第22回FDセミナー開催報告(12/1)

2018.12.06

 2018年12月1日(土)に「学生の学びや成長に向き合うための学修成果の可視化について」と題し、首都大学東京より松田岳士氏をお招きして、「東京理科大学教育開発センター第22回FDセミナー」を開催しました。

 これまで大学には、「三つの方針」を定め、それに基づく体系的で組織的な教育の実施が求められてきたところ、現在はそれに加え「学生の学修成果の評価の方針(アセスメントポリシー)」を明確にし、学長のリーダーシップの下、PDCAサイクルを回しながら、目的とする教育の実現を目指す「教学マネジメントの確立」が求められています。
 この背景を踏まえ、今回のFDセミナーは、松田先生のこれまでのご経験や実践等をもとに、「学生の学びや成長に向き合うための、大学における教育の質的向上、質保証、学修成果の可視化」について、国の議論等も踏まえて講演いただき、本学における教育活動のより一層の発展に役立たせることを目的として実施しました。
岡村センター長からの開会挨拶の後、松田先生より、80分間の講演をいただきました。講演は3つのパートで構成され、まず最初に「1.大学改革の現状とIR」として、大学改革の原動力について、設置主体(国立大学・公立大学・私立大学)に応じて程度と方向性が異なることを確認した後、18歳人口が減少し、国の財政も劇的には改善されないことを踏まえ、大学においては新たな財源の開拓・帰属収入の減少防止・効率化の3つの対策が必要であることの説明がありました。
 次に「2.首都大学東京の取組」として、首都大学東京におけるIRの取組について、その特徴、組織・体系作り、目的、規則・ルール、組織が動き始めた後の課題等、準備期間から運用に至るまでの具体的な事例を紹介いただきました。
 「3.IRに関する実践」では、分析結果を、現状分析に留まらない問題の特定・解決策の提案につなげるためには、指標の策定・普及とその値の可視化が起点となることや、可視化の対象・目的・手法の組み合わせを意識することでロジカルな可視化につながること等について説明いただきました。
その後、会場の意見を踏まえて、分析結果の可視化の具体例を追加で紹介いただきました。実際の事例を基にした内容であったことから、充実したセミナーとなりました。

<概要>
テ ー マ: 「学生の学びや成長に向き合うための学修成果の可視化について」
日  時: 2018年12月1日(土)10時〜11時30分
場  所: 神楽坂キャンパス 1号館17階 記念講堂
講  師: 松田 岳士氏(首都大学東京 大学教育センター 教授)
内  容: 開会挨拶    岡村 総一郎 教育開発センター長
      講演      松田 岳士氏
      閉会挨拶    佐伯 昌之 ICT活用教育推進小委員会委員長
参 加 者: 74人(教員58人、事務職員16人)

アンケート結果(抜粋):
(本セミナーを受講して良かったと思われる点)
・IR室のあり方や活動について参考になった。
・これまであまり意識していなかったIRの分析可視化の考え方を学ぶことができ、貴重な機会となった。
・データをどう授業改善に結びつけていくかのヒントが得られた。
・可視化への意思欲が刺激された。

(本セミナーをよりよいものとするために改善すべき点)
・基本概念の「IR」について、最初に定義してほしかった。
・学修成果の可視化について、少し説明が多いと感じた。

(セミナーの内容・進行に関する意見、FDセミナーへの要望等)
・事例紹介が多い方が理解しやすかったと思う。
・セミナー資料は聴講しながら記入できるように空欄を作ってあったが、このような場合、事後に完全版をCENTIS等で公開してほしい。