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2018.06.05 Tue UP
本学教員が前田記念工学振興財団において山田一宇賞を受賞
本学教員が前田記念工学振興財団において山田一宇賞を受賞しました。
受賞者 | : | 工学部 建築学科 助教 石榑 督和 |
受賞題目 | : | 闇市の形成と土地所有からみる戦後東京の副都心ターミナル近傍の形成過程の関する研究 |
受賞内容 | : | 山田一宇賞は独創性・新規性に富む学位論文に対して、前田記念工学振興財団から与えられる賞である。受賞理由は、下記の公益財団法人前田記念工学振興財団『第25期 事業叢書 平成30年度 顕彰事業並びに助成事業』(2018年6月)の「受賞理由」の一部抜粋の通りである。 本論文の特異性は、東京副都心の形成・再編過程に関する都市史研究が立ち遅れる中で、新宿・池袋・渋谷の駅周辺地区の都市組織の基本的な骨格と特質の形成過程を明らかにした点にある。そのために1930年代後半から60年代までの4半世紀の期間に焦点を当て、この間に出現した闇市やマーケットの発生過程を明らかにし、その整理と移転という難題を抱え込んだ戦災復興土地区画整理事業の過程を、精細な実証的復原作業に基づいて解明している。本研究の都市史・都市計画史に対する貢献としては、以下の点が挙げられるだろう。 第1に、一様にみえる闇市・マーケットも、立地と権利関係によって区別され、その整理・再開発の手法・過程も類型化できることを示している。 第2に、戦災復興土地区画整理事業が、その実施過程で、非公式的で複雑な権利関係を清算あるいは合法化することによって都市組織に組み込んでいく役割を担ったことを明らかにしている。 第3に、以上のような問題点を明らかにする過程で、戦災復興期の副都心の駅周辺における民間大資本の土地集約の動向を具体的に描出した点も、都市史に対する重要な貢献である。 以上のように、本論文は、副都心の都市空間の形成過程を、ボトムアップな闇市・マーケットや民間資本とトップダウンの土地区画整理事業との間の複雑な相互作用として解明することを通じて、1960年代の高度成長期において主流だったトップダウン的な都市再開発に代わる、新しいまちづくりのあり方を先取りする、示唆的な前例を提示しているといってよい。この点において、山田一宇賞にふさわしい先見的な研究として表彰するものである。 |
受賞日 | : | 2018年6月1日 |
公益社団法人 前田記念工学振興財団のページ:http://www.maedakksz.or.jp/
石榑助教のページ
大学公式ページ:http://www.tus.ac.jp/fac_grad/p/index.php?6e50
石榑 督和助教(前列左端) |
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