生命科学入門のシラバス情報
科目名称 Course title(Japanese) |
生命科学入門 | 科目番号 Course number |
L2NATURb01 | |
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科目名称(英語) Course title(English) |
Introduction to Life Science | |||
授業名称 Class name |
生命科学入門 |
教員名 | 政池 知子,田口 速男,朽津 和幸,倉持 幸司,鎌倉 高志,前澤 創,和田 直之,古市 貞一,中島 将博,古屋 俊樹,定家 真人,中村 由和,田中 信清,西浜 竜一,萩原 明 |
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Instructor |
開講年度学期 | 2022年度 前期 |
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Year/Semester | 2022 Summer |
曜日時限 | 水曜5限 |
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Class hours |
開講学科 Department |
理工学部全学科 |
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外国語のみの科目 (使用言語) Course in only foreign languages (languages) |
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単位 Course credit |
2.0 | 授業の主な実施形態 Main class format |
対面を主とし、やむをえない場合には以下を活用する。 ハイフレックス型授業/Hybrid-Flexible format ブレンド型授業/Blended format オンライン授業(同期)/Online (synchronized remote) オンライン授業(非同期)/Online (asynchronized remote) |
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概要 Descriptions |
生物学とは何か、現代生物学の基礎、分子生物学の可能にしたもの、生物学の対象としての人間、物理学や工学との接点、生物学を通した社会への貢献、について学ぶ。 将来、理工学研究科医理工学際連携コース・農理工学際連携コースに所属する応用生物科学科の教員が、各自の専門に近い分野の入門的な講義を行うので、将来的に医理工学際連携コース・農理工学際連携コースへの参加に興味のある人(特に応用生物科学科以外の学生)は、本講義の履修を強く推奨する。 |
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目的 Objectives |
生物学の進展は著しく,その成果は今後の人類の生存と社会の発展,地球環境保全等に欠かすことのできない基礎知識となりつつある。ますます大きくなる生物学に対する社会の関心と期待をつねに念頭におき,生命現象の多様性とその根底にある共通原理の理解をめざす。 |
到達目標 Outcomes |
1.生命現象の基本原理が説明できるようになる。 2.遺伝現象が説明できるようになる。 3.脳神経科学の基本概念が説明できるようになる。 4.免疫学の基本概念が説明できるようになる。 5.現代生物学を通した創造的思考力、自然・人間・社会を幅広く俯瞰できる能力を身に付ける。 |
履修上の注意 Course notes prerequisites |
講義中の私語は厳禁です。質問は講義中、講義後、いつでも受け付けます。 |
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning) |
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課題に対する作文 Essay |
◯ | 小テストの実施 Quiz type test |
◯ |
ディベート・ディスカッション Debate/Discussion |
- | グループワーク Group work |
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プレゼンテーション Presentation |
- | 反転授業 Flipped classroom |
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その他(自由記述) Other(Describe) |
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準備学習・復習 Preparation and review |
授業計画を参照して、教科書、参考書 などを使って、講義内容を予習しておくことが望ましい。また、各回の講義内容を十分復習し、不明な点は自分なりに調べて理解するよう努めること。 |
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成績評価方法 Performance grading policy |
各講義毎に実施する到達度評価の総合点で評価する。 |
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement |
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている ・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation |
教科書 Textbooks/Readings |
・教科書を使用する場合は、MyKiTS(教科書販売サイト)から検索・購入可能ですので以下のURLにアクセスしてください。 https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ ・Search and purchase the necessary textbooks from MyKiTS (textbook sales site) with the link below. https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ |
参考書・その他資料 Reference and other materials |
「理工系の基礎 生命科学入門」 丸善 「偶然と必然」J.モノー みすず書房 「生命とは何か」シュレーディンガー 岩波文庫 「生命を捉えなおす」清水博 中公新書 「もっとよくわかる!免疫学」河本 宏 羊土社 「生物」大島泰郎 実教出版 |
授業計画 Class plan |
1. 生物学を学ぶということ(政池) 生物学とはどういう学問なのか、化学、物理、工学などの他分野とどのように関係するのかを理解する。具体例としては、人間の作った機械と生体内の装置の共通点・相違点について取り上げる。その後この授業で扱う内容の概要を紹介するので、自身の所属する学科の分野がそれらの生物学の内容とどのように関係するのかを考える。 2. DNAとはどのような分子か(田中) 遺伝子とDNA、DNAの複製、細胞増殖について学ぶ。 3. 生命の設計図と核酸のはたらき(古市) 生命の設計図とその発現では核酸(DNAとRNA)が重要なはたらきをする‐転写と翻訳による遺伝子の発現制御(セントラルドグマ),それとは逆にRNAからDNAへの逆転写,翻訳関連RNA(rRNAやtRNA)以外のノンコーディングRNA(miRNA, snRNA, snoRNA, lncRNA)のはたらき,RNA編集による転写情報の書換え, RNA医療(アプタマー,RNAワクチン),遺伝情報発現のエピジェネティクスの制御などを概説する。また,核酸は生命情報物質としてだけではなく,ATPは生命のエネルギー,神経伝達物質およびタンパク質リン酸化の補基質としてはたらき,GTPは細胞内シグナル伝達経路の活性化因子,cAMPやcGMPは細胞内二次メッセンジャーやイオンチャネルリガンドなどとして,多様なはたらきをもつ事にも触れる。 4. 生物の代謝 (中島) 解糖系、クエン酸回路、電子伝達系などの基本的な代謝に関連する生体反応を概説する。 5. 酵素とタンパク質の科学(田口) 酵素学とタンパク質科学の基礎を学ぶ。さらに、構造生物学に基づいた現代的な酵素学についても概要を学び、酵素やタンパク質に対する理解と認識を深める。 6. 糖質・タンパク質・核酸・脂質の働き(倉持) 生体を構成する物質(糖質・タンパク質・核酸・脂質)は細胞内において重要な機能を担っているが、その構造と機能について理解する。 7. 基礎微生物学(鎌倉) 病気、食料、環境、物質生産など、微生物は我々の生活に幅広く、かつ密接に関わっている。目に見えない存在であるだけに、普段実感することの少ない微生物の役割について知り、その重要性を理解する。 8. 微生物・酵素バイオテクノロジー (古屋) 微生物、酵素の基礎から、有用物質生産や環境浄化に役立てる応用までを学ぶ。 9. 植物と環境・食糧・エネルギー問題(朽津) 環境・食糧・エネルギーなどの人類が直面する問題の解決には、植物の活用が鍵を握ると考えられる。動物や微生物など他種の生物との相違点や共通点に注目しながら、生物進化の過程で地球上に繁栄して来た植物の生き方を分子、細胞レベルで理解し、植物とはどんな生物かを考察する。各自が興味のある分野・専門分野と植物との関係について考えるきっかけとしたい。 10. 生殖細胞のエピジェネティクス(前澤) 生殖細胞は、受精によって新しい世代に遺伝情報を伝え、生命の連続性を担う細胞である。生殖細胞は、細胞分裂を繰り返して細胞数を増やすが、ある時期が来ると減数分裂を起こし、やがて精子か卵子に分化する。生殖細胞の分化は遺伝子発現の変化によってもたらされる。遺伝子の発現が変わる時、細胞核内では何が起きているのだろうか。塩基配列の変化を伴わない遺伝子発現調節「エピジェネティクス」について学ぶ。 11. 幹細胞と再生医療 (和田) 再生医療などで注目されている幹細胞について,ES細胞やiPS細胞など分化万能性(多能性)を示す幹細胞や,分化特異性を持つ組織幹細胞について,それらの特徴・性質について概説し,また再生医療における利用の現状について解説する。 12. がんの生物学(定家) がんとは何だろうか?がんの正体、性質や特徴を知り、私たちの体の中での傍若無人な振る舞いを理解する。 13. 皮膚バリアの仕組みとその破綻がもたらす疾患(中村) 皮膚が外界と体内を隔てるバリアとして働く仕組みと皮膚バリアの異常が引き起こす疾患について理解する。 14. 植物のボディプランと環境応答 (西浜) 植物の環境依存的な成長発生調節機構を理解する。植物にとって主要な環境因子である光の認識や信号伝達、植物個体の発生統御、分裂組織の形成と維持、細胞分裂などの分子機構を解明する分子遺伝学的な研究に触れる。 15. 脳神経科学の基礎と研究の最前線(萩原) 脳と神経のかたちとしくみ、およびその疾患の基礎について講義する。脳神経科学分野における理工学的な科学技術の応用や、逆に脳神経のしくみを幅広い分野における先端技術開発に生かす考えについて学ぶ。 |
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教職課程 Teacher-training course |
教免区分「生物」 本科目は、教育職員免許状取得(教科:理科)に必要な教科に関する科目の「生物学」区分に該当します。ただし、応用生物科学科では教科に関する科目区分には該当しないことや、他の学科でも入学年度によって該当するかどうかが異なる場合もあるため、各自、入学年度または適用となる年度の学修簿により確認をしてください。 |
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実務経験 Practical experience |
鎌倉:国内研究機関(理化学研究所)の研究員(生物系)の勤務経験を活かし微生物の生命科学における位置付けについて講義する 朽津:農林水産省の研究機関に主任研究官として勤務した実績を活かして、生物科学の農業・食料・環境問題への応用について講義する。また文部科学省に学術調査官として勤務した実績を活かして、農理工学など、学術分野間の相互関連性や学際連携に関して講義する。 古市:国内研究機関(理化学研究所など)の勤務経験を活かし,脳神経科学分野および生命科学にとどまらずに理工学の異分野と神経科学との融合領域についても講義する。 |
教育用ソフトウェア Educational software |
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備考 Remarks |
・将来、農理工学際連携コースや医理工学際連携コースへの参加を目指す他分野の学生は、できる限り、コースに参加するまでにこの授業を履修することが望ましい。 ・土木工学科の学生については、自然・社会と調和する形で土木技術を適用できるように、自然・人文・社会科学などの理解を通じて多面的な素養を身につけることが期待される。 |
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9960G06 |