サイトウ アキヨシ
斎藤 顕宜
教授
東京理科大学 薬学部 薬学科
研究室名 |
薬理学研究室
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トピックス |
最近の業績
1.Yoshioka et al., Chronic vicarious social defeat stress attenuates new-born neuronal cell survival in mouse hippocampus. Behav Brain Res. (IF:3.332) 2022 Jan 7;416:113536.
2.Matsumoto et al., Juvenile social defeat stress exposure favors in later onset of irritable bowel syndrome-like symptoms in male mice. Sci Rep. (IF:4.394) 2021 Aug 11;11(1):16276.
3.Yamada et al., Modulation of glutamatergic synaptic transmission and neuronal excitability in the prelimbic medial prefrontal cortex via delta-opioid receptors in mice. Biochem Biophys Res Commun. (IF:3.575) 2021 Jun 30;560:192-198.
4.Sakamoto et al., A selective delta opioid receptor agonist SNC80, but not KNT-127, induced tremor-like behaviors via hippocampal glutamatergic system in mice. Brain Res. (IF:3.252) 2021 Apr 15;1757:147297.
5.Takahashi et al., Oxytocin reverses Aβ-induced impairment of hippocampal synaptic plasticity in mice. Biochem Biophys Res Commun. (IF:3.575) 2020 Jul 12;528(1):174-178.
6.Yamada et al., Selective agonists of the δ-opioid receptor, KNT-127 and SNC80, act differentially on extinction learning of contextual fear memory in mice. Neuropharmacology. (IF:5.250) 2019 Dec 1;160:107792.
7.Nagase and Saitoh. Research and development of κ opioid receptor agonists and δ opioid receptor agonists. Pharmacol Ther. (IF:12.310) 2020 Jan;205:107427.
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専攻分野 |
薬理学、精神・神経薬理学
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研究分野 |
精神薬理学、神経科学、行動薬理学
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紹介 |
薬理学は、身体の仕組みを理解しながら、薬が持つ生体機能への影響を解析する学問です。本研究室では、心と脳の病気、例えばうつ病・不安症がなぜ起きるのかを研究しています。病気のモデル動物・組織等を用いた実験から、関与する神経回路や生体物質を明らかにし、新しい治療薬・予防法の開発を目指しています
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研究テーマ |
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オピオイド受容体をターゲットとした新規向精神薬の創薬
当研究室ではこれまでに、オピオイドδ受容体作動薬が抗うつ作用・抗不安作用を示すことを動物モデルから明らかにしてきました。最近では、新規オピオイドδ受容体作動薬(NC-2800)を見出すことに成功しました。現在NC-2800は、新規抗うつ薬の臨床開発候補化合物として大きな期待がされています。
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情動神経回路の理解に基づいた病態モデル動物の開発
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アルコール依存症治療薬による鎮痛・抗不安作用メカニズムの解明
当研究室では、アルコール依存症治療薬『ジスルフィラム』に抗うつ作用・抗不安作用、認知機能改善効果があることを世界で初めて見いだしました(特願2019-136756、PCT/JP2020/036336)。ジスルフィラム(DSF)は、炎症性ケモカイン受容体CCR2受容体およびCCR5受容体に結合するマクロファージ遊走シグナル促進分子(FROUNT)を阻害します。FROUNTには癌促進分子としての役割が明らかにされているものの、不安・抑うつへの関与はこれまで報告されていませんでした。当研究室の検討からDSFには、既存治療薬で問題となっている有害作用(健忘作用、過鎮静、ふらつき、消化器障害)を示さない可能性を明らかにしました。FROUNT阻害薬には、既存治療薬とは作用機序を全く異なる安全性の高い、効果の確かな抗うつ・抗不安薬となる可能性が期待されています。
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危険ドラッグの有害作用予測法の開発と作用メカニズムの解明
精神依存関連神経回路の変化を光遺伝学+電気生理+行動試験で検証することで、報酬記憶の制御機構を解明することを目指しています。本研究の成果から、依存症治療薬の候補ターゲット分子が見いだされることが期待されます。
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超音波暴露による情動調節作用の検証とそのメカニズムの解明
齧歯類では、異性との接触や、くすぐり(快)、ストレス(不快)などにより超音波発声が観察されます。当研究室では、うつ病モデルラットへの快の超音波曝露により情動過多反応(抑うつ症状)が改善することを見いだしました。この現象は、『ハイパーソニック・エフェクト』のモデルになることが期待され、現在、その詳細な機序の解明を行っています。本研究から、新しいうつ病治療法開発を目指します。
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オキシトシンによる記憶・学習機能改善作用のメカニズムの解明
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研究室メンバー |
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教授 斎藤 顕宜
Saitoh Akiyoshi
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助教 山田 大輔
Yamada daisuke
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