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2019.10.29 Tue UP

本学大学院生が第6回アジア精神薬理学会においてLate Breaking Abstract Awardを受賞

本学大学院生が第6回アジア精神薬理学会においてLate Breaking Abstract Awardを受賞しました。

受賞者 薬学研究科 薬科学専攻 博士課程1年 中武 優子
指導教員 薬学部 薬学科 准教授 吉澤 一巳
国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神薬理研究部 山田 光彦
受賞題目 A ROCK inhibitor, fasudil, suppressed behavioral changes induced by physical stress, but not by emotional stress in mice social defeat stress model.
受賞内容 慢性的なストレス曝露は様々な精神疾患の発症リスクを高める要因であり、ストレスを負荷したモデル動物が病態研究に汎用されている。これまでに我々は、社会的敗北ストレスとその目撃パラダイムを用いて、身体的苦痛を伴わない心理的ストレス負荷マウスモデルを確立し、情動行動や免疫系に身体的ストレスとは異なる変化が観察されることを報告している。一方、我々はマウスの情動行動にRhoキナーゼ(ROCK)経路が関与するという知見を得ている。そこで本研究では、ストレスに対するROCK阻害剤ファスジルの効果を検討した。その結果、身体的ストレス負荷マウスでは、10日間のストレス負荷により延長した強制水泳試験における無動時間がファスジルの予防的投与により短縮された。しかし、心理的ストレス負荷マウスではこの効果は観察されなかった(Nakatake et al., Neurosci Res, 2019)。興味深いことに、神経活動のマーカーであるc-Fosの発現解析により、心理的ストレスと身体的ストレスにより活性化される脳部位が異なることが明らかとなった。以上より、ROCK阻害剤ファスジルは心理的ストレスと身体的ストレスによる影響に異なった効果を及ぼすことが明らかとなった。その背景として、それぞれのストレスが影響する脳部位が異なることが考えられた。
受賞日 2019年10月13日

第六回アジア精神薬理学会ホームページ
https://www2.aeplan.co.jp/ascnp/index.html

吉澤准教授大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?67f2

国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神薬理研究部
https://www.ncnp.go.jp/nimh/yakuri/index.html
山田部長researchmapページ:https://researchmap.jp/read0208537/?lang=japanese

本学大学院生が第6回アジア精神薬理学会においてLate Breaking Abstract Awardを受賞
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