※内容は「東京理科大学報」 vol.213 掲載時のものです。

食は人の健康につながるものだから。
いつかは『夜食べても太らないお菓子』を。

人の健康とダイレクトにつながる食品の世界で働く
森永製菓 株式会社
生産本部 鶴見工場
生産管理グループ製造第一グループ担当

安本 佑輝さん

森永製菓 株式会社
生産本部 鶴見工場
生産管理グループ製造第一グループ担当
2014年、東京理科大学 理工学部 応用生物科学科卒業。 2016年、理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程修了。 同年、森永製菓株式会社入社。

「将来的には、食と体内時計の関係という学生時代の研究や工場での経験を生かしながら、『夜食べても太らないお菓子』を開発したいです」

 森永製菓でさまざまなお菓子の開発に携わる安本さん。学生時代から「人の健康」に興味があり、大学4年次からの3年間は、連携大学院方式制度を利用して国立の産業技術総合研究所で研究していたという。「研究所では、主に体内時計の研究をしていて、運動がもたらす体内時計への影響や夜食と太ることの関係性などをテーマに研究していました」。なぜ、製菓会社に就職を? 「食は人の健康にダイレクトにつながるものだと思うので、漠然と食品分野への就職を希望していたんですが、実は、私自身、お菓子作りが趣味なんです(笑)。それで製菓会社を志望しました」

『マクロビ派ビスケット』は思い入れのある商品の一つ。 『ダース』のような既存ブランドも実は結構、 味の改良を行っている。

 安本さんは入社してからの2年、研究開発部門の一員として『ダース』『ベイク』などのチョコレート製品の開発に取り組んできた。2018年からは、研究開発者としてさらに成長するために、生産管理グループに移り、工場の生産ラインの効率アップやコストダウン、新製品の立ち上げ業務に携わっている。「新製品の立ち上げでいうと、研究所から上がってきた製品アイデアを、実際に工場で試作したり、生産ラインが安定稼働するかを見極めたり。研究所でやっているのと、工場で大きなサイズでやってみるのでは全然違うので、なかなか難しいのですが、研究所では見えなかったことが、立場が変わっていろいろ見えてきましたね」。製品として世の中に出すには、安定供給するための生産管理も重要であることを実感しているとのこと。また、課題に対して、原因を考え、仮説を立て、検証をし、結果を導く。こういったPDCAサイクルというか、考え方のベースは学生時代の研究と似ている部分があると話す。