私の授業改善

「免疫学」
2026.05.29

西山 千春(先進工学部 生命システム工学科 教授)

 

私の担当する「免疫学」について、学生の皆さんからのコメントをまとめると、

 

面白い、楽しい、難しい、覚えることが多い、試験時間が足りない、出題が難し過ぎる

 

といったところでしょうか。

試験の「時間が足りない」「難し過ぎる」は、コロナ禍でオンライン試験を行わざるを得なかった時代に些かエスカレートしてしまった感はありますが、しっかり勉強してくる皆さんには、サクッと解けるものから、深い理解度を発揮できるものまで、幅広く取り揃えておきたいという私の(学生さんにとっては、傍迷惑な)愛情の表れです。

 

着任当初、スライド1枚で1分がデフォルトだった私は、1回の授業に90枚のスライドが必要と思い込み、毎週の授業準備が自転車操業でした。量が多い、スピードが速い、と言われて徐々に削り、現在に至ります。自分も大変でしたが、学生達も大変だったのだと気付くのに半年かかりました。

 

免疫は、しばしば擬人化されて語られる白血球の相互作用の世界です。それぞれ専門的な役割を担当しながら、一致団結し、異物を敵と見做して宿主の体内から排除しようと頑張る細胞達が登場します。その基本を2年生の授業で紹介し、3年生の「医療工学」では正しい免疫反応の恩恵と、時にその頑張りが疾患の原因となってしまうという負の側面も聴いていただきます。パンデミックを経験し、今や国民の2人に1人が何らかのアレルギーをもつと言われる時代を生きる私達にとって、免疫が身近な話題であることも、学ぶ意欲を高めるようです。2年生後期クウォーター科目である「免疫学」では、適応免疫の複雑なところを学びます。短期集中型であるため、ポイントを絞って勉強できるところが、取り組み易いのかも知れません。

高校時代に免疫学が好きでした、という学生さんの声をしばしば耳にします。推薦入試でも然りです。恐らく、高校の先生が上手に授業をなさっているのではないかと想像しています。せっかくの高校時代の好印象を、大学でも持続・発展させていかなければ、高校の先生方に申し訳ありません。という思いで、面白いけど難しい、ストーリーを聞くのは楽しいけど覚えるのが大変、な免疫学を、如何に伝えていくのかを考える日々です。

 

てにをはの使い方だけでも伝わり方が変わることを意識しています。一つの現象を、様々な言い回しで説明し、学生達に問い掛けて、思考する意識が持続するように促しているつもりです。効果のほどは不明ですが、時折、腑に落ちた!という目の光が見えたような気がしています。

 

そして、学生の皆さん、すぐに写真撮らずに、なるべく手書きして、板書以外も大事だと思ったら書き留めて、充実したノートを作って下さいね、と学生へ適宜声をかけています。