効果的な復習方法について

高電圧工学
2019.10.28

植田譲(工学部 電気工学科 准教授)

 私の担当している高電圧工学は、主に工学部電気工学科、工学部第二部電気工学科の3年生、4年生が受講する専門(選択)科目です。電気主任技術者資格取得のための選択科目でもあり、資格試験に対応できる授業内容としていることから、教科書を使って幅広い項目を学びます。高電圧というと普段取り扱うことの少ない特別な技術という印象を受けるかも知れませんが、電力システムにおいて送電などに用いられるほか、日常生活では雷がまさに高電圧により発生する現象です。授業でははじめに高電圧によって空気が絶縁物ではなくなる放電現象についてその物理を中心に学びます。最初の授業から専門用語や数式がたくさん出てくるのですが、放電現象を理解するには必要な知識ですので丁寧に解説していきます。学生には、難しいのは最初の数回だけで後半は知識を広める内容が多くなるため、前半の授業で教科書の章末問題などを活用してしっかりと復習するように指示しています。放電現象の物理を理解した後は、主に電力システムにおける絶縁破壊現象やそれを防ぐための機器設計など、幅広い内容を学びます。物理現象としての数式の理解から専門用語まで、覚えるべき事がたくさんある授業ですので、最終の試験ではA4用紙1枚分の自筆メモの持ち込みを可としており、学生にとってはこのメモの作成がとてもよい復習になっているようです。最近は板書をスマホのカメラで撮影する学生も多いですが、試験に持ち込まれるメモには、両面に小さな字で数式から章末問題の解法、用語の意味までびっしりと書かれており、多くの学生がしっかりと時間をかけて授業内容を復習し、メモにまとめている様子がうかがえます。その成果もあってか最終試験では多くの学生が良い成績を修めており、手書きで自ら学んだ内容をまとめる、という当たり前の復習が、とても効果的であると感じています。