創立150周年の伝統とさらなる進歩で一人ひとりの「未来創造」に貢献 創立150周年の伝統とさらなる進歩で一人ひとりの「未来創造」に貢献

01 「実力主義」の伝統を受け継ぎながら
新しい理科大らしさを打ち出す
私は、東京理科大学理工学部工業化学科からそのまま博士課程に進み、博士(工学)を取得しました。本学での助手を経て教授となり、現在に至ります。学生時代を含めてこれまで約40年間、人生の3分の2を理科大に関わって過ごしたことになります。
本学は、2031年で創立150周年を迎えます。この節目は、卒業生であり、人生の大部分を本学に関わってきた人間の一人として、個人的にも感慨深いものです。
150周年の節目に、改めて前向きに取り組みたいのが、理科大らしい伝統の継承とさらなる進歩です。1881年に東京物理学講習所として開校した本学を象徴する言葉のひとつが、「実力主義」です。真に実力を身につけた学生のみを輩出するという本校らしい伝統は、今後も継承していきます。
また、150周年記念のロゴマークは、従来の「理科大」のイメージにとらわれない、洗練されたデザインが特徴です。150周年記念事業では、このロゴマークに象徴されるスタイリッシュさや軽やかさなどを打ち出し、これまでとは異なる顔の理科大を見せていきます。
150周年は本学にとって大きな節目であると同時に、ひとつの通過点でもあります。150周年記念事業と共に、創立200周年に向けてどのような「理科大」を築き上げていくのか、さらなる未来への展望を考えていくことも大切にしたいと考えています。
02 複数の知が集結する「未来創造」の場づくりが大学の使命
本学の創立150周年記念事業のコンセプトは、「心躍る、未来創造 Building a better future with Science」です。私の考える「未来創造」とは、多彩な知を集束して新たな知識・技術・価値を社会に生み出し、課題を解決しながら、豊かで持続可能な社会を創ることにあります。そのための場づくりが、大学としての使命だと考えています。
「未来創造」を支える柱となるのが、研究環境の充実です。十分な研究資金や研究の継続のしやすさは、本学の強みです。150周年に向けては、この環境をより強化すべく、「TUS SciTech 構想※」を学長主導のもと策定しています。単独の専門知だけでは解決できない課題でも、多方面の研究者が集うことで、突破口が見つかることもあるでしょう。「TUS SciTech 構想」を皮切りに、理科大らしさを強化することで、「日本の研究といえばTUS」と言われる存在をめざします。
※TUS SciTech 構想:学長のリーダーシップのもと、教育・研究・産学連携・学生支援・国際化等に及ぶ全学的な観点から、研究力強化と教育改革を有機的に連携させつつ推進することにより、“TUS SciTech(東京理科大学ならではの科学技術)”を起点とした新たな価値創造機能を強化することを目指して、2024年に策定された。
未来の社会で活躍するために求められるのは、やはり「コミュニケーション能力」でしょう。「未来創造」のためには、様々な人と対話し、交流しながら物事を進めていくことが不可欠です。
ただし、ここで言いたいのは、すべての人が「コミュ力が高い人になれ」ということではありません。他者との交流が得意な社交的な人がいれば、苦手な人もいるでしょう。内向的な性格もひとつの個性ですから、性格そのものを変える必要はありません。それぞれの多様性を尊重しつつ、臨機応変に対応できる力を身につければよいのです。適材適所で必要なコミュニケーションが取れることをめざしてほしいですね。
03 研究環境や起業支援を強化し卒業生に誇りをもっていただける大学に
「実力主義」を掲げ、教育と研究に力を入れる本学ですから、卒業する頃には否が応でも、まちがいなく力がつきます。自分を成長させたい、伸びしろを感じたい皆さんには、ぜひ本学を選んでほしいと考えています。
学生時代の「学び」は、大学の授業だけがすべてではありません。日々の会話や経験、いろいろなメディアに触れることで目にしたもの、聞いたこと、読んだものなど、多くのものから学ぶことが可能です。この貴重な学びの時代を大切にして、自分なりの考え方や思想を育んでください。
また、卒業生のみなさんには「私はTUSの卒業生です」と誇りをもっていただけるような大学にしていくことも、150周年の節目に改めて目標に掲げます。そのためにも、理科大の伝統である研究環境の充実や、起業支援には、より一層力を入れていきます。
本学では、東京理科大学スタートアップエコシステム「TUSIDE(トゥーサイド)※」を展開し、大学認定スタートアップ制度を実施しています。2026年3月現在は、22社が大学発認定スタートアップとして認定され、支援を受けています。今後もスタートアップ支援には力を入れ、「起業ができる大学」として名実ともに認めていただけるような大学になることが展望です。
研究や勉学を続けるのか、企業に就職するのか、起業するのか、学生が卒業後にどんな道を進むのか、「何が幸せなのか」は十人十色です。様々な道を応援するシステムを構築することで、大学という組織としての「未来創造」だけでなく、一人ひとりの人生における「未来創造」にも貢献していきたいと考えています。
そして、支援者のみなさんには、これから新しい方向に進んでゆく理科大を見届けていただきたいと考えています。様々な知が集うことで生まれる「知の立ち上がり」と、理科大ならではの「未来創造」に、どうぞご期待ください。
※TUSIDE(TUS Innovation Driven Ecosystem):研究成果の知財化と事業化などを支援する“産学連携機構”を置く「学校法人東京理科大学」、起業支援イベントやインキュベーション施設を管理する「東京理科大学インベストメント・マネジメント株式会社」、スタートアップへの出資などを担う「東京理科大学イノベーション・キャピタル株式会社」の3法人からなるエコシステム。ビジネスステップや目的に応じたスタートアップ支援モデルを多数用意し、教員、在学生、卒業生だけではなく、共同研究企業も対象としている。

