薬学部・薬学科の宮崎研究室では、試験管やピペットを使った実験は行いません。かわりに専門とするのは、コンピュータを駆使する「バイオインフォマティクス」です。
バイオインフォマティクスとは、情報学と医学・薬学・生物学を融合した学問のことです。具体的には、「ゲノム」と呼ばれる生物の遺伝情報一式を、コンピュータを使ったデータサイエンスで処理・解析していきます。
宮崎研究室ではバイオインフォマティクスを使用し、インフルエンザウイルスゲノムの解析やボツリヌス菌の構造解析など、複数の研究を行ってきました。
2020年には新型コロナウイルスによるパンデミックが起こり、社会に深刻な影響を与えましたが、これを受けて宮崎研究室では新型コロナウイルスの研究にも取り組んでいます。
新型コロナウイルスは変異スピードが速く、顕微鏡で長時間観察する研究には向きません。そのため、コンピュータ上でシミュレーションして感染スピードを調べたり、ヒトと新型コロナウイルスのゲノム情報を比較したりといったバイオインフォマティクスを活用し、医薬品の開発を目指しているのです。
ゲノム情報を利用することによって、創薬や疾病予防の研究は飛躍的に進展します。しかし、これまでゲノム解析には、膨大な時間と費用がかかっていました。このゲノム解析にバイオインフォマティクスを活用することで、時間やお金が大きく節約できます。バイオインフォマティクスを駆使したゲノム解析は、今後ますます欠かすことのできないものとなっていくでしょう。
宮崎研究室では、バイオインフォマティクスを軸にしたゲノム解析を通して、創薬の開発に貢献できる新しい分野「ファーマコインフォマティクス」の創造を目指しています。実現すれば、新型コロナウイルスへの対応策をはじめ、医学分野全体の発展にもつながっていくはずです。
また、バイオインフォマティクスを使いこなせる人材を育成することも、宮崎研究室の大切な目標です。ゲノム構造や遺伝子配列を解析し、薬のターゲットとなりえる遺伝子の特徴を明らかにする技術を伝え、薬学部で活躍できる人材の育成を目指しています。
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主な研究内容
教育であり、研究であり、学内外が交流する活動でもある。
新しい領域を創造するための創域の芽プロジェクト。
『数理科学科ダブルラボの発展』
創域理工学部 数理科学科 牛島 健夫 教授
創域理工学部 数理科学科 青木 宏樹 教授
創域理工学部 情報計算科学科 宮本 暢子 教授
『機電材料系学科・専攻を超えた学生間による企業研究』
創域理工学部 電気電子情報工学科
永田 肇 教授
『野田キャンパス理窓会記念自然公園における環境教育』
創域理工学部 経営システム工学科
伊髙 静 講師
2024年06月10日