研究部門・研究センター等の紹介

イメージングフロンティアセンター

センター長  理工学部 物理学科 教授 須田 亮  
研究内容 生命科学に資する最先端イメージング技術の開発と実証 
目的 多様な専門領域をカバーする本学の特長を生かし、最先端のレーザー技術、蛍光プローブ 技術、イメージング技術を融合することで、細胞や生体組織の反応・温度・力学特性を測定する革新的技術の創出を目指します。 
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【研究成果ハイライト2016】

私立大学戦略的研究基盤形成支援事業

このセンターは文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業を実施しています。

設立の経緯と趣意

イメージング、“もの” を見るということは、あらゆる分野で共通な方法論です。「百聞は一見に如かず」ということわざにもあるように、自然科学の疑問の中には「見る」ことで解決するものは意外と多いものです。また、「一見」することで得られた成果は、さらに多くの疑問を生み出し、後に続く研究の発展を刺激することになります。とりわけ生物学では、生物体の構造だけでなく、その機能までも可視化することが求められています。最先端の研究を展開するには、最先端のイメージング技術が不可欠です。イメージングフロンティアセンター(IFC)では、光源技術、蛍光プローブ技術、情報科学、さまざまな生物種・細胞のライブイメージングの研究者が一体となって学際的な研究を展開する体制が整っています。理工学と生命科学の連携を大きく前進させて、最先端の研究成果を世界に向けて発信すること、豊かな、多様性に富んだ多くの優れた人材を育成すること、ひいては研究拠点としてこの分野の発展に寄与することを目的としています。

研究内容

蛍光イメージングにおける観察障害を除去し深い観察深度を実現するため、波長1000 nmを超える波長域(OTN)の近赤外光を用いたイメージング技術の高度化を進めます(図1)。さらに生体透明化溶液の透明化機構の解明に取り組むとともに、植物特有の細胞内小器官に含まれる自家蛍光物質を観察障害として除去するための透明化技術を開発します。このような動植物細胞の蛍光イメージングのバックグランド除去技術をメンバーで共有しながら応用研究を展開します。

図1 マウスの血管イメージング

また、これまでの技術では測定不能であった生体内の反応、温度、硬さを多次元情報として可視化できるイメージングシステムの開発を進めます。その要素技術として、細胞、組織、器官の力学物性を測定する顕微レーザー誘起光圧力表面変位法や細胞の温度イメージングを可能とする蛍光ナノサーモメトリーを開発します。さらに、反応イメージングのための酵素反応を含む多次元情報の可視化に展開できるプローブの作成を錯体化学や生物工学の技術を用いて推進します(図2)。

図2 G蛋白質のON/OFF反応を可視化するFRETセンサー

これらの技術をもとにがん、脳神経疾患、免疫疾患の診断や解明に役に立つ生体情報や組織、臓器、血管などのネットワークを生きたままリアルタイムで描出可能なイメージングシステム、生体内の極微小空間の反応、温度、硬さを多次元情報として可視化できるイメージングシステム、植物の自家蛍光を排除した農作物イメージングシステムを開発します。ライフイノベーションとグリーンイノベーションの研究促進ならびに国民の健康増進、日本農業の競争力強化に貢献する革新的な計測装置を本研究拠点から創出します。

研究体制

本学の理学、工学、薬学分野の専門家と各種生物、生命科学の専門家とが密にコミュニケーションを図り、ユーザーの要求に応える先端的なイメージング技術を創出するため、ユーザーとデザイナーの双方が混在するメンバーでセンターを構成しています。本センターのメンバーがその母体となる各部局と協力し、上記の基盤技術を高度化するとともに新たな技術の創出を促します。また、総合研究院の他の研究部門・センターに潜在するユーザーやデザイナーとの連携を図ります。さらに、ワークショップやセミナーを開催し、学外との交流や共同研究を活発に進めることにより、最先端イメージングの拠点を形成することを目指しています。

期待される効果と波及効果

多くの生物種のゲノム情報が明らかになった今、生命科学の広範な分野の研究の発展にとって、生体内の分子の動態やそれらの相互作用を生きたまま解析するライブイメージング技術は不可欠です。イメージングフロンティアセンターではレーザー技術、新規蛍光プローブ技術、多様な生物種・細胞のライブイメージングの研究者が一体となって高度に学際的な研究を展開することにより、生物学、生命科学にブレークスルーをもたらす、世界的に見ても類例のない斬新なイメージング技術の開発を目指します。理科大発の強力な方法論を世界に向けて発信すると同時に、理工学・生命科学双方の分野に精通した視野の広い人材の育成にも資することが期待されます。

今後の展開

生体内の細胞の挙動や組織・臓器.血管などのネットワークをリアルタイムで観察するイメージングシステムの実現に向けて新技術の開発に取り組みます。

部門長からのコメント

光を用いたライブイメージング技術は生命科学の発展に不可欠です。幅広い専門領域を抱える本学は、さまざまな分野の研究者が結集して最先端の研究開発を行う体制が整っており、この融合分野における研究拠点としての役割が期待されます。

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