※内容は「東京理科大学報」 vol.239 掲載時のものです。

データ分析力と論理的思考で課題を解決。企業コンサルティングの現場で、顧客の企業価値創造を導く。

M&Aを中心に、経営計画の策定や組織改革まで支援。
マッキンゼー・アンド・カンパニー
アソシエイト・パートナー

山﨑 敦さん

マッキンゼー・アンド・カンパニー
アソシエイト・パートナー
東京理科大学理工学部経営工学科卒業。2008年 理工学研究科経営工学専攻修了。同年モルガン・スタンレー証券に入社。その後JPモルガン証券株式会社でM&Aアドバイザリー業務等を経て、米国シカゴ大学ブース経営大学院でMBA取得。2019年 マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社し現在に至る。著書に『マッキンゼー価値を創るM&A』ほか。

「理科大で培った数学やプログラミングの力、論理的に課題を考える姿勢は、今の仕事の基盤になりました。」

企業の経営課題やその改善策を明らかにし、外部の視点から企業価値の向上を支援する「コンサルティング」。デジタル化やグローバル化が進む今、経営のプロであるコンサルタントと未来の戦略を考えることは、多くの企業にとって欠かせないものになりつつある。世界を代表するコンサルティングファームのひとつ、マッキンゼー・アンド・カンパニーで、アソシエイト・パートナーを務める山﨑さんも、その最前線で活躍する一人だ。山﨑さんの仕事は、企業の合併や買収に関わるM&Aを中心に、経営計画の策定や組織改革まで多岐にわたる。「クライアント企業の経営陣と日々対話を重ね、“企業価値の創造”を軸に業務に取り組んでいます。業界トップクラスの知見とノウハウを持ち、データや事実に基づく支援がマッキンゼーの強みです」と語る。大学時代は経営工学科でデータ分析や機械学習などを専攻。英会話や短期留学も経験し、テクノロジーに精通しながら経営についての知識を身に付け、グローバルに活躍する将来を志していた。「新卒で入社したモルガン・スタンレー証券ではテクノロジー部門に所属し、社内システムの構築・運用などを担当していました。やりがいはありましたが、一つ上の先輩が大企業の経営統合案件に携わっていたことや、時代の流れにも影響を受け、企業の枠を超えて経済全体を動かす力を持つM&Aに惹かれるようになりました」。その後はJPモルガン証券の投資銀行部門に転職し、約6年間、国内大型再編を含むM&Aのアドバイザリーなどに携わる。さらに、企業経営について本格的に学ぶため、シカゴ大学ブース経営大学院へ留学。MBAを取得し、現在のマッキンゼーに加わった。「理科大で培った数学やプログラミングの力、論理的に課題を考える姿勢は、今の仕事の基盤になりました。数字を使って議論する力や英語力もビジネスで役立っています」。生成AIのような新技術を理解する上でも、専攻していた分野の研究経験が生きているという。今後は経営陣から指名されるアドバイザーを目指し、将来的には経営者として自ら企業価値を創造したいと語る山﨑さん。その挑戦と飛躍はこの先も続いていくだろう。

山﨑さんが共同執筆した書籍。
M&A成功の秘訣がまとめられている。

卒業生のホンネメッセージ~在学生のみなさんへ~

私は理科大卒業以来、プロフェッショナル職種と呼ばれる成果主義の世界でキャリアを積み重ねてきました。メーカーや研究所等に就職する友人が多い中、理科大では異色のキャリアを積むことに不安を感じる方も多いと思いますが、グローバルに世界を飛び回って、英語でビジネスをして、CEOと企業価値を上げる成果を出し、自分の名前で書籍やレポートを出版することは、ビジネスマンとして非常にエキサイティングです。ぜひ、先輩や同級生の典型的なキャリア以外のキャリアパスも幅広く考えてみると良いかと思います。