横田 智巳 ヨコタ トモミ YOKOTA Tomomi 教授

理学部第一部 数学科

横田研究室

研究室紹介

  • 専攻分野: 解析学
  • 研究分野: 偏微分方程式論

非線形の偏微分方程式系の解の存在と一意性、解の漸近挙動についての研究を行っています。主な研究対象として、数理生物学に現れる走化性方程式系があげられます。多くの昆虫や動物は鋭い嗅覚をもっており、それに関わる化学誘引物質はフェロモンと呼ばれ、個体群に方向性のある運動をもたらします。個体群にもたらすそのような性質を「走化性」といいます。例えば,バクテリアに感染すると,細胞は走化性に従ってバクテリアのいる方向に移動して攻撃を始めます。血中の白血球は濃度勾配を登り、バクテリアによる炎症が生じているところへ向かいます。走化性に関する数理モデルとして、単細胞のアメーバであるキイロタマホコリカビが自身の産出する化学誘引物質の濃度の高い方に移動する走化性現象を表すKeller-Segel系が有名です。本研究室では、部分積分や最大正則性等の実解析的手法に加え、線形及び非線形の作用素論等の理論を駆使して、非線形拡散・感受性・反発性・抑制等の様々な効果を考慮に入れた走化性方程式系や癌浸潤走化性方程式系に対して、解の有界性や有限時刻爆発に関する研究成果をあげています。

研究テーマ

  1. 現象を記述する数理モデルの数学解析

    1. 走化性方程式(Keller-Segel系)の解の存在と挙動
    2. 癌浸潤モデルの解の存在と挙動
    3. 熱方程式とNavier-Stokes方程式の連立系の可解性

  2. 2階の楕円型作用素によって生成される半群の研究

    1. Schrödinger作用素等のm増大性 
    2. 一般化されたOrnstein–Uhlenbeck作用素によって生成される半群の解析性

  3. 非線形Schrödinger型方程式の研究

    1. 非線形Schrödinger型方程式の可解性を作用素論的に研究 
    2. 複素Ginzburg-Landau型方程式の粘性消滅極限として非線形Schrödinger型方程式を研究

  4. 複素Ginzburg-Landau型方程式の研究

    1. 複素Ginzburg-Landau方程式およびその関連方程式の可解性(解の存在と一意性、平滑化作用等)を作用素論的観点から研究 
    2. 複素Ginzburg-Landau型方程式の解の挙動(大域的アトラクターの存在等)を力学系的観点から研究

  5. 偏微分方程式の基礎(卒業研究、大学院修士課程・博士後期課程)

    卒業研究:
     [2005年度] Schwartz超関数の理論とその応用 
     [2006年度] 偏微分方程式(主にLaplaceの方程式)の基本的な研究 
     [2007年度] 偏微分方程式(主に線形の熱方程式)の基本的な研究 
     [2008年度] 常微分方程式の解の挙動 
     [2009年度] 無限次元力学系理論と微分方程式への応用 
     [2010年度] 偏微分方程式の関数解析的研究 
     [2011年度] 微分方程式の解の挙動及び関数解析の基礎 
     [2012-2021年度] 主に熱方程式の研究 

    大学院修士課程:
     [修士1年] 関数解析及びSobolev空間の基礎、半群理論等 
     [修士2年] 偏微分方程式における文献を読み先行研究の改良を目指す。

    大学院博士後期課程:
     [1] 放物型方程式の作用素論的研究
     [2] 走化性方程式とその関連の数学的研究

トピックス

第4土曜日の午後(8月、9月、12月、3月は除く)に「神楽坂解析セミナー」を開催しています。詳細については、個人ホームページのリンク集から神楽坂解析セミナーのページにアクセスできます。

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