生体防御のシラバス情報

科目名称
Course title(Japanese)
生体防御 科目番号
Course number
64BIENB303
科目名称(英語)
Course title(English)
Cell Defense Systems
授業名称
Class name
生体防御
教員名 朽津 和幸
Instructor Prof. Dr. Kazuyuki Kuchitsu
開講年度学期 2022年度 後期
Year/Semester 2022/winter
曜日時限 火曜2限
Class hours Tuesday, 10:40-12:10
開講学科
Department
理工学部 応用生物科学科
外国語のみの科目
(使用言語)
Course in only foreign
languages (languages)
-
単位
Course credit
2.0 授業の主な実施形態
Main class format
原則として、ハイフレックス型授業/Hybrid-Flexible format
概要
Descriptions
植物が発達させてきた、動物とは異なる生体防御機構や環境ストレスに対する適応機構を分子レベルで把握し、生体防御系の共通性と多様性について考える。生体防御機構の分子的理解に基づく植物バイオテクノロジーや、それを利用した環境問題、食糧問題への取り組みの最先端を学び、将来の方向性を考える。
目的
Objectives
・植物を中心とする生物の生体防御機構や環境ストレスに対する適応機構を分子レベルで理解する。
・生体防御機構の分子的理解に基づく植物バイオテクノロジーや、それを利用した環境・食糧・エネルギー問題への貢献の方向性について理解する。
到達目標
Outcomes
・生物科学のいずれの分野を専攻する場合にも基礎となる、生体防御機構や環境ストレスに対する適応機構を分子レベルで理解し、環境・食糧・エネルギー問題解決の視座を得る。
・研究を行う上で必須となる、英語で科学論文を読む力を飛躍的に向上させる。
・知的財産、キャリアパス、サイエンスコミュニケーションその他、生命科学と社会との関係の諸側面について学び、討論することを通して、将来を展望する。
履修上の注意
Course notes prerequisites
・「植物科学」「細胞生物学2」をあらかじめ履修しておくことが望ましい。
・講義と自習を併用することにより、本講義通じて、読解力、論理的思考能力、表現力を磨くこと。
・講義の詳細や資料等を、随時LETUS等で公開するので、頻繁に確認し、予習復習に努めること。
アクティブ・ラーニング科目
Teaching type(Active Learning)
課題に対する作文
Essay
選択課題として課し、論理的文章作成能力を磨く。 小テストの実施
Quiz type test
頻繁に実施し、講義の理解度を確認する。
ディベート・ディスカッション
Debate/Discussion
可能な限り、講義中にディスカッションを行う。 グループワーク
Group work
-
プレゼンテーション
Presentation
- 反転授業
Flipped classroom
予習用教材をLETUS等を通じて事前に配布し、予習を前提として講義中にディスカッションを行うことがある。積極的な予習と発言を期待する。
その他(自由記述)
Other(Describe)
-
準備学習・復習
Preparation and review
・講義と並行して教科書を自習し、通読しすることにより、理解を深めることを推奨する。
・参考資料を適宜LETUS上にuploadする。それを各自ダウンロードし、自習・持参することを前提として講義を進める。資料の予習、復習を充分に行うこと。
成績評価方法
Performance grading
policy
・試験に重点を置く(自筆のノートと講義中に配布したプリントは持ち込み可の予定)。
・選択または必修のレポート提出を課す。
・講義中に適宜課題を課すことがある。
学修成果の評価
Evaluation of academic
achievement
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている
・A:到達目標を十分に達成している
・B:到達目標を達成している
・C:到達目標を最低限達成している
・D:到達目標を達成していない
・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している

・S:Achieved outcomes, excellent result
・A:Achieved outcomes, good result
・B:Achieved outcomes
・C:Minimally achieved outcomes
・D:Did not achieve outcomes
・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation
教科書
Textbooks/Readings
・教科書を使用する場合は、MyKiTS(教科書販売サイト)から検索・購入可能ですので以下のURLにアクセスしてください。
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/
 
・Search and purchase the necessary textbooks from MyKiTS (textbook sales site) with the link below.
https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/
参考書・その他資料
Reference and other materials
・植物のシグナル伝達-分子と応答- 柿本辰男他編(共立出版)
・微生物の病原性と植物の防御応答 上田一郎編著(北海道大学出版会)
・生体防御医学事典 鈴木和男監修、朽津和幸他編著(朝倉書店)
・植物分子生理学入門 横田明穂編 (学会出版センター)
・Molecular Biology of the Cell, Fifth Edition, B.Alberts他著,Garland Science
・新しい植物生命科学 大森正之,渡辺雄一郎編著(講談社サイエンティフィク)
・「細胞工学」別冊 植物細胞工学シリーズ(秀潤社)
新版 分子レベルからみた植物の耐病性—植物と病原菌の相互作用に迫る
新版植物ホルモンのシグナル伝達
・生物学辞典(東京化学同人)
・生化学辞典(東京化学同人)
・分子細胞生物学辞典(東京化学同人)
・植物ゲノム科学辞典(朝倉書店)
・植物まるかじり叢書全5巻(化学同人) 1.植物が地球をかえた! 2.植物は感じて生きている 3.花はなぜ咲くの? 4.進化し続ける植物たち 5.植物で未来をつくる
・これでナットク! 植物の謎〜植木屋さんも知らないたくましいその生き方〜 日本植物生理学会編(講談社ブルーバックス)
・Photobook植物細胞の知られざる世界 永野 惇、桧垣 匠著(化学同人)
・分子生物学に支えられた農業生物資源の利用と将来(CD-ROM付) 独立行政法人 農業生物資源研究所 編著(丸善プラネット) ISBN978-4-86345-078-3
・その他随時授業中に参考書を紹介する。
授業計画
Class plan
1. Plants Are Not Alone
MUTUALLY BENEFICIAL INTERACTIONS
PATHOGENS AND PESTS
INTERACTIONS WITH OTHER PLANTS
PLANTS AND PEOPLE

2. 生体防御システムの共通性と多様性
ストレスの受容、細胞応答と情報伝達、微生物の生体防御系、動物の生体防御系と免疫

3. Fighting for Their Lives: Plants and Pathogens (1)
BRIEF HISTORY OF PLANT PATHOLOGY
WHAT MAKES AN INTERACTION BECOME A DISEASE? THE DISEASE TRIANGLE
STRATEGIES OF PATHOGENICITY

4. Fighting for Their Lives: Plants and Pathogens (2)
PLANT IMMUNE RESPONSES
PLANT RESPONSES TO NECROTROPHIC PATHOGENS
SIGNAL INTEGRATION
PLANT RESPONSES TO VIRUSES
STRATEGIES TO PREVENT AND MANAGE PLANT DISEASES

5. 病傷害ストレスに対する生体防御の分子機構
病原体の感染、侵入と認識、植物の病原体、病原菌の病原性遺伝子と非病原性遺伝子、植物の抵抗性とその誘導、感染シグナルとその伝達、病原体の侵入認識

6. 病傷害ストレスに対する生体防御の分子機構(2) 植物の抵抗性反応
カルシウムシグナリング、活性酸素の生成、一酸化窒素の生成、過敏感細胞死とプログラム細胞死、PRタンパク質、抗菌性物質の合成と二次代謝、誘導抵抗性と全身獲得抵抗性(SAR)

7. 病傷害ストレスに対する生体防御の分子機構(3) 傷害・虫害に対する応答
食害と物理的傷害傷害、シグナル分子とシグナル伝達、傷害応答性遺伝子

8. The End: Senescence and Cell Death
PROGRAMMED CELL DEATH
DEATH AS A DEVELOPMENTAL PROGRAM
DEATH AS DEFENSE: THE HYPERSENSITIVE RESPONSE
DEATH AS A RECYCLING PROCESS: LEAF SENESCENCE

9. 二酸化炭素の固定と地球環境・窒素の吸収・同化と栄養環境に対する適応
炭酸固定と地球環境問題、二酸化炭素濃度に対する植物の応答、C4光合成、CAM植物、藻類の二酸化炭素濃縮機構、光合成微生物を用いた水素生産、糖の転流と植物の発生、成長
窒素の吸収・同化・転流、窒素欠乏に対する応答と遺伝子発現、窒素酸化物と環境浄化

10. Intimate Alliances: Plants and Their Microbial Symbionts
窒素固定、シアノバクテリア(藍藻)、根粒菌、根粒菌とマメ科植物の相互認識、根粒菌の応答とNod因子、マメ科植物の応答

11. 植物-微生物相互作用と共生
PLANTS AND MYCORRHIZAL FUNGI
共生微生物の認識とシグナル伝達、植物が敵と味方を見分けるしくみ、アーバスキュラー菌
根菌、共生系と農業、生態系と地球環境

12. 硫黄、リン、カリウム、鉄の吸収・同化
硫酸イオンの吸収と同化、硫黄欠乏に対する応答と遺伝子発現、二酸化硫黄と環境浄化、環境要因としてのリンとその動態、リン酸の吸収と輸送、無機リン酸と代謝、イオン輸送の分子機構、カリウムイオンの機能、カリウム欠乏に対する応答、鉄の吸収

13. 環境ストレスに対する生体防御の分子機構
乾燥・塩・浸透圧ストレス
水の輸送と水チャネル(アクアポリン)、ナトリウムイオンによる傷害、乾燥ストレス応答、乾燥ストレス応答性遺伝子とシグナル伝達、気孔開閉制御の分子機構、アブシジン酸シグナル伝達機構、浸透圧・塩ストレスに対する応答、イオン輸送、適合溶質、浸透圧調節の分子機構、耐性植物の開発
温度・重金属ストレス   
低温ストレス:低温傷害と適応、凍結傷害と耐凍性、低温適応と生体膜脂質、耐性植物の開発
熱ストレス:高温障害と適応、熱ショック応答、耐性植物の開発
重金属ストレス:重金属イオンの吸収、植物を用いた環境浄化 (phytoremediation)
強光・大気汚染と活性酸素ストレス
葉緑体内の光酸素ストレス、活性酸素消去系、大気汚染ガスとオゾン、酸化ストレスとレドックスシグナル、砂漠の緑化、植物を用いた大気汚染の浄化

14. 農業と食料・環境・エネルギー、植物バイオテクノロジーの課題と展望
作物と品種改良、ストレス耐性植物、耐病性,耐虫性植物、植物の生育特性,成分の改良、有用物質の生産、植物を利用した環境浄化、バイオテクノロジーと社会
生体防御研究の最先端トピックス
環境・食糧問題への応用を視野に入れながら、生体防御研究の最先端トピックスについて解説し、討論する。生命科学と社会との関係の諸側面についても学び、討論することを通して、将来を展望する。

15. 到達度評価
教職課程
Teacher-training course
実務経験
Practical experience
朽津和幸教授は、農林水産省の研究機関に主任研究官として勤務した実績を活かして、生物科学の農業・食料・環境問題への応用に関して指導する。また、文部科学省に学術調査官として勤務した実績を活かして、農理工学など、学術分野間の相互関連性や学際連携に関して指導する。
Based on the experience as a senior scientist at the Ministry of Agriculture, Forestry and Fisheries, Prof. Kazuyuki Kuchitsu also teaches on the application of biological sciences to agriculture, food and environment.
Based on the experience as a program officer at the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology, Prof. Kazuyuki Kuchitsu also teaches on interdisciplinary research.
教育用ソフトウェア
Educational software
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備考
Remarks
日本語の表現力を磨くことは、将来必ず役に立つので、試験の答案やレポートを書く際に、わかりやすい日本語を書くように心がけ、努力すること。明らかな誤字やspellingの誤りは減点の対象とする。
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