2019.10.30
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都市を破壊する「液状化」の仕組みに、最新の研究で迫る

電車やバスが行き交い、さまざまな施設が建ち並ぶ「街」。
便利で暮らしやすい都市部への人口集中は続いており、約30年後の2050年には、世界の人口の3分の2が都市生活を送るようになるといわれています。

誰もが安心して住み続けられる街づくりが急がれる中、日本が直面している問題のひとつが、地震による地盤の「液状化」です。
地震で揺さぶられた地盤が液体のようにゆるみ、建物が倒れたり、水道や電気が止まったりしてしまうこの現象を、理科大は研究で解明しようとしています。

実験室の中では、どのような砂が液状化しやすいのか、またどのような地盤変状をきたすのかを調べる。
実験室の外では、液状化発生地点の調査をとおし、液状化発生と地盤変状の要因を調べる。

こうした研究から、液状化の詳しい仕組みが明らかになれば、あらかじめ被害を予測したり、被害を抑えたりと、地震に備えることができるようになります。

日本の街づくりを、足元から支える。地盤改良の技術

理科大では、強い地盤をつくる「地盤改良」についても同時に研究を進めています。
いま研究している方法は、液状化しそうな砂地盤にセメントの微粒子を浸透させ、固くしっかりした地盤に改良するというもの。
既に建物が建っている地盤にも応用できる液状化対策として、大きな期待が寄せられています。

人や建物が多く集まる都市部は、自然災害の影響もそれだけ大きく受けることになってしまいます。
「地震大国」といわれるほど地震が多い国だからこそ、被害を最小限に食い止め、なるべく早く復旧できるようにするための工夫は欠かせません。

世界的にも、住みやすさを高く評価されている日本の街。
これからも安心して住み続けられる街づくりのために、理科大は研究を通して、その足元をしっかりと支えます。

理工学部 土木工学科 
塚本良道教授

■ 主な研究内容

研究分野は、地震時の地盤の挙動。地震によって地盤がどのように液状化し変状するのか、その予測や対策について室内実験と現地調査から研究を続けている。

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