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オサダ トモ
長田 朋  助教
東京理科大学 理学部第一部 物理学科
プロフィール | 研究シーズ | 担当授業(3件)
グループ IT、ナノテク・材料
研究・技術キーワード 量子情報科学、複雑ネットワーク、微小光デバイス
研究・技術テーマ
  • 量子ウォークによる探索アルゴリズムの解析
  • 量子スピン多体系における局在化・時間結晶の理論研究
  • 複雑ネットワーク科学を用いた量子多体系の理論研究
  • マイクロディスク共振器にカップルした原子の数値シミュレーション
研究・技術内容 実社会での活用の期待が高まる量子情報処理技術の発展に寄与するため、量子計算手法や量子多体系の理論解析を、特に複雑ネットワーク科学の手法を用いて行う分野横断的な研究を行っている。複雑ネットワークとは、現実社会でよく現れるネットワーク構造(例:インターネットのリンク、人間関係、輸送ネットワークなど)のことを指す。それらのネットワークの多くには、次数のべき乗則などの興味深い性質が見られるため、その性質が量子物性・量子プロトコルに対してはどのような恩恵や現象をもたらすかに興味を持っている。具体的な研究例として、ランダムウォークの量子版である「量子ウォーク」を使うと、グラフ上の探索アルゴリズムが構成できることが知られているが、同アルゴリズムを拡張して複雑ネットワーク上で行う方法を提案・解析した。また、スピン自由度を持つ粒子が相互作用する多体系において、時間結晶相における状態の遷移をネットワークとして捉え、その中に複雑ネットワーク特有のべき乗則が現れることを示した。
産業への利用 量子情報処理技術(量子計算、量子通信、量子シミュレーター)を産業活用するためには、実装する量子系の大規模化(100~1000以上のQubitの実装)と頑健性の確保が最重要課題である。複雑ネットワーク科学は大規模なシステムを扱う分野であり、大規模な量子系の解析と実装の助けとなる。また、複雑ネットワーク構造を持つ量子系の利点として、社会に既存するネットワークを活用できる点が挙げられる。例えば、すでに整備されている通信ネットワークを、量子通信ネットワークに拡張することもできる。このような大規模量子系を実現していくためには、信頼性の高い量子コンポーネント(例えば超電導量子ビット)の作製技術が必要であり、また多数のコンポーネントを結合した際に現れる効果を十分に理解するための解析が必要である。
可能な産学連携形態 共同研究、技術相談および指導
具体的な産学連携形態内容
その他所属研究機関
所属研究室 佐中薫研究室
所有研究装置
SDGs
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