植物科学のシラバス情報

科目名称
Course title(Japanese)
植物科学 科目番号
Course number
64BIENB202
科目名称(英語)
Course title(English)
Plant Science
授業名称
Class name
植物科学
教員名 朽津 和幸
Instructor Prof. Dr. Kazuyuki Kuchitsu
開講年度学期 2022年度 後期
Year/Semester 2022/winter
曜日時限 月曜2限
Class hours Mondays, 10:40-12:10
開講学科
Department
理工学部 応用生物科学科
外国語のみの科目
(使用言語)
Course in only foreign
languages (languages)
-
単位
Course credit
2.0 授業の主な実施形態
Main class format
原則として、ハイフレックス型授業/Hybrid-Flexible format
概要
Descriptions
これまでの生物学は、主に医学・薬学に応用されて来た。しかし、今後、人類は、環境・食糧・エネルギーについて大きな問題に直面しようとしている。こうした問題を解決するには、植物の”生き様”を理解し、人類が植物とどのようにつきあうべきかを考えることが大切と考えられる。俗に、外からの刺激に反応できなくなった状態を指して「植物人間」などと呼ばれることがあるが、実は植物は、移動せず、大地に根をおろして、周囲の環境の変化を感知し、自らの体を作り替えて適応する高度な力を進化させて来た。
本講義では、動物や微生物など他種の生物との相違点や共通点に留意しながら、植物の生き方を分子、細胞レベルで理解する。まず基本的な英語教材を併用しながら、現代社会において、植物を研究する意義や、研究の方法論について学ぶ。次に地球の歴史の中での系統進化と多様性、栄養の獲得、環境の感知と形態形成などを学び、植物の生存戦略を考える。
目的
Objectives
・現代社会において、植物を研究する意義や、研究の方法論を理解する。
・地球の歴史の中での系統進化と多様性、栄養の獲得、環境の感知と形態形成などを学び、植物の生存戦略を考える。
・生物科学を学ぶ者として、環境・食糧・エネルギーなど、人類が直面する問題を解決するために、何ができるかを考える。
・生物科学を社会に生かす上で必要不可欠となって来た「英語力」を飛躍的に高めることを一つの大きな目標とする。
到達目標
Outcomes
・生物科学のいずれの分野を専門とする場合にも、そして現代の環境、食糧、エネルギー問題等を解決する基礎となるような、植物の生き方、植物との付き合い方の理解を深める。
・生物科学を社会に生かす上で必要不可欠となって来た、生物学に関する英語文献を読み、理解し、自分の研究に役立てられるようにする。
履修上の注意
Course notes prerequisites
・植物の情報伝達、情報処理については、3BS前期「細胞生物学2」、植物の環境ストレスに対する適応、病原体や虫など外敵に対する防御・免疫、他の生物との相互作用については、3BS後期「生体防御」で解説するので、併せて受講することを奨める。
・3BS前期「生態学」とも密接に関連するので、、併せて受講することを奨める。
・参考資料を適宜LETUS上にuploadする。それを各自ダウンロードし、自習・持参することを前提として講義を進める。
アクティブ・ラーニング科目
Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文
Essay
選択課題として課し、論理的文章作成能力を磨く。 小テストの実施
Quiz type test
頻繁に実施し、講義の理解度を確認する。
ディベート・ディスカッション
Debate/Discussion
可能な限り、講義中にディスカッションを行う。 グループワーク
Group work
-
プレゼンテーション
Presentation
講義中に学生によるプレゼンテーション・ディスカッション・解説を行う。 反転授業
Flipped classroom
LETUS等で資料を提供し、予習を前提に講義で解説する反転授業の講義スタイルを一部導入する。
その他(自由記述)
Other(Describe)
-
準備学習・復習
Preparation and review
・講義と並行して教科書、資料を自習し、通読することを前提にして、発展的な講義を行うので、予習,復習を十分に行うこと。
・講義の参考になる実物の資料に触れるため、国立科学博物館を見学することを強く奨める(特に地球館1階 系統広場)。東京理科大学の学生証を提示すると、無料で何度でも入館できる。
成績評価方法
Performance grading
policy
・試験に重点を置く(各自のノートは持ち込み可の予定)。
・講義中に適宜、ミニテストや課題を課す。
・選択または必修のレポート提出を課す。
・以上を総合的に評価する。
学修成果の評価
Evaluation of academic
achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation
教科書
Textbooks/Readings
・教科書を使用する場合は、MyKiTS(教科書販売サイト)から検索・購入可能ですので以下のURLにアクセスしてください。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/
 
・Search and purchase the necessary textbooks from MyKiTS (textbook sales site) with the link below.
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/
参考書・その他資料
Reference and other materials
・植物のシグナル伝達-分子と応答- 柿本辰男他編(共立出版)
・微生物の病原性と植物の防御応答 上田一郎編著(北海道大学出版会)
・生体防御医学事典 鈴木和男監修、朽津和幸他編著(朝倉書店)
・植物分子生理学入門 横田明穂編 (学会出版センター)
・新しい植物生命科学 大森正之,渡辺雄一郎編著(講談社サイエンティフィク)
・「細胞工学」別冊 植物細胞工学シリーズ(秀潤社)
 新版 分子レベルからみた植物の耐病性—植物と病原菌の相互作用に迫る
 新版 植物ホルモンのシグナル伝達
・"Essential Cell Biology" third edition, B. Alberts他著 (Garland Science)
・生物学辞典(東京化学同人)
・生化学辞典(東京化学同人)
・分子細胞生物学辞典(東京化学同人)
・植物ゲノム科学辞典(朝倉書店)
・植物まるかじり叢書全5巻(化学同人) 1.植物が地球をかえた! 2.植物は感じて生きている 3.花はなぜ咲くの? 4.進化し続ける植物たち 5.植物で未来をつくる
・これでナットク! 植物の謎〜植木屋さんも知らないたくましいその生き方〜 日本植物生理学会編(講談社ブルーバックス)
・Photobook植物細胞の知られざる世界 永野 惇、桧垣 匠著(化学同人)
・藻類30億年の自然史〜藻類からみる生物進化 井上勲著(東海大学出版会)
・ミトコンドリアはどこからきたか〜生命40億年を遡る〜 黒岩常祥著(NHKブックス)
・細胞はどのように生まれたか 黒岩常祥著(岩波書店)
・ミトコンドリアのちから 瀬名秀明、太田成男著(新潮文庫)
・生命と情報 渡辺雄一郎著(東京大学出版会)
・分子生物学に支えられた農業生物資源の利用と将来(CD-ROM付) 独立行政法人 農業生物資源研究所 編著(丸善プラネット) ISBN978-4-86345-078-3
・その他随時授業中に参考書を紹介する。
授業計画
Class plan
1. Why study plants?
THE GLOBAL DEMAND FOR FOOD AND NUTRIENTS IS INCREASING
Stress Tolerance
Nutrient Use
Pathogen Resistance
Improving Food Quality through Biofortification
Plants Are Sources of Medicines, Materials, and Nonfood Energy
WHY STUDY PLANTS?

2. How to Be a *Plant (*Photosynthetic, Multicellular, Terrestrial)
WHAT ARE PLANTS?
細胞と生物進化
・地球、細胞、光合成
・原核生物と真核生物
・細胞の統一性と多様性
・細胞膜、細胞質、細胞質基質、核、細胞内小器官
・ミトコンドリア、色素体と葉緑体
・ゲノムとポストゲノム
・モデル生物
・遺伝的変異の生成、遺伝子重複
・遺伝子の進化と分子系統樹
・homolog, paralog, ortholog
・ゲノムの多様性と進化

3. 植物の系統と進化
・細胞内共生、一次共生と二次共生
・光合成生物の進化
・陸上植物
・種子植物
・被子植物

4. Plant systematics
The origin of land plants
Bryophytes

6. Vascular plants
Gymnosperm phylogeny and reproduction
Angiosperm phylogeny and reproduction

7. The seed plant body plan
Epidermis, ground tissue and vascular system
Form and function of organ systems
Growth and development of new organs

8. How to Be a *Plant (*Photosynthetic, Multicellular, Terrestrial)
PLANTS ARE PHOTOSYNTHETIC EUKARYOTES
Introduction to Bioenergetics
Introduction to Photosynthesis
Light-Harvesting Reactions
Carbon-Fixing Reactions
二酸化炭素の固定と地球環境
・炭酸固定と地球環境問題
・二酸化炭素濃度に対する植物の応答
・C4光合成
・CAM植物
・藻類の二酸化炭素濃縮機構
・光合成微生物を用いた水素生産
・糖の転流と貯蔵

9. How to Be a *Plant (*Photosynthetic, Multicellular, Terrestrial)
PLANTS ARE ASSEMBLED FROM CELLS
Cells Are Surrounded by a Semipermeable Plasma Membrane
Plants Move Water by Osmosis and Pressure
Plant Cell Walls Are Flexible, Strong, and Complex
膜輸送
・膜輸送の原理
・能動輸送・受動輸送と電気化学ポテンシャル
・膜輸送の様式
・トランスポーター
・symport, antiport
・イオンポンプ
・イオンチャネルと膜電位

10. How to Be a *Plant (*Photosynthetic, Multicellular, Terrestrial)
PLANTS ARE MULTICELLULAR
Plant Cells Are Connected by Plasmodesmata
Transport in Bryophytes
Vascular Plants Have Long-Distance Transport Systems
Water Movement in the Xylem Is Driven by Evaporation
The Root Endodermis Acts as a Selectivity Filter
Waxy Cuticles Prevent Water Loss and Regulated Pores Allow It
Transport in the Phloem
The Vascular System Carries Information
栄養分の吸収・同化と栄養環境に対する適応
・窒素の吸収・同化・転流
・窒素欠乏に対する応答と遺伝子発現
・窒素酸化物と環境浄化
・環境要因としてのリンとその動態
・リン酸の吸収と輸送
・無機リン酸と代謝
・硫酸イオンの吸収と同化
・硫黄欠乏に対する応答と遺伝子発現
・二酸化硫黄と環境浄化
・鉄の吸収

11. How to Be a *Plant (*Photosynthetic, Multicellular, Terrestrial)
OPPORTUNITIES AND CHALLENGES OF THE TERRESTRIAL ENVIRONMENT
Too Dry: Desiccation Tolerance and Avoidance
Desiccation Tolerance
Desiccation Avoidance
Adaptations and Acclimations to Temperature Extremes
Low Temperatures and Freezing
High Temperatures
Too Bright: Acclimations to Strong, Unfiltered Sunlight

12. 細胞壁とアポプラスト
・細胞壁の構造
・細胞壁の力学的性質とその制御
・膨圧と細胞伸長
・細胞骨格系と細胞壁
・細胞壁と成長制御
・細胞壁とストレス応答
・原形質連絡,
水とミネラルの輸送
・蒸散と気孔
・水チャネル(アクアポリン)
・カリウムイオンの機能
・カリウム欠乏に対する応答
環境シグナルの感知と発生
・発芽
・光と光受容体
・植物ホルモンと形態形成
・花成
・概日リズムと光周性
・重力屈性

13. 植物科学の最先端トピックス(1)
 環境・食糧問題への応用を視野に入れながら、植物生理学研究の最先端トピックスについて解説し、討論する。生命科学と社会との関係の諸側面についても学び、討論することを通して、将来を展望する。

14. 植物科学の最先端トピックス(2)
 環境・食糧問題への応用を視野に入れながら、植物生理学研究の最先端トピックスについて解説し、討論する。生命科学と社会との関係の諸側面についても学び、討論することを通して、将来を展望する。

15. 到達度評価
教職課程
Teacher-training course
本科目は、教育職員免許状取得(教科:理科)に必要な教科に関する科目の「生物学」区分に該当します。
ただし、教科に関する科目区分については、入学年度により異なるため、各自、入学年度または適用となる年度の学修簿により確認をしてください。
実務経験
Practical experience
朽津和幸教授は、農林水産省の研究機関に主任研究官として勤務した実績を活かして、生物科学の農業・食料・環境問題への応用に関して指導する。また、文部科学省に学術調査官として勤務した実績を活かして、農理工学など、学術分野間の相互関連性や学際連携に関して指導する。
Based on the experience as a senior scientist at the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, Prof. Kazuyuki Kuchitsu also teaches on the application of biological sciences to agriculture, food and environment.
Based on the experience as a program officer at the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, Prof. Kazuyuki Kuchitsu also teaches on interdisciplinary research.
教育用ソフトウェア
Educational software
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備考
Remarks
日本語の表現力を磨くことは、将来必ず役に立つので、試験の答案やレポートを書く際に、わかりやすい日本語を書くように心がけ、努力すること。試験やレポートにおいて、明らかな誤字やspellingの誤りは減点の対象とする。
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