東京理科大学

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RESEARCH info 研究最前線 エネルギー・環境コース 堂脇研究室

RESEARCH info 研究最前線 エネルギー・環境コース 堂脇研究室

現代は、食料問題、環境問題、エネルギー問題が、人類の重要なテーマとなっていて、その解決のための大きなポイントに植物の利用があります。
朽津研究室は、植物の生きる仕組みを解明して、植物のさらなる有効利用をめざしています。さらには、生物学と工学の連携により、問題解決の新しい枠組みづくりをめざします。
植物の生き方を知りたい。
植物の生き方を知りたい。
私は、植物が外部の環境や敵味方をどうやって認識しているのか、そしてその情報をどのように処理・伝達したり、適応・応答しているのかを研究しています。

植物は、動物のような免疫系、神経系を持っていませんが、環境変化を感知して自分の体を再構築して適応することができます。たとえば、「もやし」は光を求めて重力とは反対側にぐんぐん伸びていきますが、光を感じると成長を止め、葉を作ります。人間と比べてその変化はダイナミックです。植物は、状況に応じて自分の体を根本から変えてしまうことができます。

今の時代は、食料問題、環境問題、エネルギー問題がとても重要で、その解決のためにも人間は植物をうまく活用していかないと生き延びられません。こうしたときこそ、植物とはどういう生き方をしている生き物なのか、しっかりと考える必要があると思っています。
めざせ、「植物サプリ」。
めざせ、「植物サプリ」。
私たちは、植物が生きる仕組みの中で、活性酸素の役割を明らかにしてきました。活性酸素は人間を含めて生物にとって毒性の強い物質ですが、ここぞという場面では積極的に作られ、重要な働きをします。たとえば、植物の受精の際に、活性酸素がないと花粉管が伸びられないことを発見しました。

また、植物にとってのオートファジー(細胞内自食作用)の役割を解明しました。細胞の中の一部を膜で包み込んで壊す、ほとんどの生物が持つリサイクルのメカニズムですが、それができなくなったイネは花粉をうまく作れず、実をつけられなくなる、つまり花粉を作る上でオートファジーが大切な働きをすることを発見しました。

こうした研究は、植物を病気や環境ストレスに強くするなど、新世代のバイオテクノロジーの展開をめざしたものです。もっと研究を進め、殺菌剤や殺虫剤などの農薬を使わず、植物の免疫力を高めて病気に強くする「植物サプリ」のようなものを作りたいと考えています。
答えのない問題を解いてやろう。
答えのない問題を解いてやろう。
理工学部では、もうすぐ分野横断型の農理工学際連携コースが始まります。そこには、生物系と工学系の先生や学生が集まり、力を合わせて、さまざまな工学の技術を農業、食品、環境問題、エネルギー問題などに活かす方法を考えていきます。

経営工学科から私の授業を受けにきている学生がいますが、将来は経営工学の視点で生物の専門家と協力して農業、エネルギー、環境などの問題を研究したいと話しています。まさに、農理工学際連携コースは、そうした新しいニーズに応えられるものです。

大学は、答のない問題を解決する方法を学ぶと共に、追求すべき問題を見つける能力を磨く場所です。また、さまざまな分野の人と付き合う中で、自分の視野を拡げ、協力して問題を解決する能力を身に付ける場所でもあります。自然に溢れ、異分野連携がとてもやりやすい理工学部の環境は、こうした力を身に付ける上で、最高の環境と信じています。
堂脇 清志先生

朽津 和幸先生

応用生物科学科 教授
農理工学際連携コース コース長
イメージングフロンティアセンター 副センター長

専攻分野:植物分子細胞生理学br>研究分野:植物免疫、環境応答、生体情報処理
Profile:1985年東京大学理学部生物学科卒業。1990年同大学院理学系研究科植物学専攻博士課程修了。理学博士。農林水産省農業生産資源研究所主任研究官、カリフォルニア大学研究員、東京理科大学理工学部助教授、文部科学省学術調査官(併任)等を経て、2007年から現職。