近年、都市や産業の発達の影響を受け、化学物質が自然界に流出したり、温暖化により異常気象が発生したりする問題が増えています。こうした急激な環境の変化は、人々の食と健康を脅かす事態へと発展しかねません。環境への対策は、世界規模で早急に対応すべき課題なのです。
生物環境イノベーション研究部門では、植物や生物の生態系や多様性の保全とともに、将来の食と健康を確保する技術に貢献することを目指しています。
部門内には主に3つのグループがあり、生物が環境に適応する仕組みを調べる「環境適応分野」、生命の進化や多様性について紐解く「分子進化分野」、化学物質の環境内での動きや影響を調べる「自然共生分野」に分かれて、それぞれ研究を進めています。
生物環境イノベーション研究部門では、国内外、学内外の壁を取り払うことで、研究者同士の連携を強めています。また、食と健康を守る技術を社会に提供しながら、生態系や生物の多様性の保存に役立つ知見を集積させています。
たとえば宮川准教授は、身近な医薬品や化粧品などに由来する化学物質が生物に与える影響について、他大学と共にプロジェクトを進めています。
また坂本講師は植物の環境適応の仕組みを研究し、土壌の成分が植物にもたらす影響や植物の環境ストレス耐性などを調査する一方で、研究院の別グループにも参加して知見を広げ、農業の生産性向上に生きる研究を行っています。
生物環境イノベーション研究部門には20の研究部門があり、多くの研究が連携を図りながら同時に進行しています。さまざまな専門分野の知が結集すると、これまでは個別に発展してきた研究が融合し、新しい学術領域が広がるのです。
生物環境イノベーション研究部門では研究者同士のつながりを大切にしながら、環境変動に対応していくための研究を行い、環境保全と食と健康を守る活動を進めています。
■
主な研究内容
■
主な研究内容
■
主な研究内容
重要な生体情報をセンシングすることで、
健康寿命を伸ばし、病気にならない社会を目指す。
創域理工学部 電気電子情報工学科
山本隆彦 准教授
先進工学部 機能デザイン工学科
梅澤雅和 准教授
2023年10月27日