第21回FDセミナー開催報告(7/14)

2018.07.20

 2018年7月14日(土)に「「アクティブ・ラーニング」について今一度振り返る」と題し、芝浦工業大学の榊原暢久先生及び愛媛大学の小林直人先生をお招きして「東京理科大学教育開発センター第21回FDセミナー」を開催しました。

 「アクティブ・ラーニング」は、教育再生実行会議(第三次提言、第四次提言)等で提言されている、国として進める教育改革の一つで、本学においてもこれまで「アクティブ・ラーニング」をテーマとしたFDセミナーを開催してきたこともあり、学内においても「アクティブ・ラーニング」という用語に慣れてきた様子も見られます。
 その反面、教職員間での理解度に差が生じていること等も懸念されており、今回のセミナーでは、今一度、その意義、内容等について振り返り、理解を確実なものにし、学内での共通認識を醸成すること、また、これから入学してくる高校生は現在、高等学校でどのような「アクティブ・ラーニング」で学んでいるのかを理解することを目的として、講演とワークショップを行いました。
 まず、榊原先生より、「アクティブ・ラーニング再考~その目的と意義~」と題した75分間の講演をいただきました。アクティブ・ラーニングの定義や分類について再確認した後、アクティブ・ラーニングを取り入れる意義や、アクティブ・ラーニング型授業を成功させるためのポイントについて説明がありました。一方で、アクティブ・ラーニングを授業に取り入れるだけなく、目的を意識して連続的に設計されたカリキュラム・デザインが必要であることにも言及がありました。結びに、学校間の差は見られるが、学習指導要領の改訂に向け、探求型の深い学びの機会を提供する高等学校が増えていること、これらの教育を受けた生徒をいかに迎え入れるかは、大学側の喫緊の課題となることの説明がありました。
 続いて、小林先生より「どうやって授業外学修を促すか?」と題した105分間のワークショップを実施いただきました。参加者は学科・専攻に関係のない無作為の4~6名のグループに分かれて「クラス・デザイン:学生にとって魅力的な課題を考える」「コース・デザイン:学生が授業時間外でも学ぶことを促すための15回の授業のスケジュールを考える」「カリキュラム・デザイン:授業外学修を促すために、学部・大学として準備すべきことを考える」の3つの課題に取り組んだ後、振り返りとして、当該セミナーの講演及びワークショップ、他の参加者との意見交換等から学んだこと、授業に取り入れたいことをまとめて共有を行いました。各課題の前後には、課題に関連する小林先生の講義があり、どのグループにおいても参加者同士で意見が活発に交わされ、盛況のうちに閉会となりました。

<概要>
テ ー マ: 「アクティブ・ラーニング」について今一度振り返る
日  時: 2018年7月14日(土)13時45分〜17時
場  所: 神楽坂キャンパス 1号館17階 大会議室
      野田キャンパス  カナル会館3階 大会議室
      葛飾キャンパス  管理棟6階 第2会議室
      ※遠隔システムを用いて開催
講  師: 榊原 暢久氏(芝浦工業大学 教育イノベーション推進センター 教授)
      小林 直人氏(愛媛大学 学長特別補佐)
内  容: 挨拶(開会・閉会)  岡村 総一郎 教育開発センター長
      講演         榊原 暢久氏
      ワークショップ    小林 直人氏
      参 加 者: 94人(教員77人、事務職員17人)

アンケート結果(抜粋):
(本セミナーを受講して良かったと思われる点)
・学生の学習意欲を高める手法について、他学科の先生が行っている手法が聞けてよかった。
・セミナー自体がアクティブ・ラーニングの手本のような構成となっていて勉強になった。

(本セミナーをよりよいものとするために改善すべき点)
・同じ学科の教員のみでセミナーを開催しても盛り上がるかもしれない。
・ワークショップで出たアイデアが実現できるようなフォローアップのためのアドバンストワークショップがあると良い。

(セミナーの内容・進行に関する意見、FDセミナーへの要望等)
・全ての授業でアクティブ・ラーニングをふんだんに取り入れると、議題等で学生がパンクすることが予想される。どのようにバランスを取ればよいか伺いたい。
・事前に資料をPDF等で配布してほしい。