INTERVIEW

Brush UP!Presentationとは

国際化推進センターが展開するサービス。英語プレゼンテーションに関する「質疑応答」「模擬プレゼン対応」「資料添削」等のコーチングを、ネイティブ講師からマンツーマンで受講可能。国際学会など、英語プレゼンテーションを控えた大学院生を中心に利用されている。

研究内容と留学の動機について教えてください. 

私は液体内で生じる対流場の研究を行っており、特に表面張力の差異が原因で発生するマランゴニ対流という現象に注目しています。本研究は、液体内に分散する微小なトレーサ粒子が一定のパターンを形成する粒子集合現象(PAS)の機構の解明を目的としています。

私が所属する研究室では、実験的アプローチを主としており、その中で私は新たな現象を発見しました。この新現象の理解を深めるためには、実験手法だけでなく数値解析によるアプローチも必要だと考えました。このため、数値解析を専門とする教授のもとで研究を深めることで、現象の解明に近づけると確信し、留学の道を選びました。

参加した国際学会はどんな感じでしたか?参加した目的も教えてください 

研究の視野を広げるために、界面熱流体力学に特化した(The Conference of International Marangoni Association, June 19-23, 2023, France)および(ASME-JSME-KSME Fluids Engineering Division, July 9-13, 2023, Japan)に参加しました。前者では、ポスターセッションを通じて技術討論を行うことができました。国際学会特有の軽食をとりながらの形式は新鮮でした。後者では、オーラルプレゼンテーションを行い、新たな視点からの質問を受けることで、私の研究アプローチに対する洞察を深めました。また、専門外の発表に触れる機会も多く、研究の視野を大きく広げることにも繋がりました。

国際支援課のサービスを受けて改善した点と,役立ったと感じた場面はありましたか 

国際学会での英語発表は私にとって大きな挑戦でした。不安を解消するため、「Brush Up! Presentation」に参加し、発表スキルを磨きました。このサービスでは、内容の添削に加えて、発音の指導を含めた幅広いアドバイスを受けました。特に印象的だったのは、「Liquid Bridge」という私の研究テーマに関する単語の発音指導です。当初、私の強い日本語アクセントは伝わりにくいものでしたが、講師の細やかな指導により、自然な英語発音に改善することができました。

その結果、学会では自信を持って技術議論を展開し、研究視野を広げることができました。留学先でも、私の研究テーマを説明し、意義深い議論を重ねる機会が頻繁にありました。その努力が実り、私のプロジェクト以外にもPh.D.学生から解析手法や結果に関する相談を受けるようになりました。留学中、私の発音が原因で伝わらないこともありましたが、「Brush Up! Presentation」で学んだ「自分の考えを伝えよう」という強い意志が最も重要だと実感しました。

留学中の生活について教えてください 

留学先ではVisiting Researcherとして派遣され、教員とPh.D.の学生が同じ空間で研究する環境で過ごしています。平日は9:30から20:00ぐらいまで大学に滞在しています。毎朝、指導教員の方と会うと「good news?」 と聞かれ、進捗報告をしています。指導教員は情熱的なイタリア人の方で、良い結果があると嬉しそうな顔、結果がないとすごく残念な表情をされるので、良い結果が出せるように研究に取り組んでいます。

研究以外の時間は,Ph.D.の同僚達とお菓子を食べながら雑談をしたり、隔週で機械工学のPh.D.対抗バドミントン大会に参加して運動不足を解消しています。休日にはイギリス観光をし、私の夢だったプレミアリーグの試合観戦にも行くことができました。また、サウジアラビア、インド、ヨルダンのPh.D.の方からホームパーティに招待していただき、これらの国々特有のおもてなしや伝統料理を楽しむ、日本では味わえない貴重な体験をしました。

サービス利用・留学を考えている人へのメッセージをお願いします 

私は研究テーマを深めるために必要な手法を模索していた際、ある論文を発見し、これが留学のきっかけとなりました。留学期間中は、数値計算の手法を学ぶとともに、私の専門である実験解析を駆使し、現地のPh.D.と実験結果やデータ分析に関して意見交換を行いました。私の不慣れな英語にも関わらず、彼らは理解しようと積極的に努力してくれました。そのことから、私の研究能力が国際レベルで通用すると実感すると同時に、英語が単にコミュニケーションをとるための道具の一つであることを学びました。

これから留学を考えている人へのアドバイスとしては、明確な目標を持つことが充実した留学生活への鍵です。まずは国際支援課などのサービスを活用して、留学への第一歩を踏み出してみるのはいかがでしょうか。

※所属と学年はインタビュー当時のものです。

※所属と学年はインタビュー
当時のものです。