2020.07.10
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DNAを使って、標的の細胞へ効率的に薬を届ける

全ての国に医療を普及させ、あらゆる人が安全で効果的な医薬品とワクチンを利用できるようにすること。それは世界の医薬・医療分野の大きな課題となっています。
エイズ、結核、マラリアを食い止める医薬品の開発が緊急に求められる今、西川研究室では「DNAで病気を治す」という研究を進めています。

核酸(遺伝情報の保存・伝達を担うDNA・RNAのこと)に手を加えて開発された医薬品は「核酸医薬品」と呼ばれます。核酸医薬品の開発は世界的な規模で行われており、多くの研究者や製薬会社が開発に力を注いでいます。なぜなら核酸医薬品は、特異性の高い画期的な特効薬として開発できる可能性があり、また化学合成が可能なことから大量生産ができるからです。

西川研究室では、狙った細胞に薬を届けることができるシステムである「DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)」の開発に取り組みます。
核酸医薬品は目的の細胞に薬を届けるのが難しいとされています。そこで、西川研究室は核酸に手を加えることで、薬が目的の細胞に届きやすくなる立体構造を開発しました。

DNAは直鎖状の二重らせん構造をしていますが、たくさんの分岐を作り何本もの「足」を持った形状にしたのです。それぞれの足に核酸医薬品を搭載することで、薬を目的の細胞に効率よく届けることができます。

薬の機能を最大限発揮させ、あらゆる病気に立ち向かう

また、目的の場所に届けた薬の効果が、十分に発揮されることも大切です。西川研究室では薬の効果を持続させる方法も実現しました。核酸医薬品が自らゲル化して目的の場所に留まることで、持続的に効果が発揮されるという仕組みです。

「今取り組んでいるDDSの研究を多くの人に知ってもらいたい」と語る西川教授。核酸医薬品やDDSの研究が医薬・医療の現場で活用されることを目標に、西川研究室では日々、研究が進められています。

薬学部 薬学科
西川元也教授

■主な研究内容

研究分野は生物薬剤学、薬物動態学。核酸、細胞、細胞外微粒子を対象とするDDSに関する研究を行っている。

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