2019.12.17
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ワークライフバランスの改善で生活満足度は上がる?

政府による重要政策の1つである「働き方改革」が始動したことにより、「ワークライフバランス」という言葉を耳にする機会が多くなりました。このワークライフバランスとは、仕事と生活とのバランスが図れた状態のことを意味しています。

仕事は、生活費を稼ぐために不可欠なもの。さらに、自己成長や社会の貢献に繋がる場でもありますね。一方で、家族と過ごす時間や趣味に没頭する時間も大切な時間。
これらがバランスよく保てることで、人生の生きがいや喜びをもたらすと考えられてきました。

そこで、経営学部 ビジネスエコノミクス学科の野田教授は、OECD(経済協力開発機構)加盟国34カ国のデータを用い、生活上のさまざまな要素がどのように男女の生活満足度に影響するのかを分析しました。
多くの国のデータを用いて先進諸国の共通の特徴を特定することで、より多くの国に有益になると考えたのです。

「余暇の時間と生活満足度の関係」は男性の方が強かった

これまで、ワークライフバランスの政策では、女性に焦点が当てられることが多くありました。女性は結婚や妊娠・出産、育児など、仕事とのバランスが難しいからでしょう。

しかし、野田教授は「男性の生活満足度の上昇にも取り組む必要がある」と考えます。
今回の分析により、「余暇の時間と生活満足度の関係」は女性よりも男性の方が強いということが分かったのです。これは、従来ではいわれてこなかった新たな発見となりました。

このことから、労働政策を考えるにあたって、男性のワークライフバランスを改善する政策を行っていくことも重要であることが示されました。生活満足度を高めることで、仕事の生産性向上にも繋がっていくことでしょう。

AI(人工知能)やスマートテクノロジー、ロボット工学などが急速に発展し続ける現代。時代の変化に伴い、労働環境も大きく変化していくことでしょう。
野田教授は、「今後予想される労働環境の変化が、どのようにワークライフバランスに影響するか」についても研究を続けていきます。

経営学部 ビジネスエコノミクス学科 
野田英雄教授

■ 主な研究内容

研究分野はマクロ経済学、応用計量経済学。

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