東京理科大学ハラスメント防止委員会

みんなで防ごう!ハラスメント

手のマーク 自分と相手の立場を置き換えて考えてみる

ハラスメント相談窓口には、「そもそもハラスメントの判断基準は何か」という問い合わせが寄せられます。
確かにハラスメントは、個人や立場によって感じ方が異なるために、基準といっても不明確で判断がつきにくいと思われがちです。また一般的に加害者はその行為がハラスメントであると認識していない事例も多々見受けられます。

本学では、基本的な心構えとして自分と相手の立場を置き換えて考えてほしいと要請しています。
まず、「こう言われたら、相手はどう思うか?」ということを、常に考える習慣をつけましょう。
「自分の(行った)言動は、自分の家族や大切な人が同じことを言われても(されても)平気ですか?」
と考えてみましょう。受け手の立場にたって初めて、そのダメージの重さに気付くことがあるかもしれません。
「それは誰に聞かれても見られても恥ずかしくない行為か?」ということを第三者の視点で眺めてみるようにしましょう。
自分と相手の立場を置き換えてみることは、ハラスメントの防止だけでなく、コミュニケーションの向上や、人間関係を良好にすることにつながります。(東京理科大学報 第200号掲載)

手のマーク ハラスメント防止のために、「傍観者」にならないで!

ハラスメントを根絶させるためには、ハラスメントを“しない”&“させない”という一人一人の自覚が大切なのは言うまでもありませんが、周囲の皆さんの果たす役割もとても重要です。ハラスメントに気付いたら、まず「自分に何ができるか?」を考えてみてください。

ハラスメントになりそうな場面に遭遇したら、「それ、ハラスメントです!」と勇気を出して注意喚起しましょう。お酒を飲む機会なども要注意です。思慮分別がつかなくなっている人がいる時は、やんわりと話題を変えたり話に割り込んだりすることも有効ですし、時には毅然として注意をすることも必要かもしれません。

何より大切なことは、
一人一人が「傍観者にならないこと」です。
「見て見ぬふりをするのは、ハラスメントに加わるのと同じこと」であることを自覚しましょう。

被害を受けている人の相談に乗ることも非常に大切です。ハラスメントを受けている人は、誰にも言えずに一人で悩んでいることが多いので、まずは身近な皆さんが相談相手になって、解決策を一緒に考えましょう。
また“組織をうまく使う”ことも時には必要です。本学の相談窓口などを有効活用して、皆でハラスメント根絶を目指しましょう!(東京理科大学報 第201号掲載)

手のマーク 「テクノロジー・ハラスメント(テクハラ)」にご用心

ITやシステムに詳しい方が、知らず知らずのうちに引き起こしてしまうことが多いハラスメントに「テクノロジー・ハラスメント(テクハラ)」があります。
例えばパソコンやシステムなどに詳しい人がそうでない人に対し、わざと理解できそうもない専門用語などで指示を出したり、相手が対応できない場合には侮辱的な言葉などで叱責したりするいじめを含むハラスメントです。
「そんなこともできないの?」などの言葉の暴力や、簡単なことをわざと難しく説明してオロオロするところを喜んだりすることなどもその一例です。

人は何かに詳しくなると、その分野においては自分より詳しくない人を一段下に見てしまう傾向があります。皆さんの中でも新人や環境が変わって不慣れな人のみならず、たとえ目上の人であってもその分野での知識や経験が皆さんの方があると思われる場合に無意識のうちにハラスメントまがいの対応をしてしまうこともあるかもしれません。「自分の環境が変わった時や、もっとずっと詳しい人からテクハラを受けたらどうだろう?」と考えると、話し方など対応に気を遣うことができるのではないでしょうか?
またテクハラには、“誰でも被害者にも加害者にもなり得る”という側面もあります。自分よりずっと詳しい人などからテクハラを受けた腹いせに、別の人に対して知らず知らずのうちにテクハラまがいの対応をした経験は、もしかしたら皆さんにもあるかもしれません。

夏も過ぎ、さまざまなことに慣れ、気が緩みがちになる季節です。不慣れな人などを見ると、慣れた分だけイライラすることもあるかもしれませんが、テクハラは人間関係を悪化させるだけです。この分野以外ではその人の方が詳しい場合もあるのですから、「自分は“たまたま”この限られた部分だけは、ちょっとその人より知っているだけ」と考え、丁寧に対応することを心掛けましょう!(東京理科大学報 第203号掲載)