学修支援小委員会の活動

学習相談室

 教学IR小委員会によるGPAを用いた入学後の学力追跡調査において卒業時の成績が初年次の成績と強い相関があるとの指摘がされました。一方で、学生の授業外学習時間が減少傾向にあり、学力の低下だけでなく学習への意欲も低下しているとの指摘もあることから、本学では初年次教育を重要視しています。
 これらの調査結果を受け、本学では、初年次に学生の学びの関心を高め学習する習慣を身につけてもらうことを目的として、「学習相談室」を開室しています。学習意欲の高い学部2年生以上の学生をES(Educational Supporter)として配置し、大学での学習において基礎となる数学、物理、化学、生物の各科目の学習で生じた疑問に対するアドバイスのほか、学習方法に関するアドバイスも行っています。
 利用方法の詳細、各種お知らせはCLASS(学園生活支援システム)をご覧ください。

リーフレット(クリックするとPDFが開きます)


2024年度の学習相談室開室日

入学前学習支援

 入学後に大学の授業をスムーズに受講できるように準備する(基礎学力を確かなものにする)ことを目的として、学校推薦型選抜及び特別選抜(帰国生入学者選抜・外国人留学生入学試験・社会人特別選抜試験・国際バカロレア入学者)による入学者を対象とした「入学前学習支援講座」と、早期合格者(12月末日までに合格発表が行われる入試制度の合格者)を対象とした「学習課題」を実施しています。

 入学前学習支援講座は、通信制講座と通学制講座から成り、それぞれが連携・補完し合いながら相乗的に機能させています。高等学校までの基礎的知識を身に付けさせ、大学の学習に適応できるようにすることで、入学者は不安を取り除いた状態で大学の授業に望めるといった効果が期待できます。

 学習課題は、合格発表から入学前学習支援講座の開始時期までの期間に、「問題集(数学)」と「読書(学科が推薦する図書を読み、要約と考えをまとめたものを提出)」に取り組むことによって、入学までの期間に継続して学習する習慣と幅広い教養を身につけることを目的としています。

ロジカルライティング講座

 初年次教育の一環として、主に新入生を対象とした「ロジカルライティング講座」を開催しています(例年4~5月)。
 大学生活の中で自ら主体的に能力向上に向けて取り組むための動機付けを与え、学生が将来社会で活躍するために必要な基礎的能力(コミュニケーション能力、論理的思考力、問題解決力、論理的な文章を記載する能力)の育成機会を提供することを目的としています。

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学修ポートフォリオシステム

学修ポートフォリオシステムとは

リーフレット(クリックするとPDFが開きます)

 学修ポートフォリオシステムは、学生自身が本学での学修プロセスを進めるうえでPDCAサイクルの確立をサポートするものです。具体的には、学生が定めた目標の達成に向けた道しるべを示す「TUSルーブリック」と、半期ごとに到達度を振り返り、今後の学修の進め方を考えるための「学修ポートフォリオ」で構成されています(図表1)。
 これまでは、学科カリキュラムを「科目系統図」等で学生に伝えていましたが、「TUSルーブリック」により、学科カリキュラムを構成する授業科目がどのように学科の卒業認定・学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー:DP)を担っているのかをより具体的に示すことができるようになりました。

 

TUSルーブリックとは

 TUSルーブリックは、卒業までに修得することが期待される「知識・技能・態度(評価項目)」と「達成度」を記した一覧表です。
 TUSルーブリックの各評価項目は、各学科のDPを分かりやすく分解した形式で示しています。

(図表2:TUSルーブリックの例)

各学科・各年度のTUSルーブリックはこちら

 

 また、各評価項目と授業科目の対応関係は「評価項目と科目の対応一覧」(図表3)のとおり、各授業科目で修得することが期待される評価項目を記載しています。これらを踏まえた履修計画を行うことによる学生にとってのメリットは、次の2つが挙げられます。
・評価項目(DP)と授業科目の関連性の理解促進
・目標に沿った受講科目の選択

(図表3:評価項目と科目の対応一覧の例)

各学科・各年度の「評価項目と科目の対応一覧」はこちら

 

 達成度には、「自己評価」と「客観評価」の2つの形式があり、レーダーチャートによる可視化を行うことで学生の学修成果を把握・測定しています(図表4)。
・自己評価レーダーチャート
 学生自身が入学時から当該学期までの達成度を入力した内容を可視化
・客観評価レーダーチャート
 学生が修得した単位、成績等から自動算出した内容を可視化

(図表4:各レーダーチャートの例)

 TUSルーブリックの活用による、学生にとってのメリットは次のとおりです。
・「評価項目と科目の対応一覧」により、DPと各授業科目の関連性を把握することができる
 また、対応一覧を踏まえた履修計画を行うことで、目標に沿った受講科目の選択を実現することができる
・「客観評価レーダーチャート」により、単位修得以外でDPに定める知識・技能・態度の達成度を把握することができる
・「自己評価レーダーチャート」と「客観評価レーダーチャート」を比較することで、「何を学び、何が身に付き、何が身に付いていないか」等について、視覚的に確認することができる

 各学部・学科では、TUSルーブリックを活用することでDPに定める学修成果の達成度を把握し、達成度に基づくDPやカリキュラム等を見直すことにより、客観評価と自己評価の内容を踏まえた学修指導に活用しています。

 

学修ポートフォリオとは

 学修ポートフォリオ(※1)は、学生が継続的かつ定期的に学修成果を記録し、「ふりかえり」を蓄積したものです。

※1…「ポートフォリオ」の語源は、書類をはさむ「紙ばさみ」を意味しています。学修ポートフォリオは、あなたの本学における学修活動の成果や反省点などの情報(書類)を整理して定期的に残す(紙ばさみにはさむ)ものです。

 また、到達度の確認や取り組むべき課題の発見などの学修活動におけるふりかえり (省察)を深化させ、学生の主体的な学びをより高め、充実させることを目的としています(図表5)。

(図表5:学修ポートフォリオを用いた学修活動のイメージ)