も担当。「スポーツの魅力や感動を自分ごととして楽しめる仕組みをつくることで、新しいファン層を広げていきたい」と語る。また、教育分野では、自局の報道記者の知見を生かし、中高生向けの学習プログラムの開発などにも携わる。放送局として培ってきた“伝える力”を教育へ応用し、子どもたちが社会課題を主体的に考えるきっかけづくりを目指しているそうだ。もともとは、入社以来 20年以上にわたり放送技術の分野でキャリアを積んできた横木さん。地上デジタル放送のシステム開発やCG制作、インターネット配信技術部門の立ち上げなどを経験し、動画配信サービス「TVer」のリアルタイム配信ローンチにも携わった。試行錯誤を重ねながら新たな仕組みを築いた経験が、現在の事業開発の原点になっている。「自分が培ってきた知見を、次の世代や未来へ役立てたいという思いが強くなりました。教育やスポーツの領域に取り組んでいるのも、そのためです」。学生時代は、工学部第一部機械工学科で数値流体力学(CFD)を研究。修士課程ではWeb上でCFDを実行できるアプリ開発にも挑戦した。「理科大で培った“学びの基礎体力”は、未知の分野に飛び込む今の仕事でも大きな支えになっています。これからも、リアルとデジタルを融合した体験づくりを通じて、次世代の探究心を育む場を広げていきたいです」と横木さん。放送とテクノロジーを掛け合わせ、人々の未来につながる価値を生み出す挑戦は続いていく。
「Pickleball Park」のオリジナルパドル
卒業生のホンネメッセージ~理科大生のみなさんへ~
皆さんが今向き合っている学びや発見、そして将来携わる科学技術には、社会を豊かにする大きな力が秘められています。ただ、「優れた技術」だけでは人は動きません。「誰を幸せにするか」を想像し、社会に伝わる価値へ“翻訳”する「人間力」が、AIと共に歩む時代には一番大切になると私は考えています。
だからこそ、理科大での学業と向き合う日々を全力で楽しんでください。例えば、論文を書き、学会という外の世界で「自分の成果を伝える」経験を積むことは、その翻訳力を鍛え、将来のかけがえのない財産になります。
そして、大学やバイト先以外の「+αの環境」にも飛び込んでみてください。多様な出会いで磨かれた感性は、科学と日常をつなぐ力強い架け橋になります。皆さんの活躍を応援しています!

