私の授業改善 電気磁気学A及び演習 (1組)
髙木優香(創域理工学部 電気電子情報工学科 講師)
「電気磁気学A及び演習」は学部1年生の後期に実施する科目です。私は、この科目の「演習」パートを担当しています。毎回4題の問題を解きます。講義で習った内容を演習するので、学生は、4題を予習してきて毎回授業開始時にレポートとして提出します。その上毎回小テストも行っています。学生にとっては結構ヘビーな科目と察せられます。
授業への改善として、大きな工夫をしているわけではありません。大切にしていることは、雰囲気づくりかと思います。出来ればアクティブに、楽しく学んでもらえるよう試行錯誤しています。私は、この演習の時間は、友達同士で相談すること、おしゃべりすることもOKとしています。そして、この時間は評価の場ではなく、トレーニングの場であること、だから肩の力を抜いて、間違っても失敗しても大丈夫、みんなで学んでいこうということを繰り返し伝えています。
具体的な演習の進め方は以下2点です。
(1) 授業の最初にウォーミングアップ
キーワードのみを復習します。ガウスの法則の式は?電束密度の定義は?など、教科書を調べれば載っていることを前に出て黒板に書いてもらいます。書いてくれたら加点します、と伝えていますので、大勢の学生が前に出て来て、みんなでガヤガヤ言いながら書いています。
(2) 演習の4題は学生が黒板で解く
1題ずつ学生の皆さんに黒板で解いてもらい、その後私が解説することを4セット繰り返していきます。学生には、立候補して解いてもらうのですが、友達と相談して解くのもOKです。私が解説するときは自然に静かになり、真面目に聞いてくれている様子で、私としても授業時間の中で緩急をつけることの大切さを学んでいます。また、最初のウォーミングアップや教室の雰囲気により、みんなの前に出て解いてみることへのハードルが下がっていると良いなと思っています。
学生にとって、みんなの前に出て自分の解答を晒すことは、内容にミスがあるのではないかという不安や心配があると思います。しかし、学生には完璧さに囚われすぎず、勇気を出すことの大切さを実感してほしく思います。小さな経験ではありますが、少しぐらいミスをしても、少し恥ずかしい思いをしても立ち直るスキルを身につけて、臆病になりすぎずに自分の力で自分の人生を切り拓いていける、そういう練習になることを心から願っています。