※内容は「東京理科大学報」 vol.230 掲載時のものです。

人の心を揺さぶるニュースを届けることで、企業とメディア、生活者をつなぎ、好循環を生む。

さまざまな企業がプレスリリースを配信する
プラットフォームを運営
株式会社 PR TIMES
代表取締役社長

山口 拓己さん

株式会社 PR TIMES
代表取締役社長
東京理科大学理工学部経営工学科卒業後、山一證券株式会社に入社。アビームコンサルティング株式会社等を経て、株式会社ベクトルに入社。取締役CFOに就任。CFO在任中の2007年、プレスリリース配信サービス「PR TIMES」を立ち上げサービスを開始。株式会社PR TIMES代表取締役社長に就任。現在に至る。

「挑戦には、失敗があるが、実験には失敗はない」

企業や団体などが、自社の商品やサービス、イベントなどを発表する公式資料であるプレスリリースは、かつては報道関係者だけに渡されたり、自社のHPで発表するのが一般的だった。山口さんが代表を務めるPR TIMESでは、さまざまな企業がプレスリリースを配信するプラットフォームを運営し、メディアはもちろん、一般の人もサイト上で気軽に情報収集できるようになっている。「プレスリリースの起源は、1906年、ペンシルバニア鉄道の脱線事故の公式発表資料だと言われています。その文書は、新聞を通して、多くの人に正しい情報として届きとても意義のあるものでした。私たちも、企業とメディア、そして、その先の生活者へ。社会が必要としている有益なニュースや行動者発の情報が一人ひとりの、そして世の中の心を揺さぶることができればと思います」と山口さん。

サービス開始当初は、9割以上が飛び込み営業で獲得していたという契約企業は、今では累計約8万社、そのほとんどがお客さま主導による契約だという。また、朝日、産経、毎日、読売などの主要全国紙のデジタル版とも提携。まさにネタの宝庫となっている。今後は「PR TIMESを、日本の社会的な情報インフラ、世界有数のインターネットサービスと呼ぶに相応しいサービスに成長させていきたいです。また、主軸のPR TIMESを超える事業に挑戦する人が、次々と出てくるような企業にしていきたいです」と語る。大学時代、理工学部の経営工学科に所属していたという山口さん。入学当初に出会った9人の仲間は、生涯の友として今でも交流があるそうだ。決して優秀な学生ではなかったと謙遜する山口さんだが、卒業後、異分野に就職したり、転職をしていく中で、改めて、学び続ける大切さを痛感しているという。「挑戦には、失敗があるが、実験には失敗はない。想定していない結果になったとしても、それは新たな発見になる。どんなことも実験だと思って取り組んでほしい」。異分野で結果を残し続けてきた山口さんらしいポジティブなメッセージだ。

プレスリリース配信サービス「PR TIMES」