2026.02.17

過去10年間の教員免許取得者数は3000人以上。 

理科大で教員免許を取得できるのは3学部12学科。毎年多くの学生が、中学(数学・理科)、高校(数学・理科・情報)の教員免許を取得している。所属学科での専門科目に加え、教職課程の決められた科目を履修し、都道府県の教育委員会に申請することで教員免許が取得できる。さらに、公立学校は教員採用試験、私立学校は独自の採用制度に合格することで、晴れて教員となれる。理科大において、教員免許の取得を目指す学生は少なくない。50%を超える学生が教職課程を履修する学科もある。興治教授は言う「学生は、各学部・学科で専門を深めながら、教員として必要な知識と技術を身に付けていきます。こうした教員養成を支えているのが教職教育センターで、専任教員や嘱託教員が研究分野や教育経験を生かして指導にあたる常設の組織です。つまり、学生は理系分野の最前線で学びながら、教育を担う力を同時に鍛えることができます」。夏目漱石の小説「坊っちゃん」には、理科大の前身の東京物理学校出身という設定の主人公が、四国・松山に教員として赴任する描写がある。時代の変遷を経てきた今も、多くの卒業生が中学や高校の教員として活躍を続けている。 

興治先生

指導理念、指導法を学び教育自習へとつながる理科教育論。 

教職課程において、中学校教諭一種免許状(理科)、高等学校教諭一種免許状(理科)を目指す学生が必ず履修する科目のひとつが「理科教育論」である。教職課程の総括ともいえる4年次の教育実習に参加するための条件のひとつとなっているからだ。前期の「理科教育論1」は中学校理科、後期の「理科教育論2」は高校理科(物理・化学・生物・地学)に関わる内容を扱う。「理科をどのように教えるかを学ぶ科目は、理科指導法1・2と理科教育論1・2の4科目が開講されています。そのうちの理科教育論は、理科教育の理論をはじめ、教育研究成果に基づく先駆的な指導法、日本の生徒の理科の学力が国際的にどれくらいの水準にあるかなど、幅広い内容を扱っています」と興治教授。科目名は理科教育論となっているが、学生たちが中学や高校へ教育実習に行ったときにしっかりと役立つ、知識と基本的な指導力を身に付けることを目的とした実践的な授業である。 

授業風景

自ら探究する生徒を育てるための、指導力を磨く。  

理科大の「理科教育論2」には大きな特長が2つある。1つ目は、科学とはどのような学問かや、科学倫理(生命倫理を含む)、科学と文化・社会との関係を扱うことである。例えば、イギリスで開発された『21世紀科学』の教科書の内容を題材に議論する。現代は、科学だけでは解決できない社会問題も多い。興治教授は言う「こうした議論の経験が、教員になったときに、生徒が自分で考える力を育てる指導に生きてくると思います」。2つ目は、高校生になったつもりで実験を含む探究活動を行うことだ。「過去の事例でいうと、シャープペンシルの硬度の異なる芯の電気抵抗を調べた学生たちがいました。それだけだと探究活動とはいえないので、指導の困難はどこにあるのか、生徒たちが実験や考察に行き詰まったときはどう導くことが適切なのかなど、グループで話し合い、発表をしてもらっています」と興治教授。現在、学習指導要領では探究が重要なキーワードのひとつになっている。自ら探究する生徒を育てるためには、教員も探究の経験者であることが理想。学生自身が受けてきた教育の再生産ではない、新しい教育への取り組みが着実に形になりつつある。

教育支援機構 教職教育センター
興治 文子 教授

■ 主な研究内容

専門分野は物理教育。物理現象を表す多様な表現方法に起因する学習者の理解の困難の解明やICTを活用した新たな教材、教授法について研究を行っている。

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