※内容は「東京理科大学報」 vol.227 掲載時のものです。

"G-SHOCK"の歴史を踏襲し、新しい可能性を引き出す未来型アプリケーション&サービスを企画

次世代の"G-SHOCK"サービスの数々を担う
カシオ計算機株式会社
開発本部 第二開発統轄部 第一開発部 11企画室

伊藤 正樹さん

カシオ計算機株式会社
開発本部 第二開発統轄部 第一開発部 11企画室
2011年3月東京理科大学理学部第一部応用物理学科卒業。2013年3月理学研究科応用物理学専攻修士課程修了。同年4月、カシオ計算機株式会社に入社。コンシューマ事業部、コンシューマ開発本部などを経て、2020年から開発本部 アプリケーション開発統轄部 第一開発部(2021年4月から開発本部 第二開発統轄部 第一開発部に名称変更)に配属。現在に至る。

「研究は日々トライ&エラーと、自分の成果をまとめて発表することの繰り返しです。 この泥臭さこそ、社会で大いに生きる経験だと思います。」

スマートフォンの普及に準じて所有率が急速に伸びているスマートウオッチ。スマートフォンとの連携や健康管理だけでなく、さまざまなシーンに適した機能が開発され続けている。伊藤さんはカシオ計算機の耐衝撃ウオッチ"G-SHOCK"ブランドから発売されている、スマートウオッチ『GSW- H1000』の開発に携わってきた。耐衝撃性や20気圧防水といった"G-SHOCK"ならではのタフネス性能を備え、幅広いアクティビティに特化したスマートウオッチだ。現在は新製品用のアプリケーションの企画から、リリース後の改善施策までを担当。アプリは、ウオッチ上で記録したアクティビティのデータをスマートフォンに連携し、管理・シェアできる。また、これまで発売された"G-SHOCK"から、約3,500のモデル情報を掲載した『CASIO WATCHES』スマートフォンアプリ内のサービスである 『Discover G-SHOCK』の仕様設計も兼任。次世代の"G-SHOCK"サービスの数々を担っている。

左から、伊藤さんも日々身につけている"G-SHOCK"『GSW-H1000』、『Discover G-SHOCK』では購入可能の現行モデルも掲載

そんな伊藤さんだが、入社4年目までは電子文具や新規事業チームの商品企画を担当していた。お世話になっていた上司の推薦と、ものづくりへの探究心もあって、現在の部門に異動している。「以前の部署で担当した新規事業は、"マチカメ"という、全国各地の観光スポットに導入したプロ仕様の高画質カメラをスマートフォンから操作し、素人では撮れないような角度からベストショットを収められる撮影サービスです。サービスの企画コンセプトの考案や、機材のデモンストレーションを行っていました」。 設置現場で行う情報収集についても「お客さまがどう行動し、どのような表情を見せるのか。現地に向かわないと分からない情報は貴重な財産なので、逃さず収集していました」と語る。こうした地道な仕事も含め、大学時代の応用物理学科での研究経験が生きていると言う。「研究は日々トライ&エラーと、自分の成果をまとめて発表することの繰り返しです。 この泥臭さこそ、社会で大いに生きる経験だと思います」。まさに今、"G-SHOCK"ユーザーの期待に応えるべく、一歩一歩、サービスの改善と進化を目指している伊藤さんらしいリアルな声だ。