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【学生インタビュー】
薬学部 生命創薬科学科4年
田中千尋さん

『螢雪時代2024年6月号付録「学部選びハンドブック」』掲載

先輩の学部ライフ 薬学部系統


志望した理由と授業のおもしろさを紹介

薬の作用機序や仕組みについて、
幅広い分野の学びと研究活動から
科目同士の繋がりを見つけて理解する

 

※内容は取材当時のものです。「学部選びハンドブック」に掲載された内容を一部修正して掲出しています。

この分野を選んだ理由


小学生の頃に難病を患った身内が、多くの薬を服用する姿や大好きだった食べ物を控える姿をずっと見てきました。そのなかで、自分が新薬を開発することで病気を根治させ、罹患前の生活を取り戻させてあげたいと思い始めたことをきっかけに、製薬会社の研究者になるという目標が生まれ、薬学部への進学を決めました。また、化学や生物が好きだったこと、人びとの役に立ちたいという思いがあったことも薬学部へ進学した理由の1つです。

入学して知ったこと


入学後、すぐに薬の名前やその働きについて学ぶと思っていましたが、実際は化学・生物・物理などの授業が多かったです。低学年次の授業は高校の延長線上といった印象で、学年が上がるにつれて専門性の高い授業が増えていきました。専門的な授業では、これまでに学習した科目同士の繋がりを感じられておもしろかったです。テストのときには、科目が多く暗記量も膨大で大変だったため、日々の授業のレポートだけでなく、定期的な復習を行うことが大切だと思いました。

専門分野のおもしろさ


有機化学では物質の反応性や安定性を、薬剤学では薬をよりよく効かせるための工夫を、薬理学では薬が体内のどこに作用しているのかを学ぶことができます。幅広い薬を扱うため、薬のメカニズムを学ぶことで、だから効くのか! だからあの副作用は起きるのか! だからこの薬は牛乳やジュースで服用してはダメなのか! と理解できるようになります。また、小さな薬に詰まっているさまざまな工夫を感じられるのもおもしろいです。

この分野の向き不向き


薬学部は授業数が多く実験や研究でマウスを扱うため、継続力や忍耐力がない人や解剖が苦手な人は注意が必要かもしれません。しかし、薬の働きや人体の仕組みに興味がある、病気や副作用で苦しむ人を救いたい、理系科目や実験が好き、探究心や向上心があるという人には向いていると思います。

学部選びアドバイス


生命創薬科学科は薬剤師国家試験の受験資格がありませんが、大学院への進学者も多く、研究活動を通じてさまざまな知識や技術を得られます。そのため、将来的に製薬会社などの研究・開発に携わりたい人におすすめです。また、薬学部には化学、生物、物理、コンピュータ系などさまざまな分野の授業がありますが、入学後はこれらを幅広く学ぶため、自分がさらに興味を持てる分野が見つかると思います。

授業レポート①「薬理学2」


全身の疾患に作用する一つひとつの薬の名前や作用機序、副作用や注意点を学びました。登場する薬の数は膨大で名前が似ているものも多く、同じ受容体に複数の薬が作用したり、同じ働きを持つ薬が何個もあったりと覚えるのはどの科目よりも時間がかかり大変でした。しかし、個人的にはもっとも薬学部らしい授業だと感じ、体内の情報伝達の仕組みがおもしろいと感じました。この授業を履修したおかげで市販薬や処方薬を見たときに、この薬知っている! となれて嬉しかったです。

授業レポート②「医薬化学」


生体構成成分の反応性や医薬品との相互作用を有機化学的な視点から学びました。さまざまな薬に対して、薬の機能を果たすために必要な構造変換や化学構造の違いによる反応性の変化、作用部位との関係性を詳しく学ぶため、構造式も覚える必要があり大変でした。しかし、2年間学び続けた有機化学の知識を薬に応用できるのがおもしろく、薬が具体的に体内のどの部位とどう相互作用して効果を発揮するのか、その上での化学構造の重要性について理解できるようになりました。

写真右(下):指導教員である薬学部薬学科西川元也教授と一緒に。
東京理科大学薬学部では、すべての研究室で薬学科(6年制)と生命創薬科学科(4年制)の学生が共に研究に取り組む環境があり、高度な研究能力を培うことを重視しています。詳しくはこちら