私の授業改善

2019.10.01

川口 靖夫(理工学部 機械工学科 教授)

 研究機関から本学に移籍してまだ日が浅く、授業の改善どころかまだ試行錯誤を繰り返している段階です。学生さんを取り巻く情報環境はここ10年で劇的に変わりました。それに応じて講義も黒板への筆記・説明(chalk and talk)という古典的なやり方から変えようと、次のような手段(1.から9.)をとってみました。
 
 1.PPTを使った講義、そのままではノートが取りにくいので、2.PPT資料の大事な部分を印刷して配布。聞いているだけだと単調になるので、3.資料の中のキーワードは白抜きにして、講義中に穴埋めさせる。授業時間中の緊張と緩和は大事です。4.途中入退室・私語・飲食禁止。そのかわり、5.休憩時間(5分)を設けて息抜きさせる。
 
 学生さんが講義に積極的に関与してくれることが理想ですが、受講生が多数になると難しくなります。6.講義の最後に小さなクイズを出題。個別に採点はしないのですが、受講した学生さんは全員が記入をしてシートを提出してくれます。7.シートは翌週各自に返却。
 
 8.期末に行っている授業評価(紙ベース、回答率90%位)では、「休憩」「クイズ」が好評、設問「教師は重要な点を強調したか」「学問をする雰囲気を保つように努力したか」が高得点、「PPTを使った授業」は好評ですが「板書の方が良い」という学生さんが少数居ます。最近はじっくり吟味しながら式の展開をする場面では、板書に切り替えるようにしています。メディアを多用すると手間がかかるのですが、設問「教師の授業に対する熱意を感じる」というポイントが高いと報われた気持ちになります。
 
 当学科では隔月に教員全員参加の「教育研究会」を開き、話題を持ち寄って熱心に議論をしています。またそれぞれの授業を相互参観してよいとする申し合わせを行いました。私の授業改善も先輩・同僚の先生方のアドバイスやこうした9.学科の雰囲気に助けられています。