私の授業改善

「数学概論」
2026.10.28

田所 勇樹(理学部第二部 数学科 准教授)

理学部第二部数学科の「数学概論」は、数学を学ぶ上で基礎的かつ重要な概念である集合、論理、写像、同値関係について学ぶ科目で、いわゆる関門科目の1つです。2008年に開講され、1年生を2クラスに分け、平日の6・7限に開講されました。

講義の流れについて説明します。前半は、前回の復習問題の解説をした後、配布したレジュメに沿った板書による講義を行います。後半では、いくつかのグループに分かれて演習を実施します。各グループで相談しながら、TAのサポートを得て、各自が演習問題の解答を作成し、提出します。提出された解答はTAのチェックを受けた後に返却されます。このように、復習、講義、演習、答案の返却を通して、同じ内容に繰り返し触れながら学んでいきます。特に、返却された答案を見直し、自分の理解が曖昧だったところを確かめることを大切にしています。

この授業では、グループ学習も大切にしています。3月に高校を卒業したばかりの学生を中心に、社会人学生など、様々な背景を持つ学生が共に学ぶのは、理学部第二部ならではの光景です。初回の演習では、自己紹介をした後、数学に関する身近な話題について話してもらいます。もちろん、グループに分かれれば、いつも活発な議論が生まれるわけではありません。議論が進まないときには、教員やTAが問いかけ、どこまで理解できていて、どこで困っているのかを言葉にするよう促しています。互いに教えたり教えられたり、数学について議論したりする経験を重ねることは、今後の学習にとって肝要と言えるでしょう。

証明がわかること、計算ができることに加えて、数学的な事実が「からだになじむ」ことも大切です。自分の言葉で説明しようとして理解の曖昧さに気づいたり、他の学生の疑問をきっかけに具体例を考え直したりする経験を重ねることで、学んだことが自分のものになっていくと考えています。生成AIの解答や説明を参考にする際にも、その内容を自分で理解し、納得する過程は欠かせません。

また、グループ学習は学習面だけでなく、友達や知り合いを作るきっかけとしても、一定の役割を果たしていると感じています。数学について気軽に話せる相手がいることは、その後の大学での学びを支えることにもなるでしょう。講義で学んだ内容をすぐに演習で確かめ、学生同士で考えを交わせるこの時間を大切にしながら、私を含む4名の担当教員とTAが協力して、学びの場を支えていきたいと思います。