学習相談室の運営
教学IR小委員会によるGPAを用いた入学後の学力追跡調査において卒業時の成績が初年次の成績と強い相関があるとの指摘がされたこと、一方では、学生の授業外学習時間が減少傾向にあり、学力の低下だけでなく、学習への意欲も低下している現状等を鑑み、本学は初年次教育を重要視しています。
初年次に学生の学びの関心を高め、学習する習慣を身につけてもらうため、学習意欲の高い学部2年生以上の学生をES(Educational Supporter)として、大学での学習において基礎となる数学、物理、化学の各科目について、学習方法に関するアドバイスや学習の際に生じた疑問に対するアドバイスを行う「学習相談室」を設置しています。
利用方法の詳細、各種お知らせはCLASS(学園生活支援システム)を確認してください。
入学前学習支援の実施
入学後に大学の授業をスムーズに受講できるように準備する(基礎学力を確かなものにする)ことを目的として、学校推薦型選抜及び特別選抜(帰国生入学者選抜・外国人留学生入学試験・社会人特別選抜試験・国際バカロレア入学者)による入学者を対象とした「入学前学習支援講座」と、早期合格者(12月末日までに合格発表が行われる入試制度の合格者)を対象とした「学習課題」を実施しています。
入学前学習支援講座は、通信制講座と通学制講座から成り、それぞれが連携・補完し合いながら、相乗的に機能することで、高等学校までの基礎的知識を身に付けさせ、大学の学習に適応できるよう対応することができ、入学者は不安を取り除いた状態で大学の授業に望めるといった効果が期待できます。
学習課題は、合格発表から入学前学習支援講座の開始時期までの期間に、「問題集(数学)」と「読書(新書2冊を読み、要約と考えをまとめたものを提出)」に取り組むことによって、入学までの期間に継続して学習する習慣と幅広い教養を身につけることを目的としています。
学生育成プログラム(ロジカルライティング講座)の企画
大学生活の中で自ら主体的に能力向上に向けて取り組むための動機付けを与え、学生が将来社会で活躍するために必要な基礎的能力(コミュニケーション能力、論理的思考力、問題解決力、論理的な文章を記載する能力)の育成機会を提供することを目的に、例年5月~6月にロジカルライティング講座を開催しています。
初年次教育の一環として、主に新入生を対象とした基礎編と応用編の2種類の講座を開講しています。
学修ポートフォリオシステム
学修ポートフォリオシステムとは
学修ポートフォリオシステムは、本学の学生自身が学修のプロセスを進めるうえで、この学修活動のPDCAサイクルの確立をサポートするものです。具体的には、学生が本学での目標を定め、達成に向けた道しるべを示す「TUSルーブリック」と半期ごとに到達度を確認し、振り返りつつ、今後の学修の進め方を考えるための「学修ポートフォリオ」で構成されています。(図表1参照) これまでは、学科カリキュラムを「科目系統図」等で学生に伝えていましたが、「TUSルーブリック」により、学科カリキュラムを構成する授業科目がどのように学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー:DP)を担っているのかをより具体的に示すことができるようになりました。

TUSルーブリックとは
TUSルーブリックは、卒業までに習得することが期待される「知識・技能・態度(評価項目)」と「達成度」を記した一覧表です。
TUSルーブリックの各評価項目は、各学科のDPの記載内容を分解する形式で作成しており、DPに定める内容をより分かりやすく明示しています。
(図表2:TUSルーブリックの例)

また、各評価項目と授業科目の間の対応関係を「評価項目と科目の対応一覧」の形で一覧としています。本対応一覧には、各授業科目で習得することが期待される評価項目が記載されており、本対応一覧を踏まえた履修計画を行うことで、学生にとっては以下のメリットに繋がります。
・評価項目(DP)と授業科目の関連性の理解促進
・目標に沿った受講科目の選択
(図表3:評価項目と科目の対応一覧の例)
達成度には、以下の通り「自己評価」と「客観評価」の2つの形式があり、これにより学生の学修成果の把握・測定するとともに、レーダーチャートにより可視化しています。
・自己評価レーダーチャート
学生自身が入学時から当該学期までの達成度を入力した内容を可視化。
・客観評価レーダーチャート
学生が取得した単位、成績等から自動算出した内容を可視化。
【図表4:各レーダーチャートの例】
TUSルーブリックを活用することで、学生にとっては以下のようなメリットがあります。
・「評価項目と科目の対応一覧」により、DPと各授業科目の関連性を把握することができる。
また、対応一覧を踏まえた履修計画を行うことで、目標に沿った受講科目の選択を実現することができる。
・「客観評価レーダーチャート」により、単位取得以外でDPに定める知識・技能・態度の達成度を把握すること
ができる。
・「自己評価レーダーチャート」と「客観評価レーダーチャート」を比較することで、「何を学び、何が身に
付き、何が身に付いていないか」等について、視覚的に確認することができる。
各学部・学科では、後述する学修ポートフォリオにより蓄積した学修成果について、TUSルーブリックによりDPに定める学修成果の達成度を把握することで、達成度に基づくDPやカリキュラム等の見直しに活用している他、客観評価と自己評価の内容を踏まえた学修指導に活用しています。
学修ポートフォリオとは
学修ポートフォリオ(※1)は、学生が継続的かつ定期的に学修の成果を確認し、「ふりかえり」を記録し、これを蓄積したものです。
※1…「ポートフォリオ」の語源は、書類をはさむ「紙ばさみ」を意味しています。学修ポートフォリオは、あなたの本学における学修活動の成果や反省点などの情報(書類)を整理して定期的に残す(紙ばさみにはさむ)ものです。
学修ポートフォリオシステムは、学生の学修ポートフォリオを可視化します。そして到達度の確認や取り組むべき課題の発見などの学修活動におけるふりかえり (省察)を深化させ、学生の主体的な学びをより高め、充実させることを目的としています(図表3参照)。
