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本学教員が亀裂と弾性体の数学解析に関する研究で、日本数学会函数方程式論分科会 福原賞を受賞
本学教員が亀裂と弾性体の数学解析に関する研究で、日本数学会函数方程式論分科会 福原賞を受賞しました。
受賞者 | : | 理学部第二部 数学科 准教授 伊藤 弘道 |
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受賞題目 | : | 亀裂と弾性体の数学解析に関する研究 |
受賞内容 | : |
伊藤弘道氏は、連続体力学における諸問題の数学的側面に焦点を当てた研究を継続して展開し、顕著な成果を上げている。構造物の力学的状況は連続体力学で扱われ、金属疲労や経年劣化による亀裂などの解析も偏微分方程式論における重要な問題である。伊藤氏は亀裂や多角形領域など、領域に特異性がある場合に線形弾性方程式の解を構成し、亀裂進展の感度解析や亀裂・空洞同定逆問題における囲い込み法に関する研究を行った。伊藤氏の解析はこれらの研究進展における必要不可欠な部分を担っており、その解析は古典的な解析手法を駆使することにより始めて得られる精緻なものである。これらの成果は応用面のみならず、数学解析自体において重要なので、高く評価される。亀裂が存在する場合には、弾性力学の根本を成す概念である構成方程式の正当性という問題が生じる。構成方程式は歪みと応力の間の関係を与え、偏微分方程式を生み出す関係式である。亀裂があれば応力集中を起こすので、単純な線形化では現象を反映しない上に、不合理まで生み出す.伊藤氏はこれを解消するために工学者により提唱された構成方程式の正当性を非線形楕円型境界値問題の解析に帰着させることにより確立した。このように伊藤氏は、亀裂などの特異性を含む弾性力学の問題において現れる偏微分方程式に対する数学解析の発展に大きく貢献した。その優れた業績は函数方程式論分科会福原賞にふさわしいものである。
(2019年度 福原賞選考委員会からの受賞内容説明より抜粋) |
受賞日 | : | 2019年12月21日 |
日本数学会函数方程式論分科会のページ
https://mathsoc.jp/section/dfe/
伊藤研究室のページ
大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?67cb
研究室のページ:https://www.rs.tus.ac.jp/h-itou/
伊藤准教授(受賞時スライド) |
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