2019.08.09 Friday

本学教員及び学生らの共同研究の成果が、国際学術誌『Plant Biotechnology』に掲載、表紙に選出

本学理工学部応用生物科学科 朽津 和幸 教授(大学院研究科農理工学際連携コース長、総合研究院イメージングフロンティアセンター副センター長兼任)、花俣 繁 博士(元 本学ポストドクトラル研究員、現 新潟大学 助教)、来須 孝光 博士(元 本学助教、現 公立諏訪東京理科大学准教授)、澤田 隼平さん(2018年 理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程修了)、陶 文紀さん(2015年 理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程修了)、福永 任吾さん(理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程2年)、小川 和准さん(理工学研究科 応用生物科学専攻 修士課程1年)と、国立遺伝学研究所の野々村賢一准教授、小野聖二郎博士との共同研究の成果が、国際学術誌"Plant Biotechnology"に掲載され、同誌の表紙を飾りました。


国際学術誌"Plant Biotechnology"

オートファジー(細胞内自食作用)は、真核生物に広く存在する蛋白質や脂質など生体分子や細胞内小器官の大規模な分解系で、そのメカニズムを解明された大隅良典教授はノーベル医学生理学賞を受賞されました(理大科学フォーラム 2017年3月号「生理学・医学賞 大隅良典先生:オートファジー(細胞内自食作用)のメカニズム」参照)。医学分野だけではなく、植物や食と農の分野でも重要で、朽津教授らの研究グループは、我々の主食である穀物イネの正常な花粉・種子の形成に重要なことや、葉緑体の再利用過程に関与することなどを明らかにして来ました。

今回、研究グループは、イネの花粉への栄養・材料の供給組織である葯のタペート細胞における、時空間的なオートファジーの動態を定量的に可視化解析する手法を開発しました。タペート細胞の細胞内にオートファゴソーム(オートファジーを担う、細胞内の二重膜に包まれた球状の構造体)が観察される(写真)とともに、葯の発達ステージ毎の3次元画像解析から、特定のステージにおいてタペート細胞にオートファジーが誘導されることを解明しました。今後は、多様なイネの葯発達に異常を示す変異体群などに本技術を適用することで、穀物イネの葯発達のしくみや、その過程におけるオートファジーの重要性を明らかにできると期待されます。さらに、地球環境変動などの要因により、イネの品質や収量の低下が懸念される中で、それを防ぐ新たな技術開発への貢献も期待されます。

論文タイトル Monitoring autophagy in rice tapetal cells during pollen maturation.
著者 Shigeru Hanamata, Jumpei Sawada, Bunki Toh, Seijiro Ono, Kazunori Ogawa, Togo Fukunaga, Ken-Ichi Nonomura, Takamitsu Kurusu, Kazuyuki Kuchitsu.
掲載誌 Plant Biotechnology, 36 (2): 99-105 (2019)

図.イネの葯におけるオートゴソーム・細胞内オートファジー関連構造体の可視化

オートファジーのマーカー蛋白質を発現するイネの葯の縦断切片をレーザー共焦点蛍光顕微鏡で可視化解析した。中央の黒い多数の球状の構造物は、将来花粉になる小胞子。赤い矢頭は、タペート細胞内のオートファゴソーム、タペート細胞を取り囲むマジェンタ色のシグナルは、葯壁細胞のクロロフィルの自家蛍光を示す。

朽津研究室のページ
大学公式ページ:https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?32ee
研究室のページ:https://www.facebook.com/KuchitsuLab

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