第25回FDセミナー開催報告(12/14)

2019.12.14

  「『学修成果の可視化』の意義を振返り、教育の質保証について考える」と題し、
   2019年12月14日(土)に「東京理科大学教育開発センター 第25回FDセミナー」を開催しました。

 松本洋一郎学長による開会挨拶に引き続き、教育開発センター ICT活用教育推進小委員会の佐伯昌之委員長から「本学におけるAP事業『学修ポートフォリオシステム』について」と題する講演では、本学における学修ポートフォリオシステムを通じての学修成果の可視化の状況と、客観評価レーダーチャート等を用いた今後の予定について説明がありました。
 続いて椋平淳教授(大阪工業大学教育センター長)に「学修成果の可視化に基づく卒業時の質保証-大阪工業大学の事例-」と題してご講演いただきました。大阪工業大学では、建学の精神をを再確認し、社会貢献できる人材の育成に向け、揺るぎない大学教育を学生に施すというベクトルで全学が協調し、各部署で具体的な取組が本格化した旨の説明があり、その中核となる2点について、次のとおり紹介いただきました。
 ①授業改革
 ・各科目で最低限身につける学修成果のライン(ミニマム・リクワイアメント)にもとづく評価を行う
 ・「適正な成績評価基準に基づく厳正な成績評価」により、学修意欲向上、教授法改善という循環を実現
 ②ディプロマ・サプリメントシステム
 ・学修成果が一括確認できるウェブシステムを構築し、学生自身と担当教員が自由にアクセス可能
 ・授業成績に基づく学力と汎用的能力を主に収載し、ディプロマ・ポリシー達成度等の能力の伸長を
  レーダーチャート等で確認可能
 ・主なチャートには、自身の現状や学科平均値だけでなく「必達値」と「目標値」を提示
 ・学生は最低年2回このシステムで自己点検し、担当教員とのコミュニケーションツールとして
  活用することで、自律学修促進に役立てている
 最後に、こうした取組が実を結ぶポイントの一つは、方針やその後の進捗について学内末端まで浸透させるため、さまざまな全学的な研修会・媒体を活用し、それをうまく機能させることだと思われる旨の見解について、説明いただきました。
 その後、活発な質疑応答が行われ、充実したセミナーとなりました。

<概要>
標  題: 「学修成果の可視化」の意義を振返り、教育の質保証について考える
日  時: 2019年12月14日(土)10時00分〜12時10分
場  所: 神楽坂キャンパス 1号館17階 記念講堂
      野田キャンパス カナル会館3階 大会議室
      葛飾キャンパス 管理棟6階 第2会議室
      ※遠隔システムを用いて開催
講  師: 椋平 淳氏(大阪工業大学 教育センター長)
内  容: 開会挨拶  松本 洋一郎  学長
      事例報告  佐伯 昌之 理工学部 土木工学科 教授(ICT活用教育推進小委員会委員長)
      講  演  椋平 淳氏
      閉会挨拶  北村 春幸 副学長・教育開発センター長
参 加 者:  77人(教員66人、事務職員11人)

アンケート結果(抜粋):
(本セミナーを受講して良かったと思われる点)
・大学教育改革に関する潮流が把握できた。他大学での取り組みの具体例を知る機会となった。
・1つの科目の内容や評価方法だけ考えるのではなく、学部・学科としてディプロマ・
 ポリシーを見据えて、4 年間でどう学生を育てるかということを考えて、
 その中で各科目の内容や評価方法を検討しなければならないことを認識できた。

(本セミナーをよりよいものとするために改善すべき点)
・講師の説明によると、IR 委員会・運営・事務・IR センターの連携が重要であるとのことだった。
 本セミナーに各事務課からも多くの方が参加し、課ごとに情報共有すべきだと思う。
・本セミナーだけではないですが、知らない略語が多かった。例えば、IR、DP、DS等。
 ぜひ略語の意味を説明してほしい。

(セミナーの内容・進行に関する意見、FDセミナーへの要望等)
・色々とアクティブに取り組みを進めている例(ボリュームアップ方向)だけではなく、
 理想と現実が折り合わず、現場の疲弊及びモチベーションの低下を防ぐために取捨選択や
 効率化、業務分担等(スリムアップ方向)によって成功している事例も取り上げてもらいたい。
・目標設定や学生への情報開示で講義の中で取り入れられればと思います。

※当日の動画はLETUS(学内者限定)から閲覧できます。
 https://letus.ed.tus.ac.jp/course/view.php?id=11176
 (視聴にはログインID、パスワードが必要です)