※内容は「東京理科大学報」 vol.229 掲載時のものです。

ビジネスの基本は、ピープル。
働く人の笑顔があってこそ、HAPPYの連鎖が生まれる。

人材の採用や育成、職場環境の整備に取り組む
日本マクドナルド株式会社
取締役 執行役員 チーフ・ピープル・オフィサー

斎藤 由希子さん

日本マクドナルド株式会社
取締役 執行役員 チーフ・ピープル・オフィサー
大学卒業後、勤務した企業で人事を経験。1999年ヤフーに入社。人事制度や組織編成、エンジニア人材戦略など幅広く従事。働きながら東京理科大学大学院にてMOTを学び、2018年3月東京理科大学技術経営修士を取得。2018年11月よりアンダーソン・毛利・友常法律事務所にて事務長兼CHROとして勤務。2021年8月より現職。

「どんな人との出会いも、自分を成長させる貴重な機会。偶然の出会いも、大切にしてほしい」

日本全国に約2,900店舗。働く人は、約19万人。世界屈指のハンバーガーレストランチェーン、マクドナルド。斎藤さんは、この巨大な組織の中で、日本における人事・総務の責任者として、人材の採用や育成、職場環境の整備に取り組んでいる。「マクドナルドのビジネスの基本は、ピープルです。社員やクルー(アルバイト)の一人ひとりが、成長し活躍できる場があってこそ、お客さまもHAPPYになり、働いている人のご家族もHAPPYになる。働く人の笑顔があってこそ、お店は活気にあふれ、地域も元気になる。このピープルビジネスこそ、創業当初から変わらぬマクドナルドのカルチャーです」と斎藤さん。人事のエキスパートとして、マクドナルドに転職をしたのは2年前。「人が大切だ。と謳う企業は他にもあると思いますが、それ自体をビジネスと捉える企業は他には無いと思います。先達たちが守り続けてきたブランドを引き継ぎ、進化させていくことはとてもやりがいを感じますし、この先も時代に合わせながら、多くの人に働きやすいと思ってもらえる環境を整えていきたい」と続ける。

現在、執行役員として、企業の経営にも深く携わっている斎藤さんは、5年前、IT企業のヤフーに勤務しながら、東京理科大学大学院で技術経営修士(MOT)の学位を取得した。ベンチャー企業から大企業へ急成長する中、斎藤さんは、エンジニアと人事職員では、双方の考え方に温度差があることを感じ、MOTを学ぶ決意をしたそうだ。職種や業種の異なる多くの社会人が集まり、それぞれの立場で闊達な議論を繰り広げる大学院での日々は、人事という立場の自分をメタ認知することができ、とても貴重な経験だったと振り返る。また、理論+持論+人間観により、原理原則を見出し、課題を解決することができるようになったのは大きな収穫だったという。「どんな人との出会いも、自分を成長させる貴重な機会。偶然の出会いも、大切にしてほしい」。そう語る斎藤さんの温かい笑顔は、その場にいる人すべてを笑顔にさせてしまう。マクドナルドのスマイルには、やはり人を幸せにする力があるに違いない。

店舗では、年齢や役職に関係なく、違いを支え、高め合う文化があるという。