どうやって事前事後学習を促しているか

材料力学
2019.10.27

谷口淳(基礎工学部 電子応用工学科 教授)

 電気系の学生にとって材料力学はとっつきにくく、苦手意識のでる科目です。その背景には使う物理が、慣れている電磁気からカ学になることや、応用例が構造物になり、電気系の学生には興味があまり湧かないようです。そこで、まず興味を持ってもらうために、電気系の学生でも材料力学が重要であることを説明しました。

 ひとつは、橋や構造物などを安全に使用するための学問であり、基礎として知っておかないといけない事柄であることを説明しました。もうひとつは、MEMSセンサーなどは、電気と材力の両方の知識があってはじめて理解できる例であり、このように、現在は広い分野の知識が必要となっていることを実感させました。次に、材料力学で出てくる公式は、力学から導出されるが、式の形としては、電気回路などの式と同じものが多くあります。そこで少々強引ですが、式の形は同じなので相似 (アナロジー)があり、この部分は、電気回路でいうとこの部分に対応するといった解釈も説明しました。この段階でだいぶ学生はアレルギ-が取れてきます。次に、材料力学は電気回路と同様に、1つの式から、いろいろと演習を行っていって、現象を確認するといったことが必要であると説明します。電気回路は演習の授業が別にあるが、この授業には演習の授業がないため、家で解く時間が必要であると説明します。しかし、基礎工学部の場合、クォーター制のため、宿題を課して次の時間に提出となると、2~3日後に提出となり、期間が短いため、提出が困難になります。そこで、予め、「この章が終わった段階で課す宿題は、章末問題のこの問題群です」という予告をします。また、提出は、その章が終わって大体1週間後と伝えます。さらに、授業がある程度進んだら、「ここまで習ったところで、章末問題のこの問題が解けます」と説明します。このようにすると、予告で課せられている問題数が多いので、学生は、これを一気に行うのは難しいと考え、徐々に行おうという気になり、予習・復習を兼ねて、できる問題から家で解いてくるというルーチンができます。

 このように、興味を持ってもらい、問題を解くことで学びが進んでいると実感させることが肝心であります。

 

「受講した感想」

基礎工学部電子応用工学科 4年 駒田一真

 

 材料力学を選択して受講した理由は、電子部品メーカーに就職する不可欠になると考えたからです。実際に授業を受講してみると教科書の内容をさらに詳しく丁寧に説明していました。ただ、レポート課題は多くて大変でした。しかし予め教科書の章末問題からレポート課題を知らされていたので、授業の進行に合わせて徐々に問題を解きレポートの準備をすることができました。このおかげで授業に対するモチベーションと内容の理解に繋がることができました。この授業を受け、材料力学のベースを理解することができ、今後必ず活用することができる知識となりました。