2019.10.30
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注目するのは、海の手前の川。独自の技術でごみの状況を観測

ストロー、マドラー、食器、レジ袋、歯ブラシ、発泡スチロール…。私たちは、たくさんのプラスチック製品に囲まれて生活しています。
軽くて丈夫なプラスチックは、その便利さゆえに生産量が年々増え続けていますが、同時に問題視されているのが、大量のプラスチックごみです。
なかでも、海に流れ込んでしまったプラスチックごみは、「マイクロプラスチック」という小さなかけらとなって、水に溶けることなく海中を漂い続けます。それらは今、海で暮らす生き物の体を蝕み、沿岸に住む人々の暮らしや仕事にも深刻な影響を与えているのです。

この問題に取り組むには、陸で生まれたプラスチックごみがどのように河川へ流れ込み、そして海へ向かうのかという動きを明らかにする必要があります。
そこで理科大では、川の中のプラスチックごみを観測する、モニタリング技術を開発しました。固定したデジタルビデオカメラで川の水面を撮影し、その動画を解析すると、マイクロプラスチックになる前の「マクロプラスチック」と呼ばれる、大きなサイズのプラスチックごみの量が分かるというものです。
細かな網などでごみをさらうより、効率がよく精度の高い技術として、今後の応用が高く期待されています。

海洋ごみ問題を、人ごとではなく「自分ごと」として捉えるために

これまで国内では、海の中のマイクロプラスチック問題には注目が集まっても、その手前の川については、十分な調査が行われることがありませんでした。
このモニタリング技術によって、「どの川にマクロプラスチックが多いのか」「どんな種類のマクロプラスチックが流れているのか」という疑問が明らかになれば、ごみが発生するところから対策を取ることができるようになるでしょう。

「2050年には、海洋プラスチックごみの方が魚の量を上回る」という予測もある中、求められるのはひとりひとりの高い環境への意識だと理科大は考えます。モニタリング技術による観測データが、そのための手がかりとなるように、今後も理科大は海とプラスチックごみの関係をしっかりと見つめていきます。

理工学部 土木工学科 
二瓶泰雄教授

■主な研究内容

研究分野は水工学 (環境水理学,河川工学,流体力学)。河川や湖沼、海洋といった自然水域で生じている環境問題の改善・修復を目標として、研究を行っている。

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