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【学生インタビュー】
薬学部 薬学科6年
平嶺和佳菜さん

放射線の細胞への影響を研究


2024年6月14日発行
『読売中高生新聞
「RIKA diary」』掲載

東京理科大学生のリアルな学びの日々
を紹介します

※内容は取材当時のものです。

実験重ね薬の開発へ


大学の薬学部には6年制と4年制の学科がある。卒業すると薬剤師国家試験の受験資格が与えられる6年制は、病院や薬局などで薬剤師として活躍する人材を多く輩出している。東京理科大学薬学部薬学科も6年制だが、薬剤師になるための教育だけでなく、薬学分野の幅広い研究に力を入れている。

平嶺さんの研究テーマは「放射線から人間の体をいかに守るか」。宇宙空間では地上の100倍以上の量の放射線が飛び交い、人間が活動する障壁となっている。この問題を解決するために放射線の人体への影響を調べ、人体を守る薬の開発につなげるというスケールの大きな研究に取り組んでいる。

その活動は地道な実験の積み重ねだ。様々な試薬とともに細胞に放射線を当て、細胞へのダメージがすくない試薬を探しだすとともに、ダメージが起きるメカニズムを解明していく。選択肢が膨大にあるなか、実験結果のほとんどは想定通りにならない。平嶺さんは「そういう時に何が起きているのかを検証するのが難しい」とする一方、「誰もわからないことをデータで解明していくところがおもしろい」と語る。

今年初めにはドイツの国立宇宙研究機関に3か月留学し、世界の研究現場での経験を積んだ。実験やディスカッションにも参加したが、「大学で学んだ技術や知識が通用した」と手ごたえを口にする。卒業後は大学院で研究テーマを追求したいと話し、さらにその先に思い描く夢について「無重力空間での実験に興味があり、そのために宇宙飛行士になりたい」と目を輝かせる。

HISTORY

薬学から宇宙へ アクティブに


「一つの薬で世界の人々を救える可能性に魅力を感じて」薬学部に進んだ。研究テーマに宇宙を選んだきっかけは、宇宙科学の研究者や技術者などの育成を目的に東京理科大学が実施したプログラムに1年次に参加したこと。模擬人工衛星を使った本物さながらの実験を行うなかで薬学で宇宙に貢献したいという思いが芽えた。4年次から放射線生物学を研究テーマにする教授のもとで現在の研究に打ち込む。ほかにも他大学が主催する「火星に生態系を作る」ことを目指すプロジェクトに参加するなど、薬学から宇宙を見据えた学びをアクティブに推し進めている。

Question and Answer


Q. おすすめのスポットは

A. インターナショナルラウンジ

 

英語ネイティブの講師と英会話を楽しむことができる、平嶺さんが「大好き」なスペース。昼休みや空き時間などに活用することで英語カアップにつなげ、海外留学に生かすことができた。


Q. ドイツ留学の思い出は

A. おいしいパンとチーズ、ハム

 

研究だけでなく私生活も充実していた。食事は人生で大事な要素という平嶺さんが感激したのは、パンやチーズ、ハムの種類が豊富なこと。毎回お店で違う種類を買い、組み合わせを楽しんだ。


Q. 勉強のモチベーションは

A. 宇宙飛行士のサイン入りタブレット

 

東京理科大学特任副学長である向井千秋さんのほか、山崎直子さんや油井亀美也さんなど、憧れの宇宙飛行士のサインが直筆で書かれた「宝物」。勉強道具というだけでなく夢への原動力になっている。


ドイツ留学時のインタビュー

平嶺和佳菜さんのドイツ留学時のインタビューはこちらから!