2019.07.26 Friday

本学大学院生が第140回日本薬理学会関東部会において優秀発表賞を受賞

本学大学院生が第140回日本薬理学会関東部会において優秀発表賞を受賞しました。

薬学研究科 薬科学専攻 修士課程1年 高橋 純平
薬学部 薬学科 教授 斎藤 顕宜
オキシトシンはAβによる海馬シナプス可塑性の障害を回復させる
近年、視床下部室傍核で合成されるペプチドホルモンであるオキシトシンの学習記憶などの中枢機能への関与が注目されている。我々はこれまで、細胞毒性を有しアルツハイマー病患者の脳内に沈着が見られるアミロイドタンパク(Aβ)を脳室内に投与したモデルマウスで、短期作業記憶を評価するY-maze試験、長期空間記憶を評価するMorris water maze試験いずれにおいても学習記憶障害を呈すること、またこの障害がオキシトシンの脳室内投与により回復することを明らかにしてきた。しかし、オキシトシンによる学習記憶障害回復のメカニズムは不明である。本研究では、学習記憶において中心的な役割をもつ海馬のシナプス可塑性に与えるオキシトシンの影響を調べることで、オキシトシンがAβによる学習記憶障害を回復させるメカニズムを電気生理学な手法を用いて検討した。
マウス海馬スライスへのAの灌流により長期増強(Long-term potentiation: LTP)の障害が認められた。また、オキシトシンをAβとともに灌流することにより、Aβ誘発性のLTP障害がControl群と同程度まで回復した。このオキシトシンの作用は、オキシトシン受容体拮抗薬であるL-368,899を灌流することにより消失した。以上の結果から、オキシトシンは、オキシトシン受容体を介してAβによるLTP障害を回復させることが示唆された。
現在、より詳細なメカニズムを解明するため、オキシトシン受容体の下流に存在し、LTP、記憶形成に重要であると考えらえている分子の関与について検討を行っている。
2019年7月6日

日本薬理学会のページ: http://www.pharmacol.or.jp/
第140回日本薬理学会関東部会 優秀発表者 http://pharmacology.pupu.jp/140kanto/blog/archives/27

薬理研究室のページ
斎藤教授 大学公式ページ: https://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?7017
研究室のページ: https://yakurisaitohlab.jimdofree.com/

本学大学院生が第140回日本薬理学会関東部会において優秀発表賞を受賞

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