■2023年度公開講座「坊っちゃん講座」第12回を開催しました!
3.23(土)に第12回坊っちゃん講座を開催しました。
多くの方にご参加いただきありがとうございました。
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東京理科大学では、謎の解明やその応用研究において世界をリードしている研究者が高校生・中学生向けにわかりやすく語る公開講座シリーズ「東京理科大学 坊っちゃん講座」を2018年9月から開講しています。
第12回:2024年3月23日(土)14:00~15:30 【オンライン開催】
中村 和晃 東京理科大学 工学部 情報工学科 准教授
「AIも攻撃される!? ~安全な運用を目指して」
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※パソコン、スマートフォンまたはタブレットとインターネット環境は各自ご用意ください。
※お申込みいただいた方に開催2日前までにZoom URLをお送りします。
2023年度第12回坊っちゃん講座「AIも攻撃される!? ~安全な運用を目指して」開催報告
3月23日(土)に2023年度第12回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、120名を超える参加者がありました。
本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。
今回は、本学工学部 情報工学科 中村和晃 准教授に講演いただきました。最初に自己紹介として、自身の年表とゲーム機の年表を重ね、小学生から高校生の頃、ファミコン、スーパーファミコン、プレイステーション、プレイステーション2の発売と続き、漠然とゲーム制作に関わりたいと思い情報系の学部・学科を選択したこと、特に、ファイナルファンタジーⅥからⅦへ変わった時の進化に衝撃を受け、CG(コンピュータグラフィックス)に興味を持ち、その後の専門分野である画像処理、画像認識、画像生成へと繋がっていったとの話がありました。
次に、「そもそも「AI」って何だろう?」では、工学的な立場からの見解として、AIとは入力データに応じて出力データを吐き出す箱であり、出力データは計算により作成します。そこに思考は存在しないことが人間とは大きく異なります。工学的課題として、箱をどのように設計するか(ニューラルネットワークと機械学習)、入力データ/出力データをどのように数値化するかとの説明がありました。
「AIと機械学習」では、箱の中で実行される計算式を適切に定める処理が機械学習であり、与えられた学習用データを単純に覚えるのではなく、実は機械学習はある種の算数パズルを解くことに似ているとの説明もありました。
「AIの基礎:ニューラルネットワーク」では、現在のAIの基礎であるニューラルネットワークについて、人間の脳を模倣した情報処理機構で、ユニットが相互に接続された構造を持ち、ユニットはパーセプトロンとも呼ばれ、加算器と活性化関数から構成されています。また、複数のユニットを並列的に並べたものが層であり、複数の層を直列的に並べたものがニューラルネットワークとの説明がありました。単一ユニットによる情報処理の例として天気予報AIを紹介し、パラメータ設定の重要性について説きました。実用化されているAIでは、言語処理AIのChatGPTのパラメータ数は、GPTが1億2000万、GPT2が15億、GPT3が1750億、GPT3.5が3550億、GPT4が非公開、ちなみに人間の脳は100兆くらいと言われています。(例として挙げた天気予報AIは3つ)その他、AIによる画像認識、画像生成、文章の生成について説明がありました。
「AIに対するサイバー攻撃」では、AIがサイバー攻撃に悪用されるケースとAI自身がサイバー攻撃を受けるケースについて紹介し、現在研究が進められている攻撃として、学習用データに「毒」を混入する中毒攻撃、AIの判断を誤らせる敵対的攻撃(例えば、画像認識AIでは、象の皮膚に猫の形の絵を描いた場合、人間は猫、AIは象と判断する。これは人間とAIではものの見方が異なり、人の目を騙すことなくAIだけ騙せる可能性がある)、AIの学習用データを暴くモデル反転攻撃、海賊版の作成を目論むモデル抽出攻撃などの説明ありました。
最後にまとめとして、①現在のAI = 入力データに応じて出力データを吐き出す箱 ②機械学習 = 箱の中身(具体的な計算方法)を学習用データに基づいて設計すること ➂AIの計算は「ユニット」の組み合わせにより実現される ④信頼できるAIの実現に向けて、AIを標的としたサイバー攻撃と防御に関する研究が進められているとお話され講演を締めくくりました。
講演後、多くの質問に中村先生が1つ1つ丁寧に回答してくださいました。今回の講演では、AIの仕組みから実用、サイバー攻撃と防御に至るまで、分かりやすく説明していただき、参加者が今や毎日聞かないことがないAIについて、理解を深められたことと思います。
参加者からは、「AIという今まで漠然としていたものが、数値化されたあらゆるデータから計算処理されたものなのだと少し理解ができ、興味が持てました。」「現代の社会問題と関係のある内容(フェイクニュースや自動運転等)を取り入れた、AI技術についての深い内容の講義が行われて、大変勉強になりました。」「AIと言う言葉を頻繁に耳にする昨今、AIの実体が解らず困っていたのだが、その仕組や機能がある程度理解できるようになりました。」などの感想が寄せられました。
講演の様子
■【4/20(土)開催】2024年度公開講座「坊っちゃん講座」第1回を開催します!
東京理科大学では、謎の解明やその応用研究において世界をリードしている研究者が高校生・中学生向けにわかりやすく語る公開講座シリーズ「東京理科大学 坊っちゃん講座」を2018年9月から開講しています。
第1回:2024年4月20日(土)14:00~15:30 【オンライン開催】
川村 康文 東京理科大学 理学部第一部 物理学科 教授
「みんなが知りたいエネルギーと環境のお話」
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2024年度「坊っちゃん講座」の申込みを開始しました!
理数教育フォーラム第45号を発行しました!
理数教育研究センターでは、センターの活動内容や、理数教育に関する情報等を周知することを目的とした理数教育フォーラムを定期的に発行しております。 このたび、理数教育フォーラム第45号が完成しましたので、ぜひご覧ください。
<CONTENTS>
1.ソルボンヌ大学の数学博物館(La Maison Poincaré)訪問記
2. 「第16回 算数/数学・授業の達人大賞」・「第2回 理科・授業の達人大賞」開催報告
3. シンポジウム「国際科学オリンピックの主催と日本の理数教育」開催報告
4.なるほど納得ゼミナール フラクタル
■本センター教員が「戸田市算数数学フェスティバル」で講演しました!
本センター の伊藤稔教授が2024年2月3日(土)に開催された「戸田市算数数学フェスティバル」に講師として参加し、戸田市内の小学生47名を対象に講演を行いました。
詳しくはこちら ⇒ https://www.tus.ac.jp/today/archive/20240205_1511.html
■2023年度公開講座「坊っちゃん講座」第11回を開催しました!
1.27(土)に第11回坊っちゃん講座を開催しました。
多くの方にご参加いただきありがとうございました。
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東京理科大学では、謎の解明やその応用研究において世界をリードしている研究者が高校生・中学生向けにわかりやすく語る公開講座シリーズ「東京理科大学 坊っちゃん講座」を2018年9月から開講しています。
第11回:2024年1月27日(土)14:00~15:30 【オンライン開催】
礒濱 洋一郎 東京理科大学 薬学部 薬学科 教授
「漢方薬の科学〜漢方薬にはノーベル賞テクノロジー?」
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2023年度第11回坊っちゃん講座「漢方薬の科学〜漢方薬にはノーベル賞テクノロジー?」開催報告
1月27日(土)に2023年度第11回坊っちゃん講座をオンラインで開催し、160名を超える参加者がありました。
本講座は最先端の研究や応用研究において世界をリードしている研究者が研究の面白さを高校生、中学生および大学生に伝え、勉学意欲の向上と進路選択に資するために開講しています。
今回は、本学薬学部 薬学科 礒濱洋一郎 教授にご講演いただきました。初めに自己紹介で、子どものころテレビで「鉄腕アトム」や「マジンガーZ」をみて科学者になって人類を救おうと考えていたことや、野口英世の伝記を読み、人類を救うために医者になろうと夢を変えたこと。高校ではバスケットボールやギターばかりやっていて成績が振るわず、医学部進学を目指していたが熊本大学薬学部へ入学することになったこと。薬学部に入学したことでやる気が起きずなんとなく過ごしていた頃に、恩師の言葉から実験研究の面白さに気付き、人類を救うためには医学部でなくてもできると寝食を忘れて実験に夢中になっていったこと。現在は呼吸器疾患の治療に用いる新しい薬の開発や漢方薬の新たな使い方を提案する研究を続けていることなどのお話がありました。
薬には、病気の原因を取り除く「原因療法(根本治療)」の薬、痛みなど病気の症状を和らげる「対処療法」の薬があります。そもそもなぜ病気になるのかというお話から、薬学とは「どんな化学物質を」「どれくらいの量で」「どの場所に」「どんなタイミングで」使えば良いのかを考える学問であり、東京理科大学薬学部の場合には、薬を使うプロである薬剤師を育てる薬学科、薬をつくるプロを育てる生命創薬科学科があること。医療・保健行政職や医薬品の営業職、麻薬捜査官や科学捜査研究員などの正義を守る職業など、薬に携わる多種多様な業種に就職する人達もいることなどの説明がありました。
続いては、礒濱先生の研究テーマである「漢方薬はなぜ効くのか」についてです。漢方薬はいくつかの薬用植物(生薬)を混ぜてつくるものであり、現在ではほとんどの医師が漢方薬を処方しています。漢方の診察では「気・血・水」の巡りが悪いと症状(痛み)が出てくると考えます。
「麻黄湯」がインフルエンザウイルス増殖を抑制する作用について、西洋医学の「オセルタミビル」と比較しても、「麻黄湯」は抗インフルエンザ効果の作用点が複数になることから有効性が増し、耐性を生じにくいと言われていることなど、詳細にわかりやすく解説されました。
また、漢方薬は複数の生薬(成分)が混ざり合って大きな作用を生むことの例として、芍薬甘草湯の芍薬と甘草をマウスに投与する実験の解説がなされました。
さらに、五苓散の受容体はアクアポリンであることについて様々な実験データを用いて解説され、五苓散が脳浮腫の治療薬として新たな可能性があることについてのお話がありました。
近年になって解明されてきたその他の漢方薬の作用点として、大建中湯や六君子湯についての解説もなされ、まとめとして、漢方薬は「混ざっているところがいい!」という側面があり、さらには「西洋薬に未だ利用されていない受容体を持っている」ということが分かってきたのだと述べられました。最後に、1800年前にできた漢方薬に実は21世紀のノーベル賞テクノロジーがすでに応用されている。漢方薬の作用をもっと調べていくとそこからノーベル賞のネタになるものが見つかるのではないかと夢見ながら、研究室のメンバーと日夜研究にいそしんでいると話され、講演が締めくくられました。
ご講演後、参加者から届いた30件以上の質問に礒濱先生が1つ1つ丁寧に回答してくださいました。
参加者からは、「とても興味深い内容で、進路の参考にすることができました。」「漢方薬の奥深さを益々感じ、私は薬学部に進学して、もっとたくさんのことを研究したいと思いました。」「以前から漢方に興味はあったのですが、より興味を持ちました。自分は理科大の薬学部志望なので、今回の講座に参加して勉強を頑張ろうという気持ちにもなりました。先生のわかりやすくて面白い話を聞いてとても楽しかったです。」「漢方薬がどのように働くのかというお話を、化学や生物の面からも垣間見ることができて、大変興味深く学びになりました。」などの感想が寄せられました。
講演の様子
理数教育フォーラム第44号を発行しました!
理数教育研究センターでは、センターの活動内容や、理数教育に関する情報等を周知することを目的とした理数教育フォーラムを定期的に発行しております。 このたび、理数教育フォーラム第44号が完成しましたので、ぜひご覧ください。
<CONTENTS>
1.理科大の国際貢献が一歩前進!!
2. 高校生のためのサイエンスプログラム―あなたも1日大学生―
「工学部の化学で拓く未来の『ものづくり』」実施報告
3. 高校生のためのサイエンスプログラム―あなたも1日大学生―
「実験で知る電気電子情報工学」実施報告
4.なるほど納得ゼミナール
ロータリーエンジン
■高校生と高校理科教員のための「微生物培養講習会」を開催しました!
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東京理科大学 理数教育研究センターでは、高校「科学と人間生活」、「理数探究」に導入可能な実習教材開発のための実験講習会を開催します。
日 時:【1日目】2023年12月26日(火)13:00~16:00
【2日目】2023年12月28日(木)13:00~16:00
場 所:本学神楽坂キャンパス(最寄駅:飯田橋)
対 象: ・高校1~3年生 20名
・高校理科教員 10名 計30名 ※定員に達し次第、募集を停止します。
費 用:保険代・資料代 100円(予定・参加者に後日連絡します)
講 師:松田良一 東京理科大学 客員教授
坂下丈太 東京学館浦安高校非常勤講師・東京理科大学 理学研究科 科学教育専攻 博士後期課程1年
内 容:実験1:身近な微生物を確認してみよう!
実験2:乳酸菌の生育をパラメータとした「バイオアッセ」を利用した殺菌効果を調べる実験
その他:・参加者には後日、申し込みメールアドレスに詳細スケジュール、持ち物等をお伝えします。
・高校生は両日参加できる方を優先します。
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2023年8月実施の様子:開催報告