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月間クリーンエネルギーに勝又健一准教授の記事が掲載「光エネルギーで有機廃液を浄化、同時に水素を取り出す技術開発」

2020.10.09

■掲載誌 :クリーンエネルギー2020年9月号 日本工業出版
■タイトル:「光エネルギーで有機廃液を浄化、同時に水素を取り出す技術の開発」
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■広報発表:2020年2月27日

光エネルギーで有機廃液を浄化、同時に水素を取り出す技術開発に成功
~持続可能社会に道:どこにでもある物質「鉄サビ」を光触媒として利用~

研究の要旨とポイント

  • 地球上に豊富に存在する鉄サビの一種「オキシ水酸化鉄(FeOOH)」の光触媒反応を利用して、工場などから出る有機廃液を光エネルギーで浄化すると同時に、廃液から水素を取り出す一挙両得の技術開発に成功しました。
  • 現在、光触媒反応を利用した汚れの浄化には酸化チタン(TiO2)がよく使われており、例えば、ガラス表面のコーティング材などとして利用されています。今回、開発に成功したオキシ水酸化鉄の光触媒反応による有機化合物の分解能に伴う水素生成量は、この酸化チタンの25倍もあることが実験で確かめられました。
  • 将来、どこにでもあり、ありきたりな資源である太陽光と鉄サビを利用して、汚染水の浄化による安全・安心な水の確保と同時に、持続可能なエネルギー源である水素を大量に生産できる可能性があります。

東京理科大学基礎工学部材料工学科の勝又健一准教授らの研究グループは、「オキシ水酸化鉄(FeOOH)」に適切な条件下での光を照射すると、工場や農場から排出される有機廃液を光触媒反応で浄化できることを明らかにしました。オキシ水酸化鉄は、太古の昔からごく身近に存在しているありきたりな物質である鉄サビです。また、水質浄化と同時に、エネルギー源として利用できる水素を取り出せることも分かりました。この研究成果は、Chemistry – A European journal誌に掲載されました。

光触媒とは、吸収した光をエネルギー源として、通常では進行しない化学反応を促進させる物質のことです。つまり、光触媒反応を上手に利用できれば、光エネルギーを化学エネルギーに変換して貯蔵できることになります。将来的には、太陽光エネルギーを使って水を分解し水素を発生させ、エネルギー源として利用できる可能性があります。

また、空気中や水中で光触媒材料に光が当たると電子が励起され(エネルギーの高い状態になり)、水や酸素と反応して活性酸素が発生します。活性酸素には極めて強い酸化力があるので、アルコールをはじめとするほとんどすべての有機化合物は酸化分解してしまいます。つまり光触媒には、抗菌、汚れ分解、脱臭などの機能があるのです。現在、光触媒として実用化されている酸化チタンは、この性質を利用して、ガラスやタイルなどのコーティング、空気清浄器のフィルターなどに使われています。今回の実験で、水銀キセノンランプ(紫外光)照射下においてオキシ水酸化鉄の光触媒反応による水素生成・有機化合物分解能は、酸化チタンの25倍もあることが分かりました。今後、オキシ水酸化鉄が可視光に応答するように材料創製することで、酸化チタンに代わる光触媒材料として世の中の注目を集める可能性を秘めています。

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