2021.08.03
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ORと情報・通信処理技術が、問題解決スキルになる

何か解決したい問題があるときには、「こういう方法がいい」「ああいう方法もある」といろいろな案を出してみて、それらを比較するというのが一般的な手段でしょう。OR(オペレーションズ・リサーチ)のなかの技法を用いれば、これらの作業を科学的に行うことができます。

経営学部・経営学科の能上研究室では、このORと情報・通信処理技術を利用して、社会問題や経営課題の解決策を導き出す手法を指導しています。

たとえば、身の回りには「混雑現象」「確率的事象」によって生じる問題がいろいろあります。テーマパークが混雑したり、予測できない悪天候で農業に影響が出たり、といったことがその例です。このような問題について、データを集めて分析し、判断材料を探ります。

能上研究室では、こうした科学的アプローチによって社会問題や経営課題の解決策を導き出し、より効率のよい経営活動や、便利で快適な社会づくりに役立つ研究を行っています。

働きがいのある労働環境を、多様な視点から調査・分析・評価する

現代の日本における社会問題、経営課題といえば、労働環境や働き方のことが挙げられます。長時間労働によって心身の健康を損なったり、時間当たりの賃金率が低くなったりしていることは、すでに広く知られている通りです。

そこで能上研究室では、労働制度の改革と企業の業績との関係、及び労働制度の改革と働き手一人ひとりの意識の変化について、科学的にデータ分析と考察を行っています。

その結果、従業員1人当たりの売上高及びその変化率を用いて、「みなし労働時間制」「フレックスタイム制」導入効果の判断基準とその手順に関し一つの解を示すことができました。

労働環境を変えていくことは、簡単ではありません。しかし、客観的なデータに基づく分析結果があれば、改革に取り掛かりやすく、そこに伴う不安や抵抗も抑えることができるでしょう。

能上研究室では、今後も「働きがいのある環境づくり」を目指して、より役立つ研究を続けていきます。

経営学部 経営学科
能上慎也教授

■ 主な研究内容

研究分野は、通信・ネットワーク工学(情報通信ネットワーク、トラフィック)。「経営事業に関する情報分析やORの視点からのデータ解析について」を課題とし、研究を行っている。

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