私の授業改善
斎藤 慎一(理学部第一部 化学科 教授)
理学部第一部化学科では物理化学、有機化学、無機化学を中心に化学全般に関する基礎的な知識を涵養することを目指しています。私が担当している講義のうち、「有機化学1及び演習」は1年次の指定必修科目に指定されており、講義+演習、通年科目で週2コマあります。学生にとっては「是非とも単位を取りたい科目」になっています。内容は有機分子の構造の基礎から不飽和炭化水素の性質とその反応までを含んでいます。
学生であった頃に受けた講義で何がよかったか、ためになったか(そして役に立たなかったのか)を振り返り、また学生の反応を見ながら講義を企画しています。こんなところに自分の試みを書くのは恥ずかしいのですが、何かの参考になれば幸いです。
ホームページの開設
講義のホームページを開設し、私のメールアドレスも公開しています(http://www.geocities.jp/tusorganic1)。当初はCLASSシステムがなかったので講義に関する情報(小テストの実施予定など)を掲載していました。最近はCLASSシステムでおこなわれたアンケートの結果も公開し、コメントをつけています。
掲示板も開設したのですが、こちらはあまり活用されていないのがちょっと残念です。学生が個人的に質問することを好むためか、電子メールで質問を受ける機会が多いです。
テスト
半期に2-3回小テストを実施しています。採点するのはかなりの手間ですが、学生にとっては勉強し、頭の中を整理する機会、自分の理解度を確認する機会になっていると思います。採点は1週間後程度で返却し、全体の出来や回答のポイントなどについて講義で簡単に解説しています。小テストに関しては助教の山崎先生にいろいろと助けていただいています(感謝しています!)。成績優秀者をアナウンスし、よく勉強している学生にとって励みになるよう、配慮しています。解答例はダウンロードできます。小テストの得点は期末テストの成績が悪いときに考慮(加算)されます。
期末テストもできる限り速く採点、返却することを心がけています。期末テストの過去問、解答例についてもすべてダウンロード可能です。
CLASSシステムの活用
ホームページの更新状況、小テストの実施予定等はCLASSシステムでアナウンスしています。小テストに連動する形で独自アンケートを1回実施しています。また、期末テストでの成績不振者、再試対象者にはCLASSシステムを用いてアナウンスすることによりいち早く復習、試験の準備に入れるようにしています。
学生による問題の解答、解説
テキスト中の比較的簡単な問題を学生に当て、次の講義の際に黒板に解答を書いてもらっています(4-5名/回)。勉強する機会、復習する機会をつくること以外にも、上手にプレゼンテーションする能力について考えてもらうことを目指しています。解答することによりちょっとだけ最終成績に加算しています。
私なりには結構手を尽くしているつもりですが、いざ卒業研究で研究室に配属された学生と接してみると、私が教えたことがきちんと身についている学生もいれば、それほどでもない学生もいます。今後もあの手この手で、内容は高度だけれどもわかりやすく、知的に楽しい授業を目指したいと思っています。