半谷 精一郎

工学部 電気工学科 特任教授

研究分野

ヒューマンインターフェース工学

研究キーワード

話者認識・音声認識・画質客観評価・バイオメトリクス・睡眠客観評価

研究経歴

ヒトの行動およびヒトがが受容する情報に関わる次のような研究を行ってきた。

・聴覚系を模擬する多段蝸牛ディジタルフィルタの製作
・多層マルコフモデルによる音声認識系の構築
・画質の主観評価値と高い相関をもつ客観評価尺度
・日本人の署名に適した本人認証システム
・連続的な睡眠ステージ判定を可能にする神経回路モデル

睡眠ステージの無段階測定と作業効率推定に関する研究

宇宙空間における作業を行う際、それまでの睡眠履歴は重大事故を防ぐためにも重要な判断材料となる。そこで、これまで5段階程度だった睡眠ステージを無段階化するとともに、その累積値と作業効率の関係を定量的に明らかにする。

インタビュー

■なぜ宇宙の研究をすることになったか?

きっかけは、向井先生が理科大の副学長に就任されたことです。
お会いしてお話しをしたときに、自分の研究が宇宙で役に立つだろうか。と考えました。そんな時に睡眠研究所の先生とお話をする機会があり、また向井先生からも宇宙飛行士にとって睡眠はとても重要だと伺っていたので、睡眠の状態を精度良く計れたら、宇宙でも地上でも人間にとってとても素晴しいことじゃないかと考えました。

■研究開発した、あるいは、している技術をつかって宇宙で実現したいことは?

人間のライフサイクルは24時間/日。そんな人間が惑星に行ったときに、時差(リズム)をどうやって調整したら最も効率よく働くことが出来るか。
宇宙では24時間の感覚も狂ってしまうため、指定の時間で無理やり睡眠を取らないといけない。
最も疲れが残らない、且つ作業効率が良い睡眠環境の作り方を探したい。

■地上で実現したいことは?

昼夜交代勤務で働く人、時差で困っている人等の睡眠環境を変えて、肉体的にも精神的にも楽に生活できるようにしたい。
今の睡眠レベルがどの程度であるか、脳波が簡単に計測できるようなデバイスの開発。
例えば、運転中に脳波がある睡眠レベルに達すると、音楽が流れたり、顔に風を当てたりして覚醒させる事ができる。
睡眠のステージは現在5段階程度。しかも医師がデータを目視で判断しているのが現状です。
まずは、自動化を目指してAIに学習させていますが、将来的には無段階測定を目指し、より細かい判定を目標にしています。

■研究していて印象に残ったこと・楽しいと感じたことは?

一つ壁を越えたとき。
研究はある一つの達成感の積み上げだと思うんです。これが楽しいし、喜び。また最近では学生が悩みながら困難を乗り越えたとき。成長を見守り、一緒に色んなことに取り組み、尚且つ学生が山を越したときに一緒に喜びを分かち合う事ができる。想定外の結果が出ても、それを「なんでかな?」って考え、研究を発展させたときに、物の本質に段々迫っていくことになるので、それが楽しいです。

 

論文リスト

著書
1.長谷川、吉田、半谷:改訂コンピュータ概論(コロナ社)、 2019

学術論文
1. R. Kano, K. Uruma, S. Hangai: A Study on Prediction of the Maximum Luminance Value of SDR Images for HDR Displays by Using CNN, Proc. of IDW18, 2018(査読有)

2. Sugawara, Uruma, Hangai: Colorization Algorithm based on Image Segmentation and Graph Signal Processing, Proc. of APSIPA2018, 2018(査読有)

3. Gassan Al-Falouji,H. Koajiro, S. Hangai, etc,‘SMART iBrush Teeth Brushing Monitor Using Embedded Motion Sensors and Artificial Intelligence’CESUN, 2018(査読有)

4. Kazunori Uruma, Shunsuke Takasu, Keiko Masuda, Seiichiro Hangai: Region-wise Super-Resolution Algorithm Based on the Viewpoint Distribution, PCS2018, 2018(査読有)

5. 菅原、雨車、浜本、半谷:領域分割とグラフ信号処理を用いた色情報拡散型カラリゼーションの性能改善, 電子情報通信学会画像工学研究会技術報告, 2018(査読無)

6. 笠井啓矢、雨車和憲、吉田孝博、半谷精一郎、“携帯端末上でタッチされた任意の文字による個人認証について”、電子情報通信学会ソサイエティ大会、2018(査読無)

7. 稲原純、加納瑠美奈、 雨車和憲、半谷精一郎、 “CNNを用いたSDR画像の輝度範囲推定について、PCSJ2018、2018(査読無)

8. 菅原、雨車、浜本、半谷:グラフ信号処理を用いたユーザ指定型カラリゼーション、 PCSJ2018、 2018(査読無)

9. 桑野裕也、吉田孝博、半谷精一郎、西野精治、“畳み込みニューラルネットワークを用いた自動睡眠ステージ判定の研究”、電子情報通信学会総合大会、2019(査読無)