医療薬学実習のシラバス情報
科目名称 Course title(Japanese) |
医療薬学実習 | 科目番号 Course number |
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科目名称(英語) Course title(English) |
Practice for pharmaceutical health care and sciences | |||
授業名称 Class name |
医療薬学実習 |
教員名 | 真野 泰成,髙澤 涼子,伊集院 一成,嶋田 修治,鹿村 恵明,根岸 健一,花輪 剛久,佐藤 嗣道,吉澤 一巳,河野 洋平,鈴木 立紀,野口 耕司,山本 雄一朗,前田 絢子,小澤 知尋,笠井 智香 |
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Instructor |
開講年度学期 | 2022年度 後期 |
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Year/Semester |
曜日時限 | 月曜3限 月曜4限 月曜5限 火曜3限 火曜4限 火曜5限 水曜3限 水曜4限 水曜5限 木曜3限 木曜4限 木曜5限 金曜3限 金曜4限 金曜5限 |
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Class hours |
開講学科 Department |
薬学科 |
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外国語のみの科目 (使用言語) Course in only foreign languages (languages) |
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単位 Course credit |
5.0 | 授業の主な実施形態 Main class format |
対面 オンライン(同期・非同期) |
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概要 Descriptions |
卒業後に薬剤師として医療に参画できるようになるためには、薬剤師業務に関する基本的な知識、技能および態度を身につけることが必要である。 本実習は、5年次に行われる実務実習(病院11週間、薬局11週間)の事前学習として、4年次後期に開講される。事前学習としては、「医療薬学実習」と「調 剤学」等が含まれる。 実習は大学内の専用施設を使用して、調剤、製剤および薬剤管理指導などの薬剤師業務全般における基本的な事項を習得することを目的とする。 4年次後期に実施される共用試験の一つであるOSCEの試験項目は、本実習の内容が含まれているため、本実習の最後にはOSCEに準じた形式で実習目的の達成度を評価するための試験を行う。 |
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目的 Objectives |
実習は大学内の専用施設を使用して、調剤、製剤および薬剤管理指導などの薬剤師業務全般における基本的な事項を習得することを目的とする。 |
到達目標 Outcomes |
卒業後に薬剤師として医療に参画できるようになるためには、薬剤師業務に関する基本的な知識、技能および態度を身につけることを目標とする。 |
履修上の注意 Course notes prerequisites |
長丁場の実習になるが、実習内容の予習と復習は必ず行い、気持ちを切らさないで実習に臨むことが大切である。 実習は、主に16号館の2階と3階を使用して、9月末〜11月下旬の毎週月から金曜日の3~5時限に行われる。実習施設の関係から、学生のすべてが同時に行う項目と、グループごとに日時を変えて行う項目がある。 |
アクティブ・ラーニング科目 Teaching type(Active Learning) |
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課題に対する作文 Essay |
- | 小テストの実施 Quiz type test |
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ディベート・ディスカッション Debate/Discussion |
- | グループワーク Group work |
〇 |
プレゼンテーション Presentation |
- | 反転授業 Flipped classroom |
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その他(自由記述) Other(Describe) |
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準備学習・復習 Preparation and review |
取得すべき項目が多いので、必ず事前に教科書や実習書で予習するとともに、指定された事前レポートを作成・提出してから実習に臨むこと。また実習終了後には、復習をしっかり行うこと。 積極的に予習と復習を行うか、行わないかによって、実習終了後の達成度にかなりの差ができる。せっかく貴重な時間をかけるのだから、無駄に過ごさないようにすること。 |
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成績評価方法 Performance grading policy |
態度、レポート、実技、SGD等にて成績評価を行う。実習の最後には「事前学習のまとめ」として各実習項目に相当する実技試験を実施する。これらの評価に加えて実習中の態度(服装、取り組みなど)も考慮に入れた総合的な成績評価を行う。 |
学修成果の評価 Evaluation of academic achievement |
・S:到達目標を十分に達成し、極めて優秀な成果を収めている ・A:到達目標を十分に達成している ・B:到達目標を達成している ・C:到達目標を最低限達成している ・D:到達目標を達成していない ・-:学修成果の評価を判断する要件を欠格している ・S:Achieved outcomes, excellent result ・A:Achieved outcomes, good result ・B:Achieved outcomes ・C:Minimally achieved outcomes ・D:Did not achieve outcomes ・-:Failed to meet even the minimal requirements for evaluation |
教科書 Textbooks/Readings |
・教科書を使用する場合は、MyKiTS(教科書販売サイト)から検索・購入可能ですので以下のURLにアクセスしてください。 https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ ・Search and purchase the necessary textbooks from MyKiTS (textbook sales site) with the link below. https://gomykits.kinokuniya.co.jp/tokyorika/ |
参考書・その他資料 Reference and other materials |
「調剤学総論 改訂13版」 (南山堂) 「新人薬剤師・薬学生のための医療安全学入門」 (薬ゼミファーマブック) 「薬剤師がはじめるフィジカルアセスメント」 (南江堂) 「その他資料」実習書(初回実習日までに案内をする) |
授業計画 Class plan |
(1)事前学習を始めるにあたって (3コマ:プレナリーセッション室、SGD室、臨床講義室) ・自分の能力や責任範囲の限界と他の医療従事者との連携について討議する。(SGD) ・薬剤師が行う業務が患者本位のファーマシューティカルケアの概念にそったものであること について討議する。(SGD) 1)薬剤師業務、チーム医療、患者本位の医療、コミュニケーション等に関するテーマにつ いて討議する。テーマ例:ファーマシューティカルケアにそった薬剤師とは? (関連する講義科目)薬剤師と社会、医療の倫理、薬剤師と法律、調剤学2 (2)処方せんと調剤 (18コマ:調剤実習室、プレナリーセッション室、SGD室) ・代表的な処方せん例の鑑査をシミュレートできる。(実習) 1)処方せん鑑査の実際 ・処方せん例に従って、計数調剤をシミュレートできる。(実習) 1)計数調剤の実際(錠剤、カプセル剤、シール散剤、軟膏剤、点眼剤など) ・処方せん例に従って、計量調剤をシミュレートできる。 (実習) 1)計量調剤の実際(散剤、液剤など) ・調剤された医薬品の鑑査をシミュレートできる。(実習) (3)調剤薬鑑査(3コマ:プレナリーセッション室、SGD室) (関連する講義科目)薬剤師と法律、調剤学1、調剤学2、処方解析概論、患者情報、医療の倫理、薬物治療の個別化 (薬コアカリSBOs)D1事前学習(2)1~17 (4)疑義照会 (6コマ:プレナリーセッション室、SGD室) ・処方せんに記載された医薬品名、規格、用法・用量、重複、相互作用などをチェックして 疑義照会をする。(実習) 1)形式的疑義の実際 2)薬学的疑義の実際 ・処方せんの問題点を解決するための薬剤師と医師の連携の重要性を討議する。(SGD) 1)グループごとに提示された処方せんにおける疑義の発見と医師への疑義照会を討議し、 討議内容の発表と全体ディスカッションを行う。さまざまな資料を活用し、なぜ問題な のか?最善な代替案は何か?を十分考える。 ・代表的な医薬品について効能・効果、用法・用量を列挙できる。(演習) ・代表的な医薬品について警告、禁忌、副作用を列挙できる。(演習) ・代表的な医薬品について相互作用を列挙できる。(演習) ・疑義照会をシミュレートする。(実習) 1)処方せん鑑査の実際と疑義照会の実際 (関連する講義科目)薬剤師と法律、薬剤師と社会 (薬コアカリSBOs)D1事前学習(3)1~10 (5)無菌操作の実践 (24コマ:製剤実習室、無菌調剤実習室、調剤実習室) ・麻薬の取扱いをシミュレートできる。(実習) ・代表的な配合変化を検出できる。(実習) ・体内電解質の過不足を判断して補正できる。(実習) 1)注射薬調剤の実際(処方せん調剤) 2)配合変化の実際 3)処方鑑査の実際 4)調剤鑑査の実際 ・無菌操作の原理を説明し、基本的な無菌操作を実施できる。(実習) ・代表的な輸液と経管栄養剤の種類と適応を説明できる。(実習) 1)手洗い・無塵衣、マスク、キャップの装着 2)無菌手袋の装着 3)クリーンベンチの使い方と管理 4)シリンジの使い方 5)アンプルカットと薬液採取 6)溶解とバイアルからの薬液採取 7)配合変化の実際 8)TPN用輸液の調製 ・抗悪性腫瘍剤などの取扱いにおけるケミカルハザード回避の基本的手技を実施できる。(実習) 1)ガウンおよびゴーグルなどの装着 2)安全キャビネットの使い方と管理 3)抗悪性腫瘍剤注射薬の調製 バイアル製剤、アンプル製剤、インフューザーポンプ、ファシールシステム 4)被ばくおよび環境汚染の処置 ・中心静脈栄養プランニング 1)輸液電解質組成バランスを理解できる。(演習) 2)患者の適正なカロリーを算出し栄養評価ができる。(演習) 3)患者の水分バランスを評価できる。 模擬患者(学生)⇒栄養評価(SGD)⇒適正静脈栄養の提案(SGD)⇒静脈栄養処方 設計(SGD)⇒ベッドサイドにセッティング⇒発表⇒全体ディスカッション (関連する講義科目)調剤学2 (薬コアカリSBOs)D2病院実習(4)1~24 (6)コミュニケーション・フィジカルアセスメント (20コマ:プレナリーセッション室、SGD室、演習室1) ・処方せんから得るべき患者情報と伝えるべき情報を把握する。(演習) ・代表的な医薬品の服薬指導上の注意点を列挙できる。(演習) ・代表的な疾患において注意すべき生活指導項目を列挙できる。(演習) ・服薬指導に必要な患者情報を列挙できる。(演習) 1)課題処方せんを各自で調査し、方針をグループ内で発表し、討議を行う。 2)推奨予定の一般用医薬品を各自で調査し、方針をグループ内で発表し、討議を行う。 ・医薬品情報提供用紙を作成できる。(演習) 1)課題処方せんの処方薬に関して各自医薬品情報提供用紙を作成する。 2)推奨予定の一般用医薬品に関して説明文書を作成する ・患者接遇に際し、配慮しなければならない注意点を列挙できる。(演習) ・来局者の症状を把握できる。(演習) ・患者背景、情報(アドヒアランス、経過、診療録、薬歴など)を把握できる。(演習) ・患者の不安やニーズを把握できる。(演習) ・後発医薬品の要望を把握できる。(演習) ・他の学生の対応を見て良い点、改善点を伝えることができる。(演習) 1)課題処方せんを持参した模擬患者(SP)に対して初回対応を行う。 2)SPによる課題の設定・狙いの説明⇒学生が省察・振り返り ⇒グループ内の学生がフィードバック⇒SPによるフィードバック ⇒教員フィードバック ・適切な言葉を選び、適切な手順を経て服薬指導する。(演習) ・患者が求める情報を的確に把握し、適切に説明する。(演習) ・服薬指導をした患者の薬歴をSOAP形式で記載できる。 1)初回対応を終えた模擬患者(SP)に対して服薬指導を行う。 2)SPによる課題の設定・狙いの説明⇒学生が省察・振り返り ⇒グループ内の学生がフィードバック⇒SPによるフィードバック ⇒教員フィードバック ・患者の話を傾聴し、共感的に受けとめる。(演習) ・患者の不安の所在を明らかにし、それに即した説明をする。(演習) ・患者の解釈モデルを聴く重要性に気付く。(演習) 1)傾聴と共感のグループワークを行う。 2)課題シートを読み、事前に分らない用語について調べてくる。 3)グループ代表2~3名がSPセッションを行う。 4)振り返りを行う。 (関連する講義科目)コミュニケーション論、患者情報、調剤学1 (薬コアカリSBOs)D1事前学習(6)1~14 ・自分の能力や責任範囲の限界と他の医療従事者との連携について討議する。 1)病棟初回面談、面談患者の症状・訴えから副作用・相互作用を確認できる。(SGD) 2)ベッドサイドで、処方薬の情報提供ができる。(SGD・ロールプレイ) 3)副作用聴取のための患者面談ができる。(SGD・ロールプレイ) 4)副作用特定のために医師・看護師と討議できる。(SGD・発表) (関連する講義科目)調剤学2 (薬コアカリSBOs)D1事前学習(1)6、D1事前学習(5)1~7、C18(1)1-2、D2病院実習(4)5,22 ・フィジカルアセスメント 1)臨床薬剤師として日常業務を遂行する上で必要な基本的なバイタルサインを自分で正確に取得できる。(実習) ・医療現場で日常的に使用されている医療機器について、基本的な使用方法を説明できる。(実習) 1) フィジコを使った聴診、ペンライトを使った反射の観察 2) 心電図測定、検脈 3) 血圧測定 4) 血糖値測定、体温測定、パルスオキシメーターでの測定 (関連する講義科目)機能形態学1、機能形態学2 (7)事前学習のまとめ (15コマ:調剤実習室、製剤実習室、無菌調剤実習室、病棟実習室、臨床講義室、 プレナリーセッション室、SGD室) ・代表的な処方せん例の鑑査をシミュレートできる。(実習) ・疑義照会をシミュレートする。(実習) ・処方せん例に従って、計数調剤をシミュレートできる。(実習) ・処方せん例に従って、計量調剤をシミュレートできる。(実習) ・調剤された医薬品の鑑査をシミュレートできる。(実習) ・患者情報を適切に収集できる。(演習) ・患者背景に配慮した服薬指導ができる。(演習) ・処方せん例に従って注射薬調剤ができ、かつ基本的な無菌操作を実施できる。(実習) 1)患者・来局者応対 2)計量調剤(散剤、水剤、軟膏剤) 3) 計数調剤 4)調剤鑑査 5)手洗いと手袋の着脱 6)注射剤混合 7)情報の提供 (関連する講義科目)調剤学1、調剤学2、コミュニケーション論、患者情報、医療の倫理 (薬コアカリSBOs)D1事前学習(7) |
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教職課程 Teacher-training course |
なし |
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実務経験 Practical experience |
薬局薬剤師および病院薬剤師の経験がある教員が指導する。 |
教育用ソフトウェア Educational software |
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備考 Remarks |
日本薬学会「薬学教育モデル・コアカリキュラム」対応項目(SBOs)を、授業計画欄に示す。 |
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9931S11 |