電車やバスが行き交い、さまざまな施設が建ち並ぶ「街」。
便利で暮らしやすい都市部への人口集中は続いており、約30年後の2050年には、世界の人口の3分の2が都市生活を送るようになるといわれています。
誰もが安心して住み続けられる街づくりが急がれる中、日本が直面している問題のひとつが、地震による地盤の「液状化」です。
地震で揺さぶられた地盤が液体のようにゆるみ、建物が倒れたり、水道や電気が止まったりしてしまうこの現象を、理科大は研究で解明しようとしています。
実験室の中では、どのような砂が液状化しやすいのか、またどのような地盤変状をきたすのかを調べる。
実験室の外では、液状化発生地点の調査をとおし、液状化発生と地盤変状の要因を調べる。
こうした研究から、液状化の詳しい仕組みが明らかになれば、あらかじめ被害を予測したり、被害を抑えたりと、地震に備えることができるようになります。
理科大では、強い地盤をつくる「地盤改良」についても同時に研究を進めています。
いま研究している方法は、液状化しそうな砂地盤にセメントの微粒子を浸透させ、固くしっかりした地盤に改良するというもの。
既に建物が建っている地盤にも応用できる液状化対策として、大きな期待が寄せられています。
人や建物が多く集まる都市部は、自然災害の影響もそれだけ大きく受けることになってしまいます。
「地震大国」といわれるほど地震が多い国だからこそ、被害を最小限に食い止め、なるべく早く復旧できるようにするための工夫は欠かせません。
世界的にも、住みやすさを高く評価されている日本の街。
これからも安心して住み続けられる街づくりのために、理科大は研究を通して、その足元をしっかりと支えます。
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主な研究内容