研究部門・研究センター等の紹介

マルチスケール界面熱流体力学研究部門

部門長  工学部 機械工学科 准教授 元祐 昌廣 
研究内容 微視的時空間スケールにおける3 相界面近傍でのメゾスコピック・ダイナミクスの理解と応用に関する知見を,マイクロ・ナノスケールだけでなくマクロスケールまでのより多重スケールにおける物質と流体の相互作用の解明へと発展させる 
目的 我が国随一の界面熱流体力学の国際研究拠点の構築を目指す 
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設置の経緯

本研究部門は,前身の「マイクロ・ナノ界面熱流体力学国際研究部門 (活動期間2012年4 月〜2017年3月)」を,期間中に培った知見を多重スケールへと拡大すること,並びに国際共同研究体制のさらなる推進を狙いとして,改組して設置したものである.

これまでは,固気液3相界面近傍でのダイナミクスを理解するためにマイクロ・ナノスケールにおける現象に焦点を当てて研究を実施し,一方,有機的な国際連携研究体制を確立するため国際的な研究展開にも注力してきており,ある程度は目的を達成できたといえるが,この研究活動を当該分野において世界をリードする高みにまで到達させるためには,マイクロ・ナノにスケールを限定せず,より幅広い空間スケールでの界面現象の学理構築および応用が必須だといえる.異相界面の熱流体現象はマイクロ・ナノスケールでの様々な現象が巨視的スケールに影響を及ぼすためマルチスケールでの実験,解析が必要となる.そのため本部門では,これまでの研究成果を礎として,数理・物理やバイオを対象とする研究者を加え,多重スケールにおける界面現象の解明・制御に取り組む.本組織の研究者が対象とする代表的な空間スケールの関係性を図1に示す.組織員間の連携は,複数の空間スケールをまたぐような編成で有機的な共同研究を実施し,多重スケールの現象の解明を目指す.

Multiscale-1

図1 本部門における異相界面スケールと各研究者が主として対象とする空間スケール.

黒:現部門の構成員,赤:新規参加の研究分担者,青:学外の研究分担者.

構成員のうち,元祐,上野,塚原,酒井,住野,安藤はウォーターフロンティアサイエンス研究センター,元祐は医理工連携研究部門,酒井は界面科学研究部門などに所属しているが,本部門での活動による異相界面を含んだ熱流体現象に関する知見は他部門での活動で活かすことができ,逆の効果も期待できる.

また,シナジー効果としては,マルチスケールでの事業の理解や制御を主眼とすることで,空間の垣根,工学・物理・化学などの学問分野の垣根,さらには国境を超えた,本学の研究連携体制の確立,並びに若手研究者の涵養が期待される.

研究目的及び目標

1)本部門では,微視的時空間スケールにおける3 相界面近傍でのメゾスコピック・ダイナミクスの理解と応用に関する知見を,マイクロ・ナノスケールだけでなくマクロスケールまでのより多重スケールにおける物質と流体の相互作用の解明へと発展させる.また,これらに関連した国際共同研究体制のさらなる推進も大きな目的のひとつである.移動・変形を伴う異相界面を介した熱物質輸送の制御という事象において,ミクロスコピックなダイナミクスをマクロスコピックな描像にまで進化させることを目指す.具体的には,(A) 微小物体との干渉を含んだ「動的濡れ」における固気液3相境界ダイナミクスの解明,(B) 物性分布下による液滴・粒子制御,(C) 流れ中での細胞とタンパク質との結合と動態,の研究において,学内外共同研究を実施する.

2)微小面積での流体ハンドリング技術,低消費量での化学反応制御,低エネルギー消費での液体・固体搬送は,燃料電池や電気自動車などの高効率・低環境負荷熱流体機器,超分散環境センシング,高付加価値医療・健康診断などにおいてキーテクノロジーである.本研究部門はこれらの本質である,異相界面を含む熱流体現象の解明と制御を目的として,学内外での連携研究を実施するものである.改組により理論系・バイオ系の研究者を増強し,より包括的に多重スケール間をまたぐ連携研究を可能とすることを狙いとしており,マイクロ・ナノスケールに留まらないマルチスケール・マルチフェーズの熱流体現象の理解と応用が著しく進むことが予想される.

3)前身の「マイクロ・ナノ界面熱流体力学国際研究部門」での活動において確立した,分子スケールからマイクロスケールにおける熱流体実験・解析環境をさらに拡充して,マクロスケールまでの階層的なスケールの多重化を実現し,さらに関連した国際連携研究教育体制のさらなる推進を目指す研究部門は国内では類を見ず,国外でも非常に珍しい.界面熱流体分野を世界的に有数な本学の強みとして確立すべく,若手研究者を軸とした組織構成とし,前部門長 (上野) には,自身の研究のみならず,これまでに培った国際的研究ネットワーク力を若手研究者に教示・展開する役割も担うことで育成体制も確立させ,我が国随一の界面熱流体力学の国際研究拠点の構築を目指す.

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